昨夜のカレー、明日のパン の商品レビュー
登場人物が人間の温度を持っていない感じ(多分、そんな人いない。と思っちゃった)なのに、うーん、だからなのかな。 凄く良かった。 不思議な読み心地。
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とても良かった。 読み終わって、隅々まで表紙を見て、またほっこり。 ふふっと笑ってしまうところがこれまた絶妙で、テツコとギフが凄くいい。 テツコ、ギフ、岩井さん。タカラ、カズちゃんのお父さん、虎尾、夕子、一樹。 んー、まるっきり同じものは味わえないと思うけど、この本の感じす...
とても良かった。 読み終わって、隅々まで表紙を見て、またほっこり。 ふふっと笑ってしまうところがこれまた絶妙で、テツコとギフが凄くいい。 テツコ、ギフ、岩井さん。タカラ、カズちゃんのお父さん、虎尾、夕子、一樹。 んー、まるっきり同じものは味わえないと思うけど、この本の感じすごく好きだったのでまた木皿さんの本を読んでみたい。そして、この本ももう一度読みたい。
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短編集。 出てくる人がみんないい。こういう優しい温かい作品は、癒されるから人に勧めやすい。素敵な小説でした。
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なかなか面白かったです。ただ、登場人物それぞれの日常が淡々と描かれていて、ドラマチックさにおいては少し物足りない感じもしました。 どうして、最後まで読めたか考えてみると、設定が面白かったからだと思います。 20代のテツコがギフ(義父)と二人暮らしをしている時点で、思わず怪しいなー...
なかなか面白かったです。ただ、登場人物それぞれの日常が淡々と描かれていて、ドラマチックさにおいては少し物足りない感じもしました。 どうして、最後まで読めたか考えてみると、設定が面白かったからだと思います。 20代のテツコがギフ(義父)と二人暮らしをしている時点で、思わず怪しいなーと思わせてくれました。 印象的だったシーンは、ガンで入院している一樹を見舞ったあと、テツコとギフの帰り道での場面です。パン屋でできたてのパンを二斤買い、腕に抱き抱えているとき、「悲しい気持ちでも、幸せな気持ちにもなれるものなのだ」というシーンが良かったです。 最後の方には、詩人である、八木重吉の作品が引用されていて、彼の作品も読んでみたいと思いました。
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私だったらギフと2人で暮らすのは嫌だけど、なんとなく受け入れて読んでしまっているのが面白いところ。いろんな人の視点で描かれています。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今月の22日に、私たちの初めての小説「昨夜のカレー、明日のパン」が河出書房出版から出る予定だが、その中の登場人物は次に進めない人たちばかりだ。人と別れるのに何年もかかってしまうような、ちゃんと社会人として暮らしているのに、世の中の時間の流れに乗り切れない部分をひっそりと抱えている。そんな人たちの話である(木皿食堂ひとりメシ) 手放すってことは、裏切ることじゃないよ。生きる方を選ぶってことだよ。 重いの背負わないと生きてる甲斐っていうの、そういうの味わえないんだよね。 【 ぴったりのコトバを探そうとしたが、そんなものが、この世にあるとは到底思えなかった。 ・・・・・・そうか、「助けて」というコトバが、今の気持ちに一番近いんだと思った。 そもそも、カズちゃんの病状は、この病院のどのぐらいのランクに位置しているのだろう。そんなことを考えていると、病院には治る人と治らない人の二種類しかいない、ということに気づいた。死に向かっている人と、生に向かっている人の間は、非情にもくっきりと線引きされているのだ。 「死んだら星になって言うでしょ? あれ、ボク、信じられないんですよね」 「でも、本当にそうだったらいいのにね。星になってみていてくれたら、それだけで、救われる部分はあるよね。」 「根拠はないです。でも、そういうふうに二人で信じるというのは、どうでしょうか?」 「オレ、くたくたになるまで生きるわ」 タカラは今、私はファスナーの先端だと思った。しっかりと閉じられているこの道は、私が明けてくれるのを待っている。そう思ったら、なんだか嬉しくて、気がつくと心の底から笑っていた。 みんな、新しいことを覚えるのに一生懸命だった。こうしたら見やすいのではないか、こうやれば早くできるのではないか、この方がみんなが気持ちよく仕事ができるのではないか、というささやかなOLの技術は、先輩から後輩へと細かく伝授され続けていたが、それをいきなり誰かが、ぶった切ってしまったような感じだった。 先輩も後輩もなく、ただただ新しいことを覚えていくだけの職場に、もう夕子は面白さを見いだせなかった。 街では、商品の種類がどんどん増えていってる気がする。・・・ みんな選ぶという楽しさに夢中になっているようだった。夕子はそのことにもなじめなかった。デパートいくたびに、欲しいものが増えていく。そのことが、とても不安にさせる。何かを買っても、次に行くとまた新しいものがあって、心がざわざわした。 ギフは、何もかも白状して、気分が楽になったのか明るい声だった。 「一樹が生きていてくれたら、私も気兼ねなく年をとることができたのかなぁ」 とギフは、銀杏の木をさすった。 一樹を入れた三人の生活が、ここにはあったんだよなぁ、と岩井は思い、それはたやすくイメージできた。 そして、一樹の代わりを自分がやるというのは、どう考えても違うような気がした。 人間関係というのは、方程式のように、どんな数字を代入しても成り立つ、というようなものではない。 テツコが言っていた意味は、自分の部屋に戻ってしばらくすると、岩井にもわかってきた。ここはただ眠ったり食べたりする場所だということが、いやおうなく思い知らされる。仕事をすることをベースにした、そのために合理的に作られた空間なのだと、岩井は思った。そうなのだ、ここには暮らしというものが一切ないのだ。それをこれから自分一人でつくらねばならないのだろうか。だとしたら、それは気が遠くなるような作業だと思えた。ギフの家には暮らしがあった。それはおそらく、そこに住んできた人たちが何年もかけて作り続けてきたものだろう。 酔っぱらったギフが、饒舌に人生を語る。 「人は変わっていくんだよ。それは、とても過酷なことだと思う。でもね、でも同時に、そのことだけが人を救ってくれるのよ」 世の中は、今までになく景気がよかったので、古いものばかり着ている一樹は浮いていた。 一樹は風と雨に顔を打たれながら、今度こそつかまえなければ、と思った。母のときみたいに、バカみたいにかっこうをつけていたら、大事な物がするりと腕からこぼれてしまう。今度こそ、恥も外聞もなく、待ってくれと頼むのだ。
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連作短編集は大好きで最初の話に出てきた人がフッと別の話に登場するとか、すごい好みなのに、好きな話とそうでもない話の差が大きかった。同じ作家さんなのに?と不思議に思うほど。それでも一人の人の死を中心にして進んでいく過去と今の物語には引き込まれて、久々に手元において時々読み返したくな...
連作短編集は大好きで最初の話に出てきた人がフッと別の話に登場するとか、すごい好みなのに、好きな話とそうでもない話の差が大きかった。同じ作家さんなのに?と不思議に思うほど。それでも一人の人の死を中心にして進んでいく過去と今の物語には引き込まれて、久々に手元において時々読み返したくなる本に出会った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【あらすじ】 悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだ----7年前、25歳で死んだ一樹。遺された嫁のテツコと一緒に暮らし続ける一樹の父・ギフの何気ない日々に鏤められたコトバが心をうつ連作長篇。 「自分にはこの人間関係しかないとか、この場所しかないとか、この仕事しかないとかそう思い込んでしまったら、たとえひどい目にあわされても、そこから逃げるという発想をもてない。」 「悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだと知ってから、色々なことを受け入れやすくなったような気がする。」 「生きてるって、本当は殺伐としてるんだよ。みんな、それを分かってるから、きれいに着飾ったり、ご馳走食べたり、笑い合ったりする日をつくってるのかもしれないな。無駄ってものがなかったら、人は辛くて寂しくて、やってられないのかもしれない。」 「人は変わってゆくんだよ。それは、とても過酷なことだと思う。でもね、同時に、そのことだけが人を救ってくれるのよ。」 「本当にあったことでも、いずれそれは記憶の中で曖昧になってゆくだろう。本当かどうかなんて、どうでもいい気がした。そういう記憶をまといながら、どこへいくのかわからないけど、オレはゆるやかに変化してゆくのだ。」 【個人的な感想】 どの短編も繋がっていて、ほっこりする小説だった。 ハッとさせられる言葉も多くて好きな小説だった。
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ムムム 義父(ギフ)とテツコのほどよい関係性。 パワースポット 亡くなったカズちゃんのキーホルダーは空を飛んでるよ! 山ガール ギフが山ガールと山登りする。 虎尾 一樹の乗っていた車をもらい受けた虎尾。 魔法のカード テツコの今彼、岩井さんが詐欺にあったような…。 夕子...
ムムム 義父(ギフ)とテツコのほどよい関係性。 パワースポット 亡くなったカズちゃんのキーホルダーは空を飛んでるよ! 山ガール ギフが山ガールと山登りする。 虎尾 一樹の乗っていた車をもらい受けた虎尾。 魔法のカード テツコの今彼、岩井さんが詐欺にあったような…。 夕子 親しい人が亡くなるときに涙の出る夕子。 男子会 ギフとテツコと岩井。 一樹 わんこの名前は「パン」。 夫婦脚本家である、木皿泉。 (野ブタとかセクシーボイスアンドロボとかだって!!) その初めての小説がこの作品。 読みやすいの一言かなー。 あと、ほっこりした!! 感想があっさりなのは、ずいぶん前に読んだからー笑
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現状が変わることがあまり受け入れられないタイプの私には、最後テツコさんの落とし所がとてもしっくり来て嬉しかった。それを受け入れる岩井さんもステキな人とかだなと思ったし、岩井さんと仲良くできるギフさんもいい人だ。死んでしまったお母さんも一樹さんも、みんなの思い出の中で美化されてるの...
現状が変わることがあまり受け入れられないタイプの私には、最後テツコさんの落とし所がとてもしっくり来て嬉しかった。それを受け入れる岩井さんもステキな人とかだなと思ったし、岩井さんと仲良くできるギフさんもいい人だ。死んでしまったお母さんも一樹さんも、みんなの思い出の中で美化されてるのかと思ったけど、本人視点の話のおかげで悩みや人間くささがあったこともわかり、ぐっと親しみを覚えることができて、読み進めるとどんどん心を温めてもらえました。
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