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ストレスと適応障害 の商品レビュー

3.9

34件のお客様レビュー

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2013/12/15
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※このレビューにはネタバレを含みます

レジリアンス(心のバネ、メンタルの強さ)を左右する要素は、否定的認知、完璧主義、固執性、過敏性、共感性、情動制御、安全基地の七項目の要素が相互に絡まり合っている。まずは自覚し、どこを修正するか。具体例と共に適応障害とは何であるかについて理解し、症状の根底にある課題としての障害について理解する。そして人間が何かの障壁にぶつかった時、いかにしてその試練を乗り越えていくかについての極意書として精神医学の立場からエッセンスを練りこんだ作品。 ・ピカソも埋もれたまま劣等感にまみれ落後者か犯罪者となって人生を終えていたかもしれない。 ・適応障害は合わない環境、その子が活かされない環境に無理やり居続けさせれば、適応障害を起こし、劣等感を植え付けられ、何のとりえもない人間として自分をみなし、パッとしない人生を歩むということになりがちだ。 しかしその子の特性を活かし、才能を伸ばそうとする周囲の環境が整っていれば人生には大きな可能性が開ける。 ・容量オーバー型の適応障害やうつを予防する上で大事なのは情報入力を少しでも減らす努力をすること。脳が容量オーバーを起こしているうえ遅くまで情報負荷をかけると悪化させ、集中力や能力低下、判断力の鈍さ、対人関係が面倒、電話も億劫、しなければならないことの後回し、などの症状が起こる。合間合間に5分程度の休憩をはさむだけでもぶっ続けで仕事をこなすよりかなり違ってくる。 ・容量オーバーが起こりやすい状況の一つに環境や担当が変わった時だ。対人面、仕事面、課題面で勝手がわからず大したことをしていなくても気づかいが増え、ストレスが数倍負荷がかかり、疲労が起こりやすい。不慣れなことを担当するとペースをつかむまで容量オーバーが起こりやすい。 ・容量オーバー型の適応障害を避けるためには自分にかかっている負荷の容量が適正なものか自己管理を常に行い監視しておく必要がある。そのためには厳格なスケジュール管理、自己管理を行い、どんぶり勘定で何とかなるという仕事の請け負いはしないこと。ほんの少しの無理がかななったことで結局うつに追い込まれることになるのだ。 ・鬱になり、脳の委縮が起こり、回復に何カ月も時間がかる状態になったところで誰も面倒は見てくれないのだ。家族は生活に困り、永久に消えない心の傷と悲惨な体験を味わうことになりかねない。 ・鬱にならないための分かれ道は無理をしてまで仕事を受けないということができるかどうかである。無理をして仕事を受けると必ず仕事の質が低下する。すると自分自身の仕事の評価が結局は中長期的に下がってしまう。時には致命的失敗につながることもある。 ・質を落とさずこなせる仕事の量をきっちり管理すること。はっきり無理を無理と拒絶すること。 ・人は意味のあるストレスならばたとえそれが少々大きくても絶えられるが、逆にどんなに小さなストレスでもそれが無意味なものならばひどく苦痛に感じる ・方向性を示し、働きや努力の意味のあるものだという感覚、苦労し外のあるものだという意識を持てるようにすることが大事。

Posted byブクログ

2013/10/30

「適応障害」とそれによって生じる「ストレス」、そしてそれを乗り越えるための「技術」について、けっこう網羅的に書かれています。 冒頭では、脳内でストレスが発生する仕組みが書かれているんですが、この辺は専門家で無ければ、すっとばしてもいいかもしれません。あんまり「乗り越える」という...

「適応障害」とそれによって生じる「ストレス」、そしてそれを乗り越えるための「技術」について、けっこう網羅的に書かれています。 冒頭では、脳内でストレスが発生する仕組みが書かれているんですが、この辺は専門家で無ければ、すっとばしてもいいかもしれません。あんまり「乗り越える」という点では役に立たないと思います。(私はこの辺を読み進めるのに苦労しました…) その次に「発達障害」「適応障害」と話が進んできて、「パーソナリティ・タイプ」のあたりから、自らの特性を知るのに役立つ部分が出てきます。 そして後半では、適応障害が発生するケーススタディと、それを「受動的に」乗り越える技術、「能動的に」乗り越える技術、という形で話が展開されてきて、このあたりは前述のパーソナリティ・タイプと組み合わせると、かなり役立つのではないかと思います。 とはいえ、「発達障害」と「適応障害」を網羅的に書いているので、個々の「技術」については、事例集に留まっているんじゃないかという印象を受けました。そもそも話の裾野が広いのと、それこそ多様なパーソナリティ・タイプがあるので、限られたページ数で「乗り越えるための技術」を網羅するのは難しいかな、と。それでも、基本的な考え方は押さえてあると思うので、そこは役に立つかと思います。 ※本当に深刻な悩みを抱えているなら、クリニックや専門家にあたることをお勧めします。 というわけで、冒頭の部分がもうちょっと簡素になってれば、という点を考慮して、★4つとさせて頂きました。

Posted byブクログ

2013/10/22

この筆者の本はいつもそうだけど、「あー自分にあてはまるわー」と思う。完璧主義をやめる、まじめに生きすぎないのが楽、そう頭では分かっていても、繰り返してしまう。環境を変えたほうがいいこともあるってことは分かった。「適応障害」だ、って思えば、新型うつも説明がいくってことも。しかし、こ...

この筆者の本はいつもそうだけど、「あー自分にあてはまるわー」と思う。完璧主義をやめる、まじめに生きすぎないのが楽、そう頭では分かっていても、繰り返してしまう。環境を変えたほうがいいこともあるってことは分かった。「適応障害」だ、って思えば、新型うつも説明がいくってことも。しかし、この性格はなかなか変わらないのでしょうか…。はーあ。

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2013/08/03

自分も「うつ」までは至らないが、毎晩「酔っ払って」いまう。これも「逃避」なんでしょうね。 他に自分が、凹んだときに気分を転換できるものとして「泣く」があります。 大の男が「何を・・」と自分でも思いますが、自分が悲しいから泣くのではなく、人の「涙」をみて泣くのが自分。 ...

自分も「うつ」までは至らないが、毎晩「酔っ払って」いまう。これも「逃避」なんでしょうね。 他に自分が、凹んだときに気分を転換できるものとして「泣く」があります。 大の男が「何を・・」と自分でも思いますが、自分が悲しいから泣くのではなく、人の「涙」をみて泣くのが自分。 本やテレビや映画で、もらい泣きするとハンカチがびしょびしょになるほどです。 でもその後は、気分が軽く感じます。 「泣く」という行為で「気持ち」をリセットしているのかもしれませんね。 本書では「適応障害」について、豊富なエピソードを例に上げながら懇切丁寧に解説されております。 「うつ?」と悩む前に、人間の心の症状を学ぶことで、自分のメンタル回復力を強くすることができるのではないでしょうか?

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