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国道沿いのファミレス の商品レビュー

3.5

57件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

    23

  4. 2つ

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2013/06/25

ネット上への根も葉も無い書き込みにより、本社勤務直前で地元の店舗に左遷させられたファミレス社員である主人公の、家族や恋愛、友人、仕事のあれこれを淡々と書き綴った物語。 それぞれの登場人物のバックボーンへの記述が特段多いということは無いのですが、彼らの喜びや悲しみに自らの感情を移...

ネット上への根も葉も無い書き込みにより、本社勤務直前で地元の店舗に左遷させられたファミレス社員である主人公の、家族や恋愛、友人、仕事のあれこれを淡々と書き綴った物語。 それぞれの登場人物のバックボーンへの記述が特段多いということは無いのですが、彼らの喜びや悲しみに自らの感情を移入しやすく、語り手(主人公)と同じ目線で作中の世界にいることができます。 多分、この作者さんとは相性がよいのでしょう。 この作者さんの世界観や文章が好き。という方にひさしぶりに出会いました。 文庫本は本作だけのようです、残念過ぎる。 >女の人がいないと生きていけないわけじゃないし、執着もしない。 >愛情も薄く、適当にしか考えられない。 >セックスがしたいだけだからやれそうだと分かると、平気で浮気する。 >彼女が怒っても、反省している顔で聞き流す。 「そんなこと考えるわけないじゃん」と心から否定できる人ってどれほどいるのかな、と。 もちろん人により程度の差はあると思いますが、これはなかなか、若者のある意味での真理を残酷に書き出しているのではないでしょうか。 これは中学生には勧められない。。

Posted byブクログ

2016/08/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公・善幸は大学を卒業し、ファミリーレストランの正社員になったが、僅か二~三年後トラブルに巻き込まれて実家のある街の店舗に左遷されてしまう。 そこには穏やかな店長・汐見さんと厳しい先輩社員・粧子さん、アルバイトのみなさんが働いていた。 実家はあるものの家族に問題があり、親友・シンゴとシンゴの恋人・吉田さんに力を借りアパートにひとり住まいをし、故郷の街で暮らし始めた。。。  こちらも初めて読む作家さんの本。  とても読みやすいです。だから頁がどんどん進むし、話も分かりやすいけど。。。  分かり易すぎというか。  綾さんの元彼もすぐ予想がついてしまったし、シンゴと吉田さんもそうなるんだろうな最後は、とも思いました。全体的に定型的な感じでしょうか、星野君のオチなども。  主人公たちは幸せになる。それはそれでいいけれど。。。  私が年をとっているせいか、あまり共感する部分もなく……。  あまり捻りもなく。主人公の口調というか文体的に盛り上がりがあまりないからかな……?  何事もサラッと通り過ぎるよう。   ファミレスと家族をリンクさせたかったのかな? とも思うけれど、ファミレスのお客さん家族との絡みもないし……登場人物の思い出としては時たま出てくるけれど、ファミレスと題名に入れたのなら、なにかもう一つ、ファミレスである意味があるといいな、と思いました。  最初、綾と知り合ったあたりで、「セックス」やそれに類する言葉が連発されるのだけれど、回数こなしてるということなのか、その行為自体を乾いた出来事として表現したかったのか……?? 愛情ともエロチックな出来事ともとらえられず。。。   ちょっと読んでいて困ってしまって。。。全体的に出来事が、とても軽く感じられてしまいました。      伝わってくるものが、私にはあまり感じられませんでした。。。  今思うと、これってハッピーエンドではないのかもしれない??

Posted byブクログ

2013/12/24

読ませるなあ。 クライマックスの少し前から、ぐっと来た。 おそらく山梨あたりの田舎町だろう、その町にある今は廃れつつあるファミレスが舞台。都内の店舗から左遷させられた20代の男子、佐藤善幸を中心とした青春・家族・恋愛物語だ。 このファミレスは、もしかすると私が以前バイトしてい...

読ませるなあ。 クライマックスの少し前から、ぐっと来た。 おそらく山梨あたりの田舎町だろう、その町にある今は廃れつつあるファミレスが舞台。都内の店舗から左遷させられた20代の男子、佐藤善幸を中心とした青春・家族・恋愛物語だ。 このファミレスは、もしかすると私が以前バイトしていたレストランチェーンがヒントなのかとも思う。元はアメリカからやって来たとか、バイト仲間同士でファーストネームで呼び合うとか。著者はファミレスでバイトをしていた経験もあるようなので、もし推測が当たっているなら、どこかで会ってたりして。 狭い田舎街での窮屈な人間関係、主人公のいびつな家庭環境、親友の出生の秘密、恋人の黒い噂…… 次々と障害が現れて、そのたびに苦しむ善幸とともに心の中では泣いたり怒ったり。 登場人物みんなが幸せになってほしいと思える物語だった。

Posted byブクログ

2015/10/03

私が父のことをあまり良く思わないのは、きっと自分と似てるからなんだろうな、特に自分の嫌なところが。 歳を取って、鏡に映る顔の形やちょっとした仕草や口調が似てくるのを自覚すると、益々そう思うようようになった。 だけども、ほんとは自分の嫌なところは、多少の遺伝はあったとしても、自分の...

私が父のことをあまり良く思わないのは、きっと自分と似てるからなんだろうな、特に自分の嫌なところが。 歳を取って、鏡に映る顔の形やちょっとした仕草や口調が似てくるのを自覚すると、益々そう思うようようになった。 だけども、ほんとは自分の嫌なところは、多少の遺伝はあったとしても、自分の人生の、自分の責任なんだよね。 息子を持って、二人とも独立した今となって、もっとこう接してあげていたら良かったとか、こう育てていれば良かったとか思うけど、彼らの人生には、私はまた間接的にしか関与できなくて、彼らの人生は自分で作り上げるものなんだよ。今度の次男の就活でつくづく思った。 ずっと長い、父と私、私と息子たちとの生活を経て、そういうことが漸く分かって来たのも今更なのだけど、この小説の、主人公と父の関係を見ていて、そういうことを改めて思った。 前置きが長くなったけど、この小説、ファミレスのチェーン店に勤める主人公・佐藤善幸がネットに書かれた良からぬ噂によって、都心の店から、遠く離れた故郷の町の店に飛ばされてきたところから始まる。 幼馴染みのシンゴ、その母の茜さん、高校の同級生でシンゴの恋人の吉田さん、行きずりから恋仲になった綾さん、女にだらしない父、それを赦してこの日まで来た母と祖父、店の上司・同僚とアルバイトの面々…、これらの人との交わりの日々がグダグダと描かれる。 それにしても、このグダグダ感がリアル過ぎ。 したいことが何もない、将来の確たる希望もない、ただ生きるために生きている、欲望に任せて彼女と交わる、執着もなく、愛情も薄く、若者だけでなく、多分人間誰しもが持つ怠惰な欲望がこれでもかというように描かれて、自分の怠惰な心にグサッと来る。 だけども、それでも「立派な社会人になる」程度のささやかな望みの中で、恋を実らせ、仕事に生きることも、ちゃんとしたひとつの人生と思わせて、エンディングのささやかな幸福感が余韻あり。

Posted byブクログ

2013/05/25

ファミレスのバイトってこんなかんじなのかなああ、そういうこともきっとあるよねえええ!なんて想像しつつ。 男同士の友情、しかもおとなの! お父さんのキャラのおかげで暗い話にならずにさわやかにいけてる気がしました。

Posted byブクログ

2013/05/21

何故か携帯にメモしてあった小説。現在、自分がファミレスでバイトをしているということもあり、自分に照らし合わせながら、一気に読んでしまった。やはり私は自分がいる世界とは違った世界を経験できる物語より、どこか共感できる物語が好きなのだろう。 この作品は物語に大きな起承転結があるわけ...

何故か携帯にメモしてあった小説。現在、自分がファミレスでバイトをしているということもあり、自分に照らし合わせながら、一気に読んでしまった。やはり私は自分がいる世界とは違った世界を経験できる物語より、どこか共感できる物語が好きなのだろう。 この作品は物語に大きな起承転結があるわけではないが、そのため、また読み直したいとも思えた。 ただ、結末が少し予想できてしまった感はある。

Posted byブクログ

2013/05/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文章とプロットが綺麗だからか、文章への没頭感が格別だった。 やっぱり、畑野智美はあたり。 ぜったい、あたり。 海の見える街よりは、セックスが前に出てきてるけど、あいも変わらずダメな人がちょっと幸せになるお話。 こちらがデビュー作だから、それは貫かれているのでしょう。 いいひとはいいひとで。悪い人は悪い人で、ダメな人はダメな人。 読みやすくてわかりやすい、よくあるお話なはずなのに、ここまで没頭させる共感を呼ぶのはなぜなんでしょうか。 割りと好き。

Posted byブクログ