私たちはなぜ税金を納めるのか の商品レビュー
納税、課税の話の歴史の流れから現代の経済や国家の話に広がって、それぞれの立ち位置での税の見方が丁寧に書かれていて、とても面白かった。グッドです。
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近代国家の成り立ちを租税システムから鮮やかに照らして見せる本。とにかく面白かった。今では当たり前の所得税が、どれだけ導入までにハードルが高かったか。それを可能にするのはやはり戦争であり、一度導入されると所得税は極めて強力なシステムとして機能した。 具体例として挙げられるイギリス...
近代国家の成り立ちを租税システムから鮮やかに照らして見せる本。とにかく面白かった。今では当たり前の所得税が、どれだけ導入までにハードルが高かったか。それを可能にするのはやはり戦争であり、一度導入されると所得税は極めて強力なシステムとして機能した。 具体例として挙げられるイギリスの市民革命やアメリカの南北戦争に、租税システムがこれほど深く関わっているとは想像したこともなく、とても興味深く読んだ。
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開始:2022/10/31 終了:2022/11/8 感想 税の切り口から経済史、経済思想史を概観する。税は単なる政府財源ではない。あらゆる経済主体に影響を与え、ひいては資本主義の手綱を取る。
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諸富徹の2013年の本。ただ消費税議論が選挙でも争点になったいま、改めて手に取る価値がある。「税金を取られる」という言葉の違和感から、浜矩子の「人はなぜ税金を払うのか」(東洋経済新報社)とともに手に取った。 両者とも収奪型税制は近代において大転換をしたという共通認識を持つ。 浜さ...
諸富徹の2013年の本。ただ消費税議論が選挙でも争点になったいま、改めて手に取る価値がある。「税金を取られる」という言葉の違和感から、浜矩子の「人はなぜ税金を払うのか」(東洋経済新報社)とともに手に取った。 両者とも収奪型税制は近代において大転換をしたという共通認識を持つ。 浜さんは税金は権利か義務か博愛かと義務から権利への転換をフランス革命に置き啓蒙思想の「自然権」のもとで「権利」にまでなった。それからたぶん税の所得配分機能を理論化する中で「愛」に現在なったと言う。それはそれでなかなか心を揺さぶる。 まず各々の国で税導入の契機は戦争だった。イギリスでは対スペイン戦争、アメリカでは南北戦争、日本においては日清戦争が思い当たる。 家産国家から租税国家への転換において、市民革命期のイギリス、19世紀ドイツの財政学、アメリカの政党政治のなかでそれぞれの租税思想が形づけられたという。 イギリスでその思想を代表するのがロックとホッブスで自主的納税倫理を確立しただ、市民が税を納めるのは国家が本来の機能をはたしている限りでそれを破れば納税を停止するばかりか国家の転覆「革命権」さえ持つ。市民は議会を通じて「租税協賛権」を持つ。 これと典型的に違うのがドイツの例である。
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あとがきで、「日本の明治期の税制では、直接国税を一定額以上納めた者に対して選挙権が与えられた歴史があり、納税が「義務」どころか一種の「特権」「恩恵」と理解されるという歪みが生じた」という事が書いてあり、これはなんか現代に繋がっているなと思った。
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●非常に難しかった。しかし、どのような経緯を経て近代国家に租税が課されていったのかがおおよそ理解できた。
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近代欧米における国家や国民の成立とともに、税制もさまざまなかたちで正当化され、模索されてきた。17世紀市民革命期のイギリス、19世紀ドイツ、19-20世紀のアメリカという3つの舞台から見えてくるのは、当時の思想、あるいは社会や政治が相互に関わり合いながらもさまざまなかたちで公平...
近代欧米における国家や国民の成立とともに、税制もさまざまなかたちで正当化され、模索されてきた。17世紀市民革命期のイギリス、19世紀ドイツ、19-20世紀のアメリカという3つの舞台から見えてくるのは、当時の思想、あるいは社会や政治が相互に関わり合いながらもさまざまなかたちで公平な税制を目指し、さまざまな答えが考えられてきたということ。この濁流ともいえる歴史の流れから、租税の面白さだけを拾い上げてくれるのが本書です。 とくに、イギリスやドイツではそれぞれ思想(価値観といってもよい)を背景に、前者では個人の権利として、後者では国民の義務として課税が正当化されます。そしてアメリカにおいては、そうした独自の思想というよりは、二大政党制を背景とした「下からの税制改革」が進められる。 さらに本書は思想史のみならず、現代にも焦点を当てて、トービン税や国際的に課税をおこなう枠組みについても言及。ますます複雑になる時代に必死についてゆこうとする国家。本書の刊行から数年が経ちましたが、時代はますます合意の難しさを極めているように思えているようにならない……というのはわたしの勝手な感想ですが、どうなのでしょうねぇ。
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イギリス、ドイツ、アメリカの近代以降の租税論通史の本。ホッブス、ロックにはじまり ニューディール政策、現代の国際租税回避まで、わかりやすく説明されている。それぞれに ドラマがある 個人の所得に応じた累進課税による所得税、消費(支払能力)を反映した内国消費税、富の再配分としての相...
イギリス、ドイツ、アメリカの近代以降の租税論通史の本。ホッブス、ロックにはじまり ニューディール政策、現代の国際租税回避まで、わかりやすく説明されている。それぞれに ドラマがある 個人の所得に応じた累進課税による所得税、消費(支払能力)を反映した内国消費税、富の再配分としての相続税、独占企業政策や個人所得税の補完としての法人税 、戦時の異常税率などの導入経緯、根拠、歴史的変遷を記述 次の論述と税金との関係性を整理することから 始まる *ホッブスやロックの国家論 *アダムスミスの国富論 *ヘーゲルの市民社会の原理 ドイツ租税論(シュタイン、ワグナー) *個人と国家は運命共同体 *納税=個人の義務 *日本は ドイツ租税論を導入 ニューディール租税政策 税金は 単なる財源調達手段としてでなく、所得や富の再配分、独占企業のコントロールなど 政策手段としても 用いている
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租税には,国民の生命・財産を保護するための財源を確保する役割だけではなく,経済をコントロールするための「政策手段」の役割もあるという。単に「上」から義務として押し付けられるものではなく,「下」から経済に働きかけるために国民が持つ手段として租税をとらえることができる。 グロー...
租税には,国民の生命・財産を保護するための財源を確保する役割だけではなく,経済をコントロールするための「政策手段」の役割もあるという。単に「上」から義務として押し付けられるものではなく,「下」から経済に働きかけるために国民が持つ手段として租税をとらえることができる。 グローバル化が進み,貨幣や企業が国民国家の枠を越えて自由に移動するなかで,国際的な経済活動に対する課税権を国民国家を超えたどのような主体に付与することができるのか。「下」からどのようにアプローチできるのか。「グローバルな『共通課税権力の樹立』」が実現するには,夢物語と思えるほど現在は程遠い地点にある。本書でみられた租税の歴史のように,今後さまざまな議論や論争を経ていくしかないのだろう。 日本の財政についても,議論や論争を重ねて漸進していくしかないのかな,と思った。
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いやー、なかなか面白かった! 市民革命などの歴史を、税制度に着目して考えたことないし、納税を権利だと考えたこともなかったし。(とはいえ、私の場合は別に納税に対してネガティブでもなかったけど) あと、哲学的な話かと思いきや、意外にもグローバル税の話にも十分な紙幅を取って言及されて...
いやー、なかなか面白かった! 市民革命などの歴史を、税制度に着目して考えたことないし、納税を権利だと考えたこともなかったし。(とはいえ、私の場合は別に納税に対してネガティブでもなかったけど) あと、哲学的な話かと思いきや、意外にもグローバル税の話にも十分な紙幅を取って言及されていた感じだし、アトキンソンが言ってたような、最近の格差拡大と税金種別の割合の話などにも触れられていた。多国籍企業の税金対策などについても。金融取引税の話も興味深かったな。 あ、あと、世界の話だけでなく、ちょいちょい日本の現状にも触れられているのが良かった。 これだけいろいろ触れられていて、専門性もありながらも、一般人に分かりやすく書いてくれている気がしました。取っ掛かりとしてはありではないかな!
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