マルガリータ の商品レビュー
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千々石ミゲルが棄教に至ったのは、日の本の人々を南蛮人のために殉教させてはならないという使命のためだった。しかし、ミゲルが手本を示した棄教は、棄教者が切支丹弾圧に手を貸し、結果的に多くの殉教者を生んでしまった。 ミゲルの妻、珠が自分が夫にとってのマルガリータ(真珠)ではなかったと悟り、夫の想い人である伊奈姫を大嫌いになる描写は悲しい。なぜ、ミゲルが信仰心に薄い珠を伴侶に選んだのか不可解。 ミゲルの苦悩も珠の嫉妬も、ジュリアンのやさしい告解が許しを与えて救いとなった。登場人物が信仰の奴隷となり、人生を振り回されていたのが、曇天から降り注ぐ一筋の光のように美しい告解だった。 砒素中毒は簡単に治るのか?天草四郎の出自は無理があるのでは?といった点がツッコミどころ。
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教科書に載っていた天正遣欧使節団。 豊臣・徳川の政、南蛮人の思惑、千々石ミゲル達の深すぎる信仰… 。信仰とは何なのか政とは何なのかと怒りを感じながら、そして珠は幸せだったのかと疑問を感じながら読んだ。
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隠れキリシタン、踏み絵、殉教、、、今までただ単語として知っていただけだったこれらの言葉が、この本を読んで深い深い意味を持つ言葉になりました。読み終わった後も、ずーんと心に重く残っています。
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天正遣欧使節団の4人の少年の帰国後の運命を、そのうち一人の妻の目線で描いたもの。中国に渡ることさえ命がけだった時代に、往復8年の時間をかけて欧州を訪問・帰国してみれば、鎖国とバテレン追放の時代になっていた。次第に厳しくなる迫害の中で一人は病に倒れ、一人はマカオに移住することを選ぶ...
天正遣欧使節団の4人の少年の帰国後の運命を、そのうち一人の妻の目線で描いたもの。中国に渡ることさえ命がけだった時代に、往復8年の時間をかけて欧州を訪問・帰国してみれば、鎖国とバテレン追放の時代になっていた。次第に厳しくなる迫害の中で一人は病に倒れ、一人はマカオに移住することを選ぶ。一人は司祭として残り、国内のキリシタンを励まして生きる。そして本編の主人公千々石ミゲルは棄教の道を選び、キリシタンからは棄教者と憎まれ、キリシタンを取り締まる士族からは転び者と蔑まれる。そこには日本から一人の殉教者(=死者)も出さないという4人の誓いがあった。ミゲルに寄り添いながら、最後までミゲルの本心に近ずけなかったと感じる妻の純粋でいちずな思いにも心打たれる。それにしても、時の指導者の思惑や目先の利益で、宗教心という重大なことをコロコロ変えてしまうことで、どれだけ多くの人が不幸になるか。これは、現代の生き方にも痛烈な警告を投げかけている気がする。
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天正遣欧少年使節としてヨーロッパに渡った4人の少年たち。帰国後、千々石ミゲルだけは棄教する。その史実を軸に、キリスト教迫害の時代を描く見事な筋立ての小説だった。そしてせつない。 何がせつないって、語り部の珠。あこがれのミゲルと夫婦になってともに人生を生きていくはずなのに、最後の最...
天正遣欧少年使節としてヨーロッパに渡った4人の少年たち。帰国後、千々石ミゲルだけは棄教する。その史実を軸に、キリスト教迫害の時代を描く見事な筋立ての小説だった。そしてせつない。 何がせつないって、語り部の珠。あこがれのミゲルと夫婦になってともに人生を生きていくはずなのに、最後の最後までミゲルは珠を一番の存在にはしなかったこと。珠以前に、天主様や伊奈姫、ともにヨーロッパに行った3人がいた。ミゲルは珠にやさしいんだけど、珠が欲しいのはそういう慈悲のようなやさしさではないんだよ。ともに苦しみたいのにそこには入れてくれない、ある意味不実なミゲル。 自分にとって一番の相手が、自分を一番と思っていないってこと、あるよね。相手の一番が自分と比べるべくもないほどのものだったら憤ることすらできない。しかも、一番の相手の好きなものだから嫌いとも言えない、思えないつらさ。 珠のせつなさの前では、棄教したように生きながら信仰を守り続けるミゲルの苦しさも、また、禁教の徒として処刑されたジュリアンといい、信徒らを導き日本を逃れてマカオで生涯を終えたマルチノといい、それは大義をもっての苦しみであり、美しい男たちのホモソーシャルな友情のもとでの苦しみだからどうとでも昇華できるように思えてしまう。
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帯文(裏表紙):”天正遣欧少年使節・千々石ミゲルの生涯をある女性の視点から描いた傑作歴史小説。” 目次:序、第1章 再会、第2章 新たな地、第3章 流れる、第4章 落日、結、解説 縄田一男
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【千々石ミゲルはなぜ棄教したのか?】天正遣欧使節の4人の少年の中で帰国後ただ一人棄教したミゲル。その謎の生涯を妻の視点から描く野心作。第17回松本清張賞受賞作。
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天正遣欧使節としてヨーロッパに渡りながら、なぜ千々石ミゲルは棄教したのか。 南蛮に渡ったからこそ知ることが出来た事実を胸に秘め、日本の切支丹を殉教させないために、日本の人たちの信仰を守るために、自ら棄教を選んだミゲルの生涯が悲しすぎる。
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天正遣欧少年使節の帰国後、切支丹弾圧が激化していく中で千々石ミゲルだけが棄教した経緯を描いた一作。 使節4人の友情と願いの強さに涙を誘われる。また、一心にミゲルに着いていく妻・たまの明るさにほっとしたり、やきもきしたり。 最後の対話が美しい。 基本はたまの視点で進むんだけど、時折...
天正遣欧少年使節の帰国後、切支丹弾圧が激化していく中で千々石ミゲルだけが棄教した経緯を描いた一作。 使節4人の友情と願いの強さに涙を誘われる。また、一心にミゲルに着いていく妻・たまの明るさにほっとしたり、やきもきしたり。 最後の対話が美しい。 基本はたまの視点で進むんだけど、時折はさまれるミゲル主観の部分は、とても追い詰められた気持ちに同調してしまう。 カルチャーショックって海を隔てた常識に触れた時より、長年近くにいる人の立場や考えに気付かされた時の方が衝撃が大きいかも。
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面白かった。後半は涙無しには読めません。 日本史の授業でサラッと習っただけの「遣欧少年使節」だったのですが、読後はこの4人や他の登場人物、この時代の事をもっと学んでみたいと思いました。 史実と違うという意見もあるみたいですが、それとこれとは別ですよね。
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