震える牛 の商品レビュー
BSE問題,食品偽装問題を扱った社会派サスペンス… 消費者を欺く企業が負の社会構造を作る杜撰な世の中。現代社会において安全より経済効果を優先した結果が今の生活に浸透している仕組み…考えさせられる1冊
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WOWOWのドラマが面白かったので原作を読んでみたくなり手にとってみたが、原作の方はドラマと違いあまり引き込まれなかった。第二章までは読んでいてストレスを感じたが、「第三章 薄日」から物語は加速する。 震える牛とはBSE牛のことを指し、牛肉の偽装や加工食品、居酒屋での殺人事件。...
WOWOWのドラマが面白かったので原作を読んでみたくなり手にとってみたが、原作の方はドラマと違いあまり引き込まれなかった。第二章までは読んでいてストレスを感じたが、「第三章 薄日」から物語は加速する。 震える牛とはBSE牛のことを指し、牛肉の偽装や加工食品、居酒屋での殺人事件。それらの隠蔽工作を取り巻く企業が起こし、犯人に迫る主人公の田川の行動は見ものではある。ラストはこれで良かったのだろうかとスッキリしないところはドラマと違う部分だ。 2000年代のBSE問題やミートボックスのモデルとなる会社などを思い出させてくれて興味深くはあった。 また、普段は警察小説は読まないので地取り捜査や鑑取り、現場百遍などの警察用語をこの本で知った。 ベストセラーとのことだが、そこまでという印象の内容である。
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偽造食品のBSE問題と合わせて、大手流通の企業戦略の在り方を問う社会派側面のミステリー小説。10年ほど前に食品問題が思い出される。それ以降、僕らは意識することなく、またそれらを口にし、そして誰もその事を追憶の彼方に…身近に被害者がいない事をいいことに。
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エゴと利権の闇、そして日常に潜む危険性を感じる社会派小説。顔の見えない街が当たり前になっていて、読んで異常性を感じる事ができた。読みやすく素晴らしい作品でした。
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読まず嫌いの相場英雄さん初読み。ナニコレ!めちゃくちゃ面白いじゃないか!2年前の殺人事件の洗い直しを命じられた継続捜査班の田川と、大手企業の闇を暴こうとする記者の調査が交差する様にドキドとキ。地道な地取り・鑑取りと、捜査が進むに従ってリフィルが追加され分厚くなっていく手帳、田川の...
読まず嫌いの相場英雄さん初読み。ナニコレ!めちゃくちゃ面白いじゃないか!2年前の殺人事件の洗い直しを命じられた継続捜査班の田川と、大手企業の闇を暴こうとする記者の調査が交差する様にドキドとキ。地道な地取り・鑑取りと、捜査が進むに従ってリフィルが追加され分厚くなっていく手帳、田川の昭和感あふれる捜査スタイルが痺れる。食品業界の闇、そして、かつて世間を賑わせたあの大事件が盛り込まれており、深みのあるミステリーになっている。こういう泥臭い警察小説は大好物。最後に2発ほど小型爆弾が用意されているのも◎。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
終盤まで読み辛かったが信友が捕まってからは構成にしてもかなり胸糞悪く面白かった! エピローグが個人的に最高 食肉偽装、もっとえげつない人肉とか入ってるのかな?!とワクワクしていたが、震える牛という題の時点でBSEだったなと読み終わって思った。 東日本大震災の記述が割と多く、2012年はそういった事柄が筆者読者共に自分事として現れていた年なんだなぁと改めて思った。 大きな事件が起こってから小説媒体に落とし込まれ、やがて記載が少なくなっていく流れなんかも感じられてこの辺りの小説は歴史的価値が高いんじゃないかとも考えた。
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BSEを問題にした刑事の話です。だんだん話が面白くなっていくような作品でした。 肉の加工食品は日常的によく口に入るものなので、このテーマの話にはとても興味を持ちました。作品の中で、安い肉を仕入れ(BSEにかかっているものもあるみたい)商品を作っている会社が出てきますが、本当は獣...
BSEを問題にした刑事の話です。だんだん話が面白くなっていくような作品でした。 肉の加工食品は日常的によく口に入るものなので、このテーマの話にはとても興味を持ちました。作品の中で、安い肉を仕入れ(BSEにかかっているものもあるみたい)商品を作っている会社が出てきますが、本当は獣医、牛を飼って育てている主人、仕入れ業者、スーパーの経営者と全部が繋がっていて・・・自分も実は食べていたのでは??と作品の中だけの感情ではなく、本を閉じても口の中が不安で生々しい感じが残りました。
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社会問題×警察ミステリーが絡んだ話ですごい興味深かったし、本当のフィクションかとも思えないくらい身近な問題な感じ。警察内の政治と企業内の政治がそれぞれ垣間見れ、一筋縄じゃいかない展開。消費者の安さばかりを追い求めることの問題や地方の過疎化の問題も伺える。
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一見すると、警察小説のようだが、食の安全と地域社会を題材にしている。食品偽装が世間を騒がした事は記憶に新しい。巷で、信じがたい値段で売っている弁当などを見聞きする度に安全な材料を使っているだろうか?と考えるのは取り越し苦労なんだろうか?
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食品産業で行われるコストカットの闇の部分にフォーカスした社会派小説。巨大SCやチェーン店がもたらす焼畑農業的な地方破壊。巨大企業につけ込もうとする政商や反社会的勢力。警視庁捜査一課継続捜査班・田川が迫る迷宮入り寸前事件は、複雑に入り組んだものだ。タイトルにもある震える牛は狂牛病改...
食品産業で行われるコストカットの闇の部分にフォーカスした社会派小説。巨大SCやチェーン店がもたらす焼畑農業的な地方破壊。巨大企業につけ込もうとする政商や反社会的勢力。警視庁捜査一課継続捜査班・田川が迫る迷宮入り寸前事件は、複雑に入り組んだものだ。タイトルにもある震える牛は狂牛病改めBSEの兆候で、それを隠蔽しようとした人間の弱さが生んだ悲劇でもあった。
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