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快挙 の商品レビュー

3.4

60件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

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2013/10/01

お気に入り作家のひとりである白石さんは、しっかりと調べて書かれている。 今回も結核で入院した治療内容や、乳がんのことがぼかすことなくきっちりと書かれていた。 人生の「快挙」とはなんなのか。 いくら、途中で裏切りがあろうとも、一生信じていける伴侶を得ることができたなんて、それは素...

お気に入り作家のひとりである白石さんは、しっかりと調べて書かれている。 今回も結核で入院した治療内容や、乳がんのことがぼかすことなくきっちりと書かれていた。 人生の「快挙」とはなんなのか。 いくら、途中で裏切りがあろうとも、一生信じていける伴侶を得ることができたなんて、それは素晴らしいし、うらやましい快挙だ。 人生をかけてまでいた小説よりも彼女をとったんだもんな。 読み終わって、なんか、ちょっと、哀しくなった。

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2013/09/28

写真家を目指していて、居酒屋のきれいな女性を撮って、飲みに行ったら惚れられて結婚して、写真諦め小説書いて、編集者に応援されて、妻の実家で阪神大震災がおこって移住して、ラジオの作家やってたら、たのみの編集者が事故で死亡して、妻が浮気したけど知らぬふりして、義父が義妹とできてたのにび...

写真家を目指していて、居酒屋のきれいな女性を撮って、飲みに行ったら惚れられて結婚して、写真諦め小説書いて、編集者に応援されて、妻の実家で阪神大震災がおこって移住して、ラジオの作家やってたら、たのみの編集者が事故で死亡して、妻が浮気したけど知らぬふりして、義父が義妹とできてたのにびっくりし、東京戻って、週刊誌連載が評判で、乳がん手術してた妻に転移の疑いにショックで書きかけの小説止めて、結局異常なしだけど小説はまったく新しいのを書くことにした、完。

Posted byブクログ

2013/09/07

後半の「私」の後悔や、みすみの不安については共感できるものがあったものの、「私の裏切り」って何のことだったんだろう?ととても大事なところなのに理解ができなかったのが残念。 全体的に静かに沈んでいくような流れだったけれど、最後に浮き上がることができたので、読了後に落ち込むことはなく...

後半の「私」の後悔や、みすみの不安については共感できるものがあったものの、「私の裏切り」って何のことだったんだろう?ととても大事なところなのに理解ができなかったのが残念。 全体的に静かに沈んでいくような流れだったけれど、最後に浮き上がることができたので、読了後に落ち込むことはなくて安心した。

Posted byブクログ

2013/09/03

人生における快挙って何ですか?と聞かれたら…、うーん難しい。エベレスト登頂、オリンピックで金メダル、ハリウッドスターと結婚…(苦笑)みんなそんな派手な「快挙」ばかりではないよね、やっぱり。「あの日あの時、あの場所で君に出会った」のが私の人生の快挙と言う主人公。挫折、震災、病気、裏...

人生における快挙って何ですか?と聞かれたら…、うーん難しい。エベレスト登頂、オリンピックで金メダル、ハリウッドスターと結婚…(苦笑)みんなそんな派手な「快挙」ばかりではないよね、やっぱり。「あの日あの時、あの場所で君に出会った」のが私の人生の快挙と言う主人公。挫折、震災、病気、裏切り…。夫婦関係を維持するためには不実も許す。「そこに愛はあるのかい!?」

Posted byブクログ

2013/08/23

主人公が人生の中で快挙と呼べる女性と出会って結婚し、その後病気や流産や転職や失業や、震災や浮気まで乗り越えて、淡々と生きていく夫婦の物語です。 まあ個人的には共感できる部分があまりなくて、こんなもん?と思ってしまいましたが、身近な夫婦を思い浮かべたりするとそれが夫婦関係なのかもし...

主人公が人生の中で快挙と呼べる女性と出会って結婚し、その後病気や流産や転職や失業や、震災や浮気まで乗り越えて、淡々と生きていく夫婦の物語です。 まあ個人的には共感できる部分があまりなくて、こんなもん?と思ってしまいましたが、身近な夫婦を思い浮かべたりするとそれが夫婦関係なのかもしれないなあーと少し納得。自分のことはまだよくわからないのかも・・・ エンタメ性は皆無ですが、快挙、と呼べる出来事は意外と小さな幸せの気づきなんだと思わせてくれる作品でした。

Posted byブクログ

2013/08/13

みすみさんの人柄とやっていることに納得が出来なかった。その代わり主人公の俊彦さんの人から過度な期待…と言うか依存された時の逃げ出したくなってしまう気持ちなんかはすごく共感出来た。夫婦なら色々あるんだろうけど、みすみさんのやった事は許されることじゃないって思ってしまう私はまだまだ精...

みすみさんの人柄とやっていることに納得が出来なかった。その代わり主人公の俊彦さんの人から過度な期待…と言うか依存された時の逃げ出したくなってしまう気持ちなんかはすごく共感出来た。夫婦なら色々あるんだろうけど、みすみさんのやった事は許されることじゃないって思ってしまう私はまだまだ精神的に若くて、トゲがあるんだろうと実感させられた。歳を重ねた人が穏やかなのは、この本に書かれたようなことをお互い許してきたからなんだろうなぁ。その積み重ねなんだろう。

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2013/08/06

あっという間に読めました。 何かあっても結局、離れることを選ばない、寄り添い続けたいと思われる人に会えたことが・・・・やはり「快挙」なんだと思う。 そりゃ、長い人生いろいろある。でも、この人と関わり続けたいと思う。 心に引っ掛かるものって???何なんだろう??? 白石さんの小説を...

あっという間に読めました。 何かあっても結局、離れることを選ばない、寄り添い続けたいと思われる人に会えたことが・・・・やはり「快挙」なんだと思う。 そりゃ、長い人生いろいろある。でも、この人と関わり続けたいと思う。 心に引っ掛かるものって???何なんだろう??? 白石さんの小説を読むと、いつも考えさせられる・・・。 山本周五郎っていうと・・・・浮かぶのは「赦し」なんですけど。

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2013/07/16

サミュエル・ベケットの小説世界は難解で、ひとたびその世界に足を踏み入れると簡単にはそこから出させてはもらえない。一気に読み終えるなんていうことはおろか、ページを遡って読み返すことを強いられることもしばしばだ。 読む者にとってそんな読書は、不思議な体験となる。頭の中で映像を立ち上げ...

サミュエル・ベケットの小説世界は難解で、ひとたびその世界に足を踏み入れると簡単にはそこから出させてはもらえない。一気に読み終えるなんていうことはおろか、ページを遡って読み返すことを強いられることもしばしばだ。 読む者にとってそんな読書は、不思議な体験となる。頭の中で映像を立ち上げたり登場人物の内情を想像したり…の外にも、常識的でない時間軸や空間の方向などを理解するために要する時間を楽しむことが出来るし、更に言えば、言語というものの持つ本質や役割にまで思いは広がり、次元の違った読書体験を、しかも長い時間に渡ってさせてもらえたという満足感さえ与えられる。 ところでこの「快挙」は、この作家の作品の中で最も簡単にその小説世界から追い出されてしまったような印象だった。 じっくりと腰を据えて読ませる作品をたくさん上梓されている、個人的にたいへん好きな作家であるだけに、この「あらすじ」だけをさらっと撫でるように書いたような感じがもったいないと思った。 テーマや内容は普遍性を持っていると感じるし、そこから勇気を得る読者も少なからずいるだろうと思う。…であるからこそ残念。 この中編を軸に細かいところをもっともっと丁寧に描きこんだ、長さにして3倍くらいの作品が読みたいと思った。

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2013/07/16

ドキドキするのだが、ドキッとしない。 でも快挙なのだ。素敵な人との出会いが 快挙なのだ。読後感は、なんとも暖かい。 二人の仲にも日本にも、いろいろあったが 幸せに暮らせていることが快挙なのかなぁ。 「火口のふたり」の性描写に比べると、 これくらいの性描写が、私には幸せ感が 伝わっ...

ドキドキするのだが、ドキッとしない。 でも快挙なのだ。素敵な人との出会いが 快挙なのだ。読後感は、なんとも暖かい。 二人の仲にも日本にも、いろいろあったが 幸せに暮らせていることが快挙なのかなぁ。 「火口のふたり」の性描写に比べると、 これくらいの性描写が、私には幸せ感が 伝わってきました。

Posted byブクログ

2013/07/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

夫婦生涯小説。写真誌新人賞を受賞しいっぱしの写真家気取りの中林俊彦は、月島の路地裏でみすみを見つけた。「小料理すま」で撮った写真を渡し、二度目に訪れた際、ずるいと言われて、なけなしの一万円をカウンターに置いてさっと席を立ち、とぼとぼと夜の小道を歩いているとき、後ろからぱたぱたとサンダルの音が聞こえてきて振り返った瞬間…これこそが私の人生の快挙。それほどの相手と結婚したのに五年が過ぎると、夫婦関係はすっかり変質してしまった。共に生きるためには、不実さえも許す。それこそが夫婦?、愛の在処を探る。 俊彦とみすみの出会いから生活を淡々と描いていく作品ですが、中林俊彦視点の物語で俊彦の身勝手な言動にみすみが内助の功で支えるのだが、みすみは報われていない……いっぱしの写真家気取りのアルバイターが、挫折し次は小説家を目指す?甘ったれた男に尽くすみすみ自身が『快挙』。同じ時代を生きていて、俊彦の博打のような人生、うらやましいというか馬鹿らしいというか……

Posted byブクログ