ゴーン・ガール(上) の商品レビュー
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物語は、結婚5周年の記念日の朝に幕を開ける。ミズーリ州に住むニック・ダンが帰宅すると、自宅の居間は荒らされ、妻・エイミーの姿が消えていた。 本作は、失踪後のニックの視点(現在)と、エイミーが残した古い日記(過去)が交互に綴られる構成をとっている。 警察の捜査が進むにつれ、ニックの言動には少しずつ「違和感」が混じり始める。嘘を重ね、どこか冷淡な彼に対し、世間と警察は「彼が妻を殺したのではないか」という疑念を強めていく。 一方で、エイミーの日記に記されていたのは、ニューヨークでの華やかな出会いから一転、経済的な困窮、そしてミズーリ移住後に豹変したニックの姿だ。そこには、夫を心底恐れる妻の悲痛な叫びがあった。 上巻を読み終えた今、扉句に引用されたトニー・クシュナー『イリュージョン』の一節が、あまりにも切なく、重く響いてくる。 また、個人的に印象的だったのは、エイミーが薬局で妊娠検査薬を買うシーンだ。店員の女性にじろりと見られ「幸運を」と言われた際、「どちらの結果が出れば『幸運』なんだろう」とエイミーが自問する箇所は、不謹慎ながらも思わず膝を打つような可笑しみがあった。 とにもかくにも、あの小屋の中に一体何があったのか……。気になって仕方がないので、このまま下巻へ急ぎたい。
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上下巻 この本は「イヤミス」と呼ばれているらしい。そういえばいや~な感じの言葉満載。放送禁止用語、それも飛びっきりの下品な言葉で埋まっている。上巻だけ読んでいたが、今回下巻まで読了。 ゴーン・ガール(上下) 厭な言葉も読んでいるうちに慣れるとは恐ろしい、そのうちストーリーに気を取られ気にならなくなってくる。 やはり、言いにくい言葉は最初の一言に気をつけて我慢することだ、何事につけても。 言い慣れるとスルリと出るようになる。読書は役に立つ(自戒のひとこと) 上巻の帯「虚栄、裏切り、復讐、憎悪、そして嘘、読んだ後まで、あなたの心は操られ続ける」 下巻の帯「誰もが持っていて、隠しておきたい嫌な感情が、これでもかというほど濃密に描き出される」 このコピーは誰が考えたのだろう、これを読むと気の弱い人は伸ばした手を引っ込めるかもしれない。 私は、もうこのくらいで驚かない、ホラーでもスリラーでも、気の毒な主人公が崖っぷちに追い詰められようと切り刻まれようと、登場するのが、ハンニバルでもドラキュラでも食人種でも、読ませていただきますと、血も涙もないミステリ好きの読書欲には負けてしまって、何でもあり、面白ければいいと開き直る。 というわけで、特別というわけではないが普通には面白かった。一過性の、エンタメミステリだった。 夫ニックはニューヨークでライターをしていたが失業、副業に性格診断クイズを作っていた妻も職を失った。 ニックの母親が病気に、父が認知症になったので、二人はニックの故郷に帰ってくる。 そして結婚5年目の記念日に妻が失踪した。ふっと消えてしまった。 キッチンに大量の血痕があり、部屋は荒らされていた。アリバイが無いニックは警察の取調べを受ける。 妻のエイミーは両親が書いた小説のモデルで、その本は成長記録のように続いて出版され、初版はベストセラーになり、印税で裕福な暮らしをしてきたが、最近は売れ行きもさっぱり、両親は借金がかさんでいる。 二人は会った途端に恋をして結婚したが、今では憎みあうまでになっている。 嫌疑のかかったニックは無実を証明出来ない。妻の日記は無邪気で真実味があふれ、いまだに冷めないニックへの溢れるような愛情が綴られていて、ニックの容疑が深まるばかり。マスコミは、「あの小説のモデルが失踪!!」と騒ぐ。 夫婦が書いたそれぞれ別の日記には、真実ウラの顔が書いてある。妻はまさに虚栄と自己欺瞞に満ちているが、これまた浮気までしていた夫は事件後の心境が悩ましく生々しい。 下巻は 真の恐ろしい迷宮があるとすれば、それは合わせ鏡のようなものだろう。出口のない世界のなかで、ひとつに解け合い映しあう現実と虚像。底深くに映し出されているのは、自分なのか、相手なのか。交錯する視線の中に浮かび上がる真実とは。虚栄心、嫉妬、保身、裏切り、敗北感、復讐心、欺瞞、執着、支配欲、憎悪、そしてそこから生まれる嘘、嘘、嘘・・・・。誰もが持っていて、そして出来れば蓋をして隠しておきたいと思うありとあらゆる嫌な感情がこれでもかというほど濃密に描き出される これでもかこれでもかというような。 訳者あとがきより 帯とダブル部分があるが、上巻は多少ほほえましい結婚の経緯や暮らしぶりも書かれていて、平坦な日常が進んでいく。下巻で様相が変わり、意外な構成に嵌められる。それもストーリーの何気ない進行がやがて不気味さを見せ始め、緊張感が高まる。ベストセラーになり映画化もされるという、もう少し短く出来るかなと思う部分もあるが、読みやすく、嫌で、嫌味で、今はイヤミスと纏められるようになった事もこの小説の売り文句らしいと感じるくらいだが、慣れるとそれほど気にもならなくなった。 この本は結果にふれるような予備知識があると面白くない。 あとがきも、本編を読んでから読んでください、というほど。 映画化され、ニックはベン・アフレックとか。女優さんは知らない人だ。ただ映画化に際して結末が書き換えられているそうだ。なるほど。 結末は驚かされたが、どんでん返しの佳作に小泉喜美子さんの「弁護側の証人」がある、これは歴史に残る名作だと思ったが、そんな作品は結末を覚えている間再読無理かなと思っている、忘れるのもそんなに長い時間はかからないと思うけれど。
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上巻と下巻で、エイミーの人格が全く違う。 なぜなら、上巻はニックを陥れるために書かれた日記だから、作られた人格なのだ。 エイミーは徹底的に腹の中がどす黒い。自分の物語を守るために人殺しもするし、夫の人生もコントロールする。しかし、それにニックが合わせることによって表面上は幸せな夫婦関係になっていってるのが皮肉だ。 とにかく、読者をぐいぐい引っ張っていく構成が素晴らしかった!
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ずっと読みたかった一作。 図書館にあるのは認識していたけど、「さて」と思った時にはいつも誰かが読んでいて、予約するほどでもないかなと次の機会に回していたけど、最近アリス・フィーニーやピーター・スワンソン読んだ後にやっぱり読みたくなって予約して借りた。 相思相愛、順風満帆な交際、結婚だったはずの大都会ニューヨークでライターの職に就いていたニックとエイミー。 不況の煽りを受けた失業とニックの母の病気を機にニックが育った中西部ミズーリ州に引っ越すことに。 結婚5周年を迎えた「その日」、ニックはこの地で始めたバーに出勤後間もなく、近所の知り合いから自宅の不審な様子を知らされる。 急いで帰ってみると、リビングは散乱し妻のエイミーは居ない。何者かに連れ去られた!? 過去から現在に向かうエイミーの日記パートと「その日」からの経過を追うニックのパート。 2つの視点からのずれを巧みに使い、拗れた夫婦関係を浮き上がらせつつ進むサスペンスはまさに『彼は彼女の顔が見えない』のよう。 しかもこの語り手は割と序盤の方である意味暴露、ある意味挑戦を仕掛けてくる。 ほー、それ言う。 それでもなんか全部じゃない、なんか食い違ってるっていうところに惹き込まれてどんどん読まされる。 ただ2人の関係の破綻への道がありきたりなのと、ちょっとやり過ぎなくらいなニックの愚かでクズ男な立ち回りがエイミーに対して痛々しいし、「ほんと男ってバカだなー」って気にしかならなくて、そこがなんかげんなりする。 唯一、ニックの双子の妹マーゴが良いキャラしてて精神的にはそこに救われる。 このままの路線で突き進むのか、一波乱あるのか。 「嘘だ嘘だ嘘だ」で切れる上巻。 後者の予感。
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前半戦は、ただただエイミーがいけすかない奴でアメリカンな文化も馴染めず読むのをやめようかと何回か思った。
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夫が語る結婚生活と妻の日記が交互に描かれている。 よくある夫婦のすれ違いで、夫婦の悩みってアメリカでも同じなんだなと思いながら読み進めていくと、段々とよくあるすれ違いではなさそうな雰囲気が…。 下巻に入った途端に「え?!何これ面白い!(゜o゜;」となる。
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個人的・夏のホラー特集。なんだけど。どこかのホラー特集て見かけたこともあり、そのつもりで読み始めたけど、今のところ、良質なミステリって感じ。ホラー感皆無。それはさておき、かなり引き込まれる内容であることには違いなく、面白きゃどういう風でも良いんです、はい。だいぶもったいぶって閉じ...
個人的・夏のホラー特集。なんだけど。どこかのホラー特集て見かけたこともあり、そのつもりで読み始めたけど、今のところ、良質なミステリって感じ。ホラー感皆無。それはさておき、かなり引き込まれる内容であることには違いなく、面白きゃどういう風でも良いんです、はい。だいぶもったいぶって閉じられた上巻だけに、続きが凄く気になる。
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夫の現在と、妻の過去の日記が順に描かれる凝った構成が楽しい。 ニックが失踪した妻について事情聴取を受ける章のラストに「それはぼくが警察についた五つめの嘘だった。まだ序の口にすぎない。」とあったのには痺れた。 え、今までのどれが嘘だったの!?と一気に引き込まれた。なんとテクニカルな...
夫の現在と、妻の過去の日記が順に描かれる凝った構成が楽しい。 ニックが失踪した妻について事情聴取を受ける章のラストに「それはぼくが警察についた五つめの嘘だった。まだ序の口にすぎない。」とあったのには痺れた。 え、今までのどれが嘘だったの!?と一気に引き込まれた。なんとテクニカルな手法。
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妻エイミーの失踪。エイミーは何故いなくなったのか? 夫と妻が交互に語る形で物語は進み、展開が読めな過ぎてあっという間に読み終えてしまいました! 最後迄どうなるかわからず、そうきたか!で終わりました。それでいいのか!? 妻も夫も理解できないけど面白かった!
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結婚5周年記念の夕、お宅の玄関が開いてると近所の住人からの電話で戻ってみると、争った形跡があり妻エイミーがいない。さっそく失踪届をする夫ニックだったが・・ 上巻ではニックとエイミーの行動と心情が交互に綴られる。ニックのは今の、エイミーのは5年前にニックと出会った時のから。そこに...
結婚5周年記念の夕、お宅の玄関が開いてると近所の住人からの電話で戻ってみると、争った形跡があり妻エイミーがいない。さっそく失踪届をする夫ニックだったが・・ 上巻ではニックとエイミーの行動と心情が交互に綴られる。ニックのは今の、エイミーのは5年前にニックと出会った時のから。そこにはニックと出会った喜びが綴られているのだが・・ エイミーのは日記。これが後になってミソなのだとわかるのだが、上巻ではエイミーの日記もニックの今もわりとだらだらと続く。が、下巻になって急転! なんだなんだ、エイミーって・・! そりゃあ生まれも育ちもちがう二人が一緒になるのが結婚。思ったのと違う、ってのはあるでしょうが・・ やがてエイミーの思惑にニックが気づき、下巻ではエイミーの今とニックの今、ええっ、そう行くか~ 予測のつかない展開、着地点はどこに? う~ん、こうなるか・・・ ちょっとクリスティの「春にして君を忘れ」を思い浮かべた。書かれた時代がちがうが、着地点は似ているかもな、と感じる。ただエイミーは21世紀のアメリカらしく、いやーやってくれます。 ニックとエイミーはともにニューヨークで雑誌ライターをしていたがネット時代のあおりで失業し、ニックの故郷ミズーリに戻ったという設定。ニューヨークで裕福に育ったエイミーにとってはミズーリ州のミシシッピ川に面した寂れた街の今の住まいはなんとも受け入れられない、という雰囲気を描いている。作者のギリアン・フリン(女性)もミズーリ州カンザスシティ生まれ。 2012発表 2013.6.11初版第1刷 図書館
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