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聖なる怠け者の冒険 の商品レビュー

3.6

385件のお客様レビュー

  1. 5つ

    59

  2. 4つ

    129

  3. 3つ

    124

  4. 2つ

    33

  5. 1つ

    2

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2013/06/03

私の中での、地の文を読んでるだけで幸せになれる希少な作家さんのひとり。だってもう、ぽんぽこ仮面なる登場人物がクレジットされてる時点で、さすがの森見節ににやにやが止まらないです。 だがしかし、このぽんぽこ仮面に感情移入するとは思わなんだ。彼の中の焦燥感や、精神が張り詰めた感じは…...

私の中での、地の文を読んでるだけで幸せになれる希少な作家さんのひとり。だってもう、ぽんぽこ仮面なる登場人物がクレジットされてる時点で、さすがの森見節ににやにやが止まらないです。 だがしかし、このぽんぽこ仮面に感情移入するとは思わなんだ。彼の中の焦燥感や、精神が張り詰めた感じは……すごく、すごくわかるよ。わかりすぎて呼吸が止まりそうになったよ。 おちゃらけてゆるーい物語の中で、不意にボディーブローを打ってくるんだから侮れない。

Posted byブクログ

2017/01/29

これまでのような アホな大学生ではないですが、 今度はどうしようもない 社会人が主人公。 彼の信念、 「人間である前に怠け者」である という点には大賛成。 彼を取り巻く連中も 濃い人間たちばかり。 彼らの起こす騒動で京都の街は 正にお祭り状態。 こんなに美しい筆致で、 混沌とし...

これまでのような アホな大学生ではないですが、 今度はどうしようもない 社会人が主人公。 彼の信念、 「人間である前に怠け者」である という点には大賛成。 彼を取り巻く連中も 濃い人間たちばかり。 彼らの起こす騒動で京都の街は 正にお祭り状態。 こんなに美しい筆致で、 混沌とした楽しい話を描けるところが この作者に嵌ってしまう最大の魅力。 本当に楽しめた一冊だった。

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2013/06/02

最近思うのです。 本を読むって、小説を読むって贅沢なことだったんだなぁって。 僕の奥さんは言うんです。 本読んでるヒマあったら、子供と遊んであげてと。 じゃあ、テレビ観てるヒマあったら遊んであげなよと 言い返したくなるのです。 昔、取引先の部長さんに小説なんて読んでないで、 ノ...

最近思うのです。 本を読むって、小説を読むって贅沢なことだったんだなぁって。 僕の奥さんは言うんです。 本読んでるヒマあったら、子供と遊んであげてと。 じゃあ、テレビ観てるヒマあったら遊んであげなよと 言い返したくなるのです。 昔、取引先の部長さんに小説なんて読んでないで、 ノンフィクションを読みなさいよと言われたことがあります。 たまに迷うのです。 小説なんて読んでないで、翌週の仕事をことを考えたり、 他にやるべきことが、努力すべきことがあるんじゃないかって。 読み終えて、この本を閉じる。ふふふと頬がゆるむ。 『あ〜面白かった』と満足感が体中にひろがる。 やっぱり、これでいいんじゃん、と救われた気分になる。 小説最高。

Posted byブクログ

2013/06/02

怠け者の会社員小和田君と、正義の味方ぽんぽこ仮面を巡る物語。休日を拡張しようとする小和田君の先輩と彼女は、土曜日を充実させようとしている。そんな中で、探偵と女子大生の週末探偵がぽんぽこ仮面を追う。不思議な世界観と京都を舞台にしたゆるいストーリーなのに一気に読ませる展開は、過去の作...

怠け者の会社員小和田君と、正義の味方ぽんぽこ仮面を巡る物語。休日を拡張しようとする小和田君の先輩と彼女は、土曜日を充実させようとしている。そんな中で、探偵と女子大生の週末探偵がぽんぽこ仮面を追う。不思議な世界観と京都を舞台にしたゆるいストーリーなのに一気に読ませる展開は、過去の作品よりもずば抜けている。京都をのんびり歩きながら、夜ふと入ったバーで飲んだ梅酒がおいしかったなあと思ったりして、タイムスリップと酔いの感覚をここまで小説におとせるのかと。休日なんだか何もしたくないななんて思って怠けてしまいそうな時に、ちょっとしたおつまみとビールを片手に読みたいもんです。テングブランがあればなお良しかな。今の京都なようで、ファンタジックな世界にどっぷり浸かれる良作。

Posted byブクログ

2013/06/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

再び、京都が舞台の小冒険物語。小説の帯にある「いまだかつて、これほどまで動かない主人公がいただろうか」という言葉通り、何もしないことを何より大事とする、社会人の小和田君と、彼を取り巻く一癖二癖ある人々のお話。 「独身寮をウイスキーの樽みたいなものと考えてください。僕は自分を熟成させているわけです。おいしくなってやりますよ」とか「僕は人間である前に怠け者です」とか、小和田君のセリフにある小気味良いモリミー節は相変わらず。 愛らしいアルバイト探偵・玉川さんや小和田君の先輩の彼女・桃木さんの「あきれた!」というセリフも可愛げがあってステキ。 全体を通して楽しい話だけれど、「夜は短し〜」ほどの煌びやかな情景が思い浮かぶような感じではなく、地に足がついた落ち着いた感じ。人によって好き嫌いはあるだろうけど、個人的にはもっとハチャメチャな方が好きかも。

Posted byブクログ

2013/06/01

装丁が素敵で、一目惚れしてたら森見さんの新刊だったんですね。 一章から面白味のある文章にワクワクしましたが、半ばで少しペースダウンしてしまいました… 天狗ブラン呑んでみたいっ。

Posted byブクログ

2013/06/01

★2013年5月31日読了『聖なる怠け者の冒険』森見登美彦著 評価A 毎度お馴染みの京都の街を舞台にしたハチャメチャ騒動のお話。だいたい想像はついているのだが、期待通りの展開で笑わせてくれる。 デジャブではないけれど、以前読んだような錯覚に陥るところもあり、それは筆者も意図して...

★2013年5月31日読了『聖なる怠け者の冒険』森見登美彦著 評価A 毎度お馴染みの京都の街を舞台にしたハチャメチャ騒動のお話。だいたい想像はついているのだが、期待通りの展開で笑わせてくれる。 デジャブではないけれど、以前読んだような錯覚に陥るところもあり、それは筆者も意図して物語をクロスさせていると語っている。朝日新聞掲載の作品を大幅にリニューアルしての出版らしく、オリジナルの作品も読み比べて見たい気になる。 やっぱり森見は好きだなあ(^○^)

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2013/05/31

森見登美彦さんのサイン会にて購入。 1頁目からもう面白い。 いつもの調子で京都を舞台に繰り広げられる冒険をめぐるお話。 ”しかし諸君、迷うべきときに迷うことも才能なのです" "いいんだ。潮が充ちるのを待っていればいい"(21) ”死屍...

森見登美彦さんのサイン会にて購入。 1頁目からもう面白い。 いつもの調子で京都を舞台に繰り広げられる冒険をめぐるお話。 ”しかし諸君、迷うべきときに迷うことも才能なのです" "いいんだ。潮が充ちるのを待っていればいい"(21) ”死屍累々”(36)

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2013/05/31

 なんといっても待ちかねた森見登美彦の新刊である。読まずにはいられない、と奮って購入してから一週間が経った今日に読了した。  日本のお祭というのは独特の雰囲気があって、氏はそれを描くのがとてもうまい。にぎやかで楽しいお祭も、どこか物悲しくて、深遠な何かをその奥に湛えている。よう...

 なんといっても待ちかねた森見登美彦の新刊である。読まずにはいられない、と奮って購入してから一週間が経った今日に読了した。  日本のお祭というのは独特の雰囲気があって、氏はそれを描くのがとてもうまい。にぎやかで楽しいお祭も、どこか物悲しくて、深遠な何かをその奥に湛えている。ような気がする。何せお祭というのは神様のためのものだ。楽しいだけじゃなくて当たり前だ。  愉快な人々の愉快な活劇が、人の手の及ばぬ何かと渾然一体となりながら、膨大な熱量を孕んだ京都の巨大なお祭「祇園の宵山」へと収束していく。  宵山は「宵山万華鏡」でも扱った題材だけれども、今作ではタイトル通り「怠け者」がキーワードになる。読むだけで楽しい。というか、あまり考え込まずに読むのがいいと思う。理由はあるが、長くなるから書かない。

Posted byブクログ

2013/05/30

久しぶりの新刊。モリミー真骨頂。 阿呆で愛しい登場人物たちと、宵山の不思議な土曜日と京都の街並。 素敵に可愛いぽんぽこ仮面をめぐる冒険。 主人公の小和田君の怠け者っぷり天晴れ。 新聞連載の方も読んでみたかったな。 「僕は人間である前に怠け者なのです」 みんな、怠け者。

Posted byブクログ