終わらざる夏(中) の商品レビュー
A 戦争を題材にした小説や手記を読むといつも思うことがある。誰が戦争をしたがっていたんだろうかと。上層部ほどこの戦争の大義がまやかしでしかないことはわかっていたであろうに。
Posted by
上巻よりも内容が理解できた 昭和20年8月、広島と長崎に新型爆弾が投下された どうしても原爆の悲惨さに目を向けてしまうけど、そのとき北の前線ではどのような動きがあったか しぃちゃん、ジョー、頑張って
Posted by
各登場人物の視点で捉えられた戦争は理不尽で残酷で、大切なものを根こそぎ奪い去るものでしかない。唯一齎すものは、愛する者を失う悲しみや死への恐怖。 この状況はいつか終わるという微かな希望も見え隠れしているけれど、運命の瞬間が刻一刻と迫り、読むのがつらかった。
Posted by
シュムシュ島に動員された女子400名。終戦に向けた動き。学童疎開からの脱走。同時に起こる1日1日に、早く15日を迎えないかと祈るばかり。
Posted by
疎開ってこんな感じだったんですね。 私の故郷は田舎なので、食べるものには困らなかったと聞いているけれど。
Posted by
浅田次郎『終わらざる夏』集英社文庫 読了。終戦間際の夏、北千島の占守島で起きた知られざる戦い。盛岡管内における3名の補充要員(英語翻訳者、歴戦の軍曹、帝大医学生)の召集過程が丁寧に描かれる。登場する一人一人にささやかな夢があった。最後に出てきた藁半紙の辿ってきた道程に思い馳せたい...
浅田次郎『終わらざる夏』集英社文庫 読了。終戦間際の夏、北千島の占守島で起きた知られざる戦い。盛岡管内における3名の補充要員(英語翻訳者、歴戦の軍曹、帝大医学生)の召集過程が丁寧に描かれる。登場する一人一人にささやかな夢があった。最後に出てきた藁半紙の辿ってきた道程に思い馳せたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
シュムシュはクリルアイヌ語の「シーモシリ」が訛ったもの、「美しき島」「親なる島」とのこと。定住に適さぬ火山灰地で出来上がっている、北千島唯一の丘隆地と草原に被われた島。一年のうち七か月は雪と氷にとざされるという。 片岡のひとり息子譲と同じ学校の上級生静代が疎開先の信州から抜け出し父母のいる東京へ向けて歩いている状況、疎開経験のある我が両親の子供の頃と重ね合わせてしまう。 「この星明りの線路が、戦争のない世界に続いていると信じた」 ロシアは軍事上の必要性、太平洋への進出路を失うから樺太よりも千島国境を重要視していた。明治八年「樺太千島交換条約」により樺太の全土と交換に全千島列島を日本の領土としたのは世界外交上の大成果、日露戦争賠償で樺太獲得、石炭石油採掘権えるなど北辺の主導権握ることとなった。 日本の領土になったところには陛下のご名代として勅使が差遣という魂入れ、欧化政策による天皇の神格化、国家的求心力に利用されたという説明あり。 缶詰工場に働く女子挺身隊員の石橋キクが学年総代として卒業式には全員セーラー服をきさせてほしいと交渉に敗れた様子は切なすぎる。 譲と静代が歩き疲れた夜に身を寄せた、鴨居に夫や息子と思われる写真が並ぶ白髪のおばあさんちでのお芋とお米を炊いたお粥は体を芯から温めてくれそう。子ども同士の言葉少ない互いの立場を思いやるやりとり。 通訳を必要とする理由が語られ、長い夏が終わる予感。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
片岡直哉(かたおか なおや)の息子で小学四年生の譲(じょう)は信州に学童疎開していた。 もう一年近くになる。 食べるものが乏しく、子供たちは来た頃よりも皆、一貫目(約3.75kg)ほども痩せた。 24時間、子供達を守らなくてはいけない先生たちの苦労も大変なもの。 自分では否と思うことを子供達に吹き込まなくてはいけない事が一番の苦しみだろうか。 「あなたたちの本分は勉強です」と、言外にさまざまな思いを込めて言い聞かせることしかできない。 ホームシックの限界に来ている子らを見守るのも辛い。 実家に出す手紙も、実家から来る手紙も検閲することになっている。 良心ある教師はそれもつらい。 片岡譲の担任の小山雄一、六年生の吉岡静代を担任する浅井マキ子は、二人の子供がしっかりしているからと信じて手紙を読ませるが・・・ 片岡直哉たちが配置される、北の最果ての島、占守(シュムシュ)島には、なんと民間の缶詰工場があった。 民間といっても、軍の命令で動いている。 撤退したいのに許されず、函館の女学校を出た女子挺身隊も働いている。 工場の責任者である森本健一は、なんとしても彼女たちを守ろうと思っている。 そういえば、この本には「悪い人」が出てこない。 強いて言えば、小山や浅井の上司に当たる教師かな。まあ、体がデカいだけで、器は小さいけどな。 戦争が悪いのであって、人は悪くない、という事なのだろうけど、戦争は自然災害とは違う。 いつまでも戦争を終わらせたがらず、国民を苦しめている奴らが確かに存在しているはずなのだ。 片岡たちは皆、岩手の出身だから、地元が描かれる時は岩手弁の会話だし、鬼熊こと富永軍曹は常に岩手弁だ。 なんとなく宮沢賢治を思い出すなあと思っていたら、「星めぐりの歌」と「雨ニモマケズ」が出てきた。 満天の星と、東北の自然と、素朴な心の美しさが、非情な現実との対比になっている。 片岡二等兵、菊池軍医、富永軍曹の三人はいよいよ占守島に着任する。 片岡の役目は最初から書かれていたけれど、後の二人の役目は・・・う〜ん・・・そんなのありか。 スーパーで「マルハニチロ」の商品を見つけ(ゼリーだった)なんだか胸がせまる。
Posted by
片岡夫妻の息子・譲の疎開先の描写から、譲と静代が東京を目指した逃避行の場面から、千島列島の領有権を大日本帝国はおろそかにし、クリルアイヌの人々の居住権すら侵した歴史的背景の説明を挟み、富永軍曹、片岡二等兵、菊池軍医少尉が運命に引き寄せられて、無傷の戦車第十一連隊が守備する占守島に...
片岡夫妻の息子・譲の疎開先の描写から、譲と静代が東京を目指した逃避行の場面から、千島列島の領有権を大日本帝国はおろそかにし、クリルアイヌの人々の居住権すら侵した歴史的背景の説明を挟み、富永軍曹、片岡二等兵、菊池軍医少尉が運命に引き寄せられて、無傷の戦車第十一連隊が守備する占守島に来着するまでの息もつかせぬ展開。本当の任務を告げた方面軍参謀・
Posted by
英語の先生、医者、軍人を職業とする者、親子、のいろんな糸を通して戦争を描く。昨今の情勢がより身近に感じられる。
Posted by
