快挙 の商品レビュー

白石一文【著】

2015/05/29

なんだか冴えない旦那さんだな～、と思いながらずっと読み進めていたんですが、最後もほぼ書き上げた小説を途中でやめてしまうあたり、自分の旦那だったら・・・尻を蹴っ飛ばしてしまいそうです。
でも、夫婦って意外とこんなものかもしれないと思え、悪くはないかな？と。
ドラマみたいなことを夢見てしまいますが、実際はそうそう起こらない。でもその平凡な感じが大切な気がしました。

2018/04/07

結婚に愛は存在するのか。
「夫婦とは」という帯に惹かれました。

淡々と進んでいきますが、基本、ダメ男です。
抑揚がない展開だし、みすみ（妻）のことはむっちゃ好きなので、ダメさがわかりにくいのですが
自立できていないのでアウト。

ただ、みすみに出会えたことを、
人生の快挙としたことで、かなりポイントアップ。

佐藤のお義父さんと一緒に読みました。

「快挙/白石一文」

2014/12/31

今までの白石さんの小説とは毛色が違う感じ。
主人公みすみの結婚生活はもう終わりかと思った。最悪な状態だったにも関わらず、”それでもみすみを愛していた”というセリフが良かった

2014/11/23

夫婦とは、この小説のように、長い時間を過ごす中で心が離れたり、くっついたり、他人の冷たさを感じたり、二人のあたたかさを感じたり…そういうものだと思います。
運命が変わる瞬間に、風が吹くという不思議な描写が、さすが白石さんだと思いました。
「人生の快挙」を、自分の小説のためにではなく、「奥さんとの出会い」にとどめておくあたり、深いなあ。

2014/08/10

人の心の中には魔物が棲んどる。あの頃のわしもそうやった。いまのみすみもそうなんやろ。。きみの心のなかにも魔物はおるんや。わしにはきみたち夫婦のことはちっとも分からへん。要はその魔物に負けんようにしてほしい。わしに言えるんは、たった一つ、それきりや。

2014/08/07

タイトルからどんなすばらしい快挙に辿りつくのかと思って読み始めたが、予想に反して、物語の淡々とした語り口にあった静かなラストを迎える。
実際に起きたことや事件などを使って、物語の中の時の流れを表現し、二人の関係の変化を表現しており、関係の変化が感じやすかった。
夫婦のカタチの一側面を表した良作。

2014/06/29

なんとも重なるものが多く、辛い。
しんどかった。
ここからの人間の問題で課題になるのは夫婦の関係だろうと河合隼雄がいっていたが、そうなんだよな。
これを乗り越えられる人と、何らかの理由でサジを投げる人に別れてしまう。
どちらがいい悪いではなく、二極化は顕著である。
そんなときにお互いにこの本読むとどんな感じかなと思う。まあ、読まないんだろうが…自分の快挙についても思いを巡らすと涙が出る。

2014/04/13

人生の快挙とは何か？

夢を追う青年と、支える妻。
90年代の激動の時期、夫婦に降りかかる運命が淡々と綴られており、目が離せないままに読み終えた。

人生の快挙とは何か。
夫婦とは、家族とは何か。
自分の生き方を見つめ直した。
読んで良かった。

2014/04/02

いい作品だった。
何がいいのかよくわからないけれど、
最後に向かって美しく高まっていくような大きな何かがあった。

2014/03/13

主人公である夫婦の歴史を
寄り添って歩いたような読後感。

そして、人生における快挙とは何か?
ほんとうに、何なのだろう。
この夫婦に寄り添って歩きながら、
自分自身の快挙について考えさせられた。

喜びや、怒りや、悲しみや、決意や、
失望や・・・生きていくことは、
その繰り返し。
大小さまざまなそれらに包まれながら、
選びとっていくこととは、ものとは。
よりよく生きたいとか、そういう目線ではなく、
必死に生きる、歯を食いしばって生きる、
その中に、そのときは、これ! これ!
と、主張はしないけれど、
ひっそりと、見守り、佇んでいる、快挙。

ともに生きることは難しく苦しいけれど、
小さな選択が導いてくれる人生はやさしい、
そんな気がした。