愛に乱暴 の商品レビュー

吉田修一【著】

2015/08/02

不倫なんだから冷静に奈央から慰謝料取ればよいのにと思った。この家のことだから子供がほしいんでしょう。姑も夫も口に出さないけど、お互い思いは同じでお互い望むほうに向かっている。そして過去も妾に頼って子供を繋いできた事実。昔の写真の妾はどこか自信に満ちてでも心には傷。。。
ただ良い人でいて幸せになれればよいけど、みんな誰かを傷つけて、悪者になりながら希望に向かって生きているのかな。

2015/06/13

やばい！出だしから面白すぎて一気読みしてしまいました。
どうなるんだろうと最後までドキドキ。
なんとなく最後はアンハッピーな予想だったのにとっても上手にまとまってて心から安堵できました。
途中までの騙され感もよかった。
あと結局不倫する男は繰り返すってのがよくわかった(笑)

2015/05/29

図書館にて。
どうして和室の下を掘り出したのか、唐突感が否めなかったが、それだけ気持ちが追い詰められていたということか。
隣に住んでいる義母も気持ち悪い。というか、この親に育てられたからこんな息子になったんじゃないのかな。
桃子のことを責めていたけど、結局あんたの息子がしでかしたことだろう・・・。姑の敵はいつだって嫁なんだな。
そして、その元凶の旦那は2回も浮気相手に子供作って離婚ですか、ご立派。
正直もう少し先まで描いてもらって、多少旦那一家をコテンパンにして欲しかったけど、それはリアルじゃないし、男性の作家はあまり描かないようにも思う。
ラストにうっすら見える希望の光、こんな世界から足を洗って新しい生活ができますように。

2015/04/26

乱暴、確かに乱暴だった。
荒れ狂うように惑わされる主人公に
読み手も翻弄されていく。

淡々と進んでいく危なっかしい結婚生活。
小奇麗でセンスもあり、セレブの奥様風の主人公のイメージが
途中でがらっと変わる。

あれ？　どっち？　えっ、どういうこと？

今までの違和感がちょっとずつ埋められていって
ポイントを読み返してみると、改めて主人公が浮かび上がってきた。
うまい作りになっている。
こういう雰囲気は角田さんがうまそうだけど
吉田さん、やっぱりすごいですね。

そして、何よりリアル感が半端ない。
この姿に共感はできないけど、李と浅尾の言葉に涙が止まらなかった。
ぜひ、自分を見つめ直して、新たなスタートを切ってほしい。

真守のことを、何だ、こいつって思った人も多いでしょうね。

私の知っている人でよく似た人がいらっしゃいますよ。
どこに魅力があるのかわからなくて
何で何度も結婚を繰り返すのか全然わかりません。

ただ、私の身近な「真守」さんは、今は独身。
結構な土地持ちだったのに、離婚を繰り返すたびに財産をなくしていって
今は古びた家で寝たきりのお母さんの介護をしています。

2015/04/17

一気読み。
だんだん壊れていくさまが切なくて痛々しくて、いっそ時江おばさまが化けてでてホラー小説になっちゃえばよかったのに。
最初から感じてた育ちの違いみたいなもの？価値観の不一致？とにかく姑とは相性悪いし。8年もがんばってきたけど子供かいないことでリセットしやすいと考えるべし。
なんかムカつくから真守は一生幸せになれない結末希望。桃子は浅尾さんと仕事バリバリやれば。ただ、奈央には桃子のようになってほしくないかなー

2015/04/03

2015.4.3読了。
はじめは、よくある不倫がらみのドロドロ愛憎劇…かと思いながら読んでいたが、桃子の過去が少しずつ語られる辺りから、ちょっと違う印象を持つようになった。
特に、日記の書き手が私の思い込みと違っていたことがわかってからは、先が知りたくてあっという間に読んでしまった。
結末は、桃子が必死でしがみついていたものからようやく解放されそうな予感を残して終わっており、ホッとした。

2015/03/15

母屋と離れで、義父母と夫の真守と住んでいる桃子。

真守は外で女を作り、女が妊娠したからという理由で離婚を突きつけてきてからの日々。

真守の妻という立場を勝ち取ってから、
結婚して8年間、負けないように必死に積み重ねていった努力が、ある日突然壊れてるまで。

畳の床下から見つけたこの家にかつていた妾の存在。
桃子の過去の日記、現在の日記。
真守の新しい女が妊娠して彼を奪い去るように、桃子自身も、かつては同じように真守を自分のものにしていた。

著者の小説ってほんとに読みやすぅい。
そして不倫ネタとか珍しいような気もする。

過去の日記がついつい愛人の書いたものだと途中までまんまと騙されていたよ～。
自分がやったことはいつかやり返されるってことなんだね。良いことも悪いことも。
ドロドロしてて面白かった～)^o^(

2015/03/08

初瀬桃子が夫の真守と別れる話だが、桃子の心の中が細かに記述されているのに驚いた．著者は男性だ．母屋に住む義母の照子との確執、仕事仲間の浅尾とのやりとり、照子の親戚の久住すみ江との語らいが入り混じったストーリー．真守の不倫相手の三宅奈央への一方的な宣告が面白かった．桃子の新婚時代の話と現在の話しが出てくる構成が楽しめた．

2015/02/26

図書館で借りた。不倫で妊娠、子供を武器に略奪し結婚した桃子。だが流産していたのを隠して結婚した経緯があり、ヒステリー持ちでもあった桃子は夫がまた不倫をし因果応報の結末になるが夫もクズなのに、なぜそんなに夫に執着するのか？プライドが高く癇癪持ちゆえの負けず嫌いがうっとおしい。

2015/01/04

正常、と、狂気、の感覚の境界線が少しずつ分からなくなってくるような感覚にとらわれる。
女の情念、男の曖昧さ、人間の感情がコントロールを失って、どんどん加速していったらどうなるのか、を表したような一冊。読んだ後の感想として、そんな事を思う。
そして吉田修一は何故女性の気持ちをこんなに分かっているのか？作家はつくづく恐ろしい。