白雪姫には死んでもらう の商品レビュー
このドイツ警察小説シリーズは面白い。事件そのものだけではなく警部補とそのチームの人間性がよく描かれている。特に警部補がプライベートで悩む姿を描くところも気に入った。この後まだ未読のシリーズがあるので順番に読んでいく。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
冤罪で11年の刑期を終えたトビアスは、出所して故郷に帰って来る。 それに合わせたかのように再び不穏な空気に襲われるアルテンハイン。 暴力事件が起こり、再び少女が行方をくらます。 これ、ものすごく怖い話です。 例えばテレビの「逃走中」で自分一人が残った時に、何十人ものハンターが表情一つ変えることなく自分を追いつめてきたら。 それも、捕まえて終わりではなく、命を取るまでゲームが終わらないとしたら。 ところが自体はそれほど単純ではなくて、真実が少しずつ明かされるたびに二転三転と状況が変わって行く。 トビアスは無罪。 誰が、何のために、彼に罪をかぶせて、なおかつ今もなお暴力で支配しようとしているのか。 加害者が自警団を作り被害者を襲う。 その理由たるや、他人の痛みには知らん顔をしたまま自分の痛みだけを主張するおぞましさ。 だけど、文章は読みやすくて、読後感もそれほど悪くはない。 警察は警察でいろいろ問題を抱えているのだけど、例えば妻の浮気とか、自宅を強制退去させられる刑事の他に、届けを出さずにアルバイトする刑事や(届けが認められたらアルバイト可というのがびっくり)、知人に頼まれて証拠書類を廃棄する刑事(日本にもいるかも)など、日本の公務員に比べて職務専念の度合いの低さに驚き。 次は自費出版されたデビュー作に挑戦だ!
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白雪姫と呼ばれた少女たちを殺した罪に問われたトビアスは、無実を訴えた。けれども有罪となり、罪を償い、生まれた小さな村に戻った。 両親は殺人者の親として嫌がらせを受け、大切にしていたレストランも閉店していた。 出所した元少年の身の回りに不穏な嫌がらせが起こる。母も何者かに襲...
白雪姫と呼ばれた少女たちを殺した罪に問われたトビアスは、無実を訴えた。けれども有罪となり、罪を償い、生まれた小さな村に戻った。 両親は殺人者の親として嫌がらせを受け、大切にしていたレストランも閉店していた。 出所した元少年の身の回りに不穏な嫌がらせが起こる。母も何者かに襲われ意識不明の重体になる。 トビアスは過去の事件において無罪であろうことは読者にはすぐにわかる。 では誰が殺したのか? 小さな村の中のしがらみのある人間関係は陰鬱で、外から引っ越してきたメアリー(殺された白雪姫に似ている)が、風通しのいいキャラクターで魅力的だ。 過去を知らぬアメリーがトビアスに惹かれるのも当然だし、トビアスも彼女が居るから救われるところがあっただろう。 物語が進むにつれ、気が重くなるのだが……でも、やはりこの2人が主軸であってよかったなぁと思うエンディング。 この小さな村でこれからどういう物語が描かれるのか少し気になる。
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ドイツのホーフハイム刑事警察署オリヴァー主席警部とピア警部を始めとする群像小説。ずっと前に読んだ「深い疵」は元ナチスの老人殺害事件を扱った謎解き要素の強い小説で面白かったと記憶してる。WEB本の雑誌の連載で杉江松恋氏が「(最新作が面白いのだから)過去作に遡る必要なし」と力説してい...
ドイツのホーフハイム刑事警察署オリヴァー主席警部とピア警部を始めとする群像小説。ずっと前に読んだ「深い疵」は元ナチスの老人殺害事件を扱った謎解き要素の強い小説で面白かったと記憶してる。WEB本の雑誌の連載で杉江松恋氏が「(最新作が面白いのだから)過去作に遡る必要なし」と力説していたので、「穢れた風」を読み始めたものの、オリヴァーがコージマと別れてたり、いろいろ気になるので遡って読むことに。 結果としては、しっかり楽しめた。登場人物多くて混乱するのは相変わらずだけどね。 次から次に怪しい人物(しかも名前が紛らわしい…)が登場し、最終的には村全体が犯人なのか、って怖くなる。 並行してオリヴァー、ピア、それぞれの私生活の迷走っぷりも楽しめる。 長い話になりそうだけど、読み続けたいな。 4.0
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なかなか上手な書き手。十年ぶりに出所してきた若者が閉鎖された村に帰ってくる。無実をきせられたのは関係者は知っているので、彼の存在は邪魔でしかない。同時に、昔殺された少女にそっくりの顔付きをした都会育ちの勇敢な少女が、好奇心あらわに事件に興味を持つ。こいつも邪魔だな。。。権力者は当...
なかなか上手な書き手。十年ぶりに出所してきた若者が閉鎖された村に帰ってくる。無実をきせられたのは関係者は知っているので、彼の存在は邪魔でしかない。同時に、昔殺された少女にそっくりの顔付きをした都会育ちの勇敢な少女が、好奇心あらわに事件に興味を持つ。こいつも邪魔だな。。。権力者は当然のように自分が有利になるように、村人達を誘導する。だって自分達には生活あるもん、誰かの人生台無しにしてもさ!誰にでもあるんだ、正しくないみたいだけと、こっちに動いた方が取り敢えずはうまくいく、何よりも自分自身が一番大事だから。
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~2008年11月 ドイツの小さな村で人骨が発見された。人骨は11年前に起こった連続少女殺害事件の被害者のものだった。死体が見つからないまま10年の刑を受けたのは、同じ村に住む男 トビアス・ザルトリウスだった。彼は冤罪を主張していたが状況証拠や周りの友人、近所の住民の証言はすべて...
~2008年11月 ドイツの小さな村で人骨が発見された。人骨は11年前に起こった連続少女殺害事件の被害者のものだった。死体が見つからないまま10年の刑を受けたのは、同じ村に住む男 トビアス・ザルトリウスだった。彼は冤罪を主張していたが状況証拠や周りの友人、近所の住民の証言はすべて彼の不利になるものばかりだった為、彼は無念のまま刑に服した~ まったく読まないわけではないのですが、正直外国文学は苦手です。ストーリーに入り込む前に登場人物が複雑だと覚えきれない・・・その上、愛称であったり俗称が何の説明もなく出てくるのに困惑してしまう。トビアス・ザルトリウスという名前をようやく覚えた頃に「トビー!」と書いてあっても2ページくらい読み過ぎてから「トビーってトビアス・ザルトリウスの事か!」と何度もページを最初に戻してしまう。本当に外文が好きな方からすれば「何を言ってんだ?」と鼻で笑うのでしょう。でも切実なんです。「だったら読まなきゃいいだろ?」そうはいかない! 「白雪姫には死んでもらう」 こんなキャッチーなタイトル読むしかないじゃないですか! 外文を好きな方だけに届けるのでは読者層は広がらない!でもライトな層を取り込めればそこにはホラ!アフリカで靴も売れるし、アラスカで氷も売れる!本屋で本が売れるんですよ!・・・アレ? ~村に戻った彼を待っていたのは殺された被害者家族を含んだ彼に不利な証言をした村人達の隠すことのないむき出しの悪意だった。「俺は、本当は彼女たちを殺してしまったのだろうか?」トビアスは真実を求め動き出す。彼の無実を信じるのは幼馴染のナターリエと実母から厄介払いされてやって来た不正に敏感な少女アメリー。「あなたがふたりの少女を殺したなんて信じられないってこと」 捜査に当たる刑事オリヴァー&ピアも当時の資料を見て疑問を感じる。「トビアスは本当に少女を殺したのか?」小さな村で起こった連続殺人事件の真相はどこにある~ 個人的な意見ですが外文の世界に入り込むにはベタなキャラ付けがいいんじゃないかと思いました。 トビアス・ザルトリアスはブラット・ピット!みたいにね。少女アメリーはナタリー・ポートマン!レオンの頃の!的なね。 ※あくまでも個人の意見です。そして若干古いです。
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読み終わって、気分が悪くなる、と聞いていたけど、思ってたよりスッキリした最後で助かった。ちょっと大変だったけど、一気に読んでしまった。現代ドイツの警察小説は初めてで、人の名前は最後まで覚えきらなかったけど(笑)面白かったー!
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登場人物が多く、主人公二人の個人的なエピソード、捜査11課の人間関係と物語の中心の話題である少女殺しの捜査と、話が数ページごとに切り替わるので、中盤くらいまでついていくのが大変でした。 物語の背景となる村の人間関係などは、日本の小説や2時間ドラマでよく見られるようなもので、ドイツ...
登場人物が多く、主人公二人の個人的なエピソード、捜査11課の人間関係と物語の中心の話題である少女殺しの捜査と、話が数ページごとに切り替わるので、中盤くらいまでついていくのが大変でした。 物語の背景となる村の人間関係などは、日本の小説や2時間ドラマでよく見られるようなもので、ドイツでも同じようなことがあるんだと思いがら読んでいました。
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空軍基地跡地燃料貯蔵槽の中から古い人骨が発見される。 検死の結果、11年前の連続少女殺害事件の被害者だと判明する。 同じ頃、その事件の犯人として逮捕され服役していた男性が刑期を終え、故郷に帰っていた。彼は、殺害を認めていなかったものの証拠によって罪が確定され、服役した後も村人から...
空軍基地跡地燃料貯蔵槽の中から古い人骨が発見される。 検死の結果、11年前の連続少女殺害事件の被害者だと判明する。 同じ頃、その事件の犯人として逮捕され服役していた男性が刑期を終え、故郷に帰っていた。彼は、殺害を認めていなかったものの証拠によって罪が確定され、服役した後も村人からは憎悪の対象だった。 オリヴァーとピアシリーズ四作目。 殺人事件の犯人と家族、被害者遺族のそれぞれの苦しみと、閉鎖された環境において犯人とその家族に向けられる人々の冷たい視線。 こういったことは日本独特なものと思い込んでいた。 いつかテレビでアメリカで、殺人事件の犯人の母親が、マスコミに顔を出してまるで他人事のように話し、我が子を愛しているだとか刑が軽く済むようにといった日本では考えられないことを言っていたのを観て、日本とは感覚が随分違うものだと驚いたことを憶えている。 同じ外国でもアメリカとドイツは違うと言ったらそれまでなのだが、海外では犯人と親は別人格なので、子の罪について親に非はないと考えるものだと勝手に思っていた。 事件の謎解きや物語の展開は、前作「深い疵」に劣らない。 単純ではなく複雑に入り組んだ関係の中に真実があるため、読み進めるうちに予想していた真実が二転三転する。 オリヴァーとピアの私生活の描写もいつも以上に波乱があり、そちらも気になる。 いつも冷静なオリヴァーが、私生活に苦悩する描写があり、魅力が更に増してくる。 事件とオリヴァー共に、嫉妬という誰でも感じたことのあることが描かれているところも上手いと思う。 ネレ・ノイハウスさんは、まだまだ注目したい作家のひとりだ。
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主人公も被害者も加害者も、男性が魅力的。イケメンで適度にヘタレなところがセクシー(私好み)。ちなみに女性は元気でカワイイ傾向。 それほど特異な話運びではないけれど、なんとなく先が気になるのは登場人物たちの行く末が気になるからなのだろう。 テーマのわりにドロドロしていません。
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