聖なる怠け者の冒険 の商品レビュー
「何もしない」という状態は、客観的にはマイナス的な価値にしか見られない。 しかしその実は何も及ぼさず、何者にも変化を要しない、究極の保守的態度でもある。 であるからこそ、自ら何もしないことを旨とする男が行動を強いられることは、それまでなかった変化を持たらすことであり、予測できない...
「何もしない」という状態は、客観的にはマイナス的な価値にしか見られない。 しかしその実は何も及ぼさず、何者にも変化を要しない、究極の保守的態度でもある。 であるからこそ、自ら何もしないことを旨とする男が行動を強いられることは、それまでなかった変化を持たらすことであり、予測できない事態に身を晒すことに他ならない。 なるほど今回もタイトルにすべてが集約された作品である。
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〈内容〉一年ほど前からそいつは京都の街に現れた。虫喰い穴のあいた旧制高校のマントに身を包み、かわいい狸のお面をつけ、困っている人々を次々と助ける、その名は「ぽんぽこ仮面」。彼が跡継ぎに目をつけたのが、仕事が終われば独身寮で缶ビールを飲みながら「将来お嫁さんを持ったら実現したいこと...
〈内容〉一年ほど前からそいつは京都の街に現れた。虫喰い穴のあいた旧制高校のマントに身を包み、かわいい狸のお面をつけ、困っている人々を次々と助ける、その名は「ぽんぽこ仮面」。彼が跡継ぎに目をつけたのが、仕事が終われば独身寮で缶ビールを飲みながら「将来お嫁さんを持ったら実現したいことリスト」を改訂して夜更かしをすることが唯一の趣味である、社会人二年目の小和田君。当然、小和田君は必死に断るのだが…。宵山で賑やかな京都を舞台に、ここから果てしなく長い冒険が始まる。
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待望の新刊。 本当に待っていた! そして、面白かった!!! 一気に読んでしまい、ちょっと悲しい。 今年はあと2冊、新刊が出るようなので、楽しみすぎる!!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
同時展開で起こる話をそれぞれの登場人物の視点から描く書き方。これが森見さんの作品ですごく好きな点だと思う。 この作品はサスペンスかと思わせる箇所もあるが、土日が休みなサラリーマンの気持ち、特に葛藤をよく表現していうものだと思った。 作品毎に何かしら繋がりがある。本の最後に筆者がおっしゃてる通りだと思う。だからこそ他の作品も読んでみたくなる。
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小説くらいゆっくりいこうではないか。 たとえ行いは正しくとも、流れにさからえば潰される。行いのただしさに驕らないで、流れが変わるまで辛抱なさい。
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ひっさびさの王道を行くモリミー小説。待ってました!という感じで。 森見ファンにはたまらないアイテムがあれこれ出てきてニヤニヤが止まらない。 そして、なんといっても私は玉川さんに親近感湧きまくり! 彼女の迷いっぷりを「こんな迷い方するわけない」と思った人に、私は言いたい。 「ありえ...
ひっさびさの王道を行くモリミー小説。待ってました!という感じで。 森見ファンにはたまらないアイテムがあれこれ出てきてニヤニヤが止まらない。 そして、なんといっても私は玉川さんに親近感湧きまくり! 彼女の迷いっぷりを「こんな迷い方するわけない」と思った人に、私は言いたい。 「ありえます!」と。 そしてモリミー小説を読むといつも京都に行きたい病が全身に蔓延する。 怪しげで魅力的で奥が深くて不可解な京都に、行きたくて行きたくて仕方ないぞ!
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