1,800円以上の注文で送料無料

2030年世界はこう変わる の商品レビュー

3.6

75件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    23

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2013/05/26

構造の変化の4つのメガトレンド(個人の力の拡大、権力の拡散、人口構成の変化、食料、水、エネルギー問題の連鎖)と、世界の流れを変える6つのゲームチェンジャー(世界経済、国家の統治力、大国の衝突、地域紛争、最新技術、米国の役割)から、2030年の世界を予測している。 可能な4つのシ...

構造の変化の4つのメガトレンド(個人の力の拡大、権力の拡散、人口構成の変化、食料、水、エネルギー問題の連鎖)と、世界の流れを変える6つのゲームチェンジャー(世界経済、国家の統治力、大国の衝突、地域紛争、最新技術、米国の役割)から、2030年の世界を予測している。 可能な4つのシナリオを挙げているが、欧米が没落するでもなく、米中が協調するでもなく、経済格差が世界各地に広がるでもない、第4のシナリオ『非政府主導型』の世界が一番望ましいと感じる。 このシナリオでは、政府の枠を超えて、グローバルな人材がネットワークを駆使して世界を牽引する。環境問題、貧困、腐敗撲滅といった課題ごとに世界中の人が一丸となって立ち向かう社会となるらしい。 あと、一点この本のなかで印象的だったのは、中国の民主化運動。国民一人あたりの収入が1万5000ドルを超えると民主化運動が活発になると言われるが、中国では今後5年以内にこの水準を超える見込みで、国家が不安定になることが予想される。国がこれを抑えるために、近隣諸国との軋轢が強くなるかも、、いかにも有り得そうな話し。

Posted byブクログ

2019/04/29

久々に日本悲観本を読みました、日本はもはや復活しない、アメリカも中国もすぐにピークを過ぎて、その後は、インドと中国以外のアジアが世界経済を牽引していくという内容です。 その根拠は、中間所得者層の購買力が、その地域では飛躍的に増えるからというものです。この本の著者である立花氏によ...

久々に日本悲観本を読みました、日本はもはや復活しない、アメリカも中国もすぐにピークを過ぎて、その後は、インドと中国以外のアジアが世界経済を牽引していくという内容です。 その根拠は、中間所得者層の購買力が、その地域では飛躍的に増えるからというものです。この本の著者である立花氏によれば、中間所得者層の比率は、日本の場合、2000年には世界人口の10%もいたのに、2020年には5%,2050年には2%に落ち込むそうです。 最近は、日本の実力を多くのデータを用いて証明した本も出てきているの で、それと読み比べてみましたが、中間所得者層以外のデータも示してほしかったです。 この本で得た私にとっての新しい情報は、あのサウジアラビアで消費量が増えていて、2037年には原油輸入国になる可能性がある(p113)というものでした。 以下は気になったポイントです ・1500年以前はアジアの帝国が世界覇権を握っていたが、それから500年を経た今は、アジアは再び世界をリードする、2030年までに世界中の多くの国では中間所得者層が主流になる(p4) ・中間層の上位層(アフリカで比較的ゆとりある層)は、2010年の3.3億人から2030年には6.8億人に増加する(p20) ・歴史的に中間層が増えると民主主義を求める声が高まり、大衆迎合型政治や独裁政治が生まれやすい、一方でGDPが1.5万ドルを超えると民主主義が定着して独裁政治に戻らなくなると言われている(p21) ・エイズによる死者は、1年で200万人が亡くなった2004年をピークに減少している、また幼児の死亡率も劇的に減っていて、2030には寿命格差はなくなるだろう(p28) ・2030年までに国際社会の権力構造は、独占から分散となり、1750年以降続いてきた欧米中心主義を反転させるだろう(p32) ・GDP、人口、軍事費、技術投資の4点に加えて、健康・教育・統治を加えて国力統計を算出すると、中国が米国を追い抜くのは、当初予定の2030年ではなく、2040年以降になるだろう(p36) ・米国におけるシェールオイルの生産は、2020年には石油輸出国になる可能性がある、この足枷になっているのが、地下水汚染や採掘現場での事故等の環境問題である(p70) ・天然ガス生産が増量することで、2030年までに石炭から天然ガスへの切り替えが進む、これにより再生可能エネルギーは不発となる(p72) ・サウジアラビアの場合、直近の試算で、財政収支がトントンになる原油水準は、1バレル=100ドルであり過去の試算より大幅に上昇している、国内での消費量も増えていて、2037年までに原油輸入国になる可能性もある(p113) ・2030年に向けて重要な3つの機械化の流れとして、1)ロボット、2)自動運転技術、3)3Dプリンター、がある、特に3Dプリンターでは試作品を作らずに、完成品をダイレクトに製造できるようになる(p132,135) 2013年5月11日作成

Posted byブクログ

2013/05/07

メガトレンドとゲームチェンジャの組み合わせから将来シナリオを導き出すというロジックで、2030年の世界情勢を分析している。読みやすいと思う。

Posted byブクログ

2013/05/02

日本が全く出てこない。特に、日本の潜在能力が語られていない。評価経済大国になるべき。それにしても、「非政府主導団体」が出てくるかが今後15年を占う上で重要。新しい国家も最初は既存国家からみれば非政府主導団体。あり得ると思う。日本の特長を出すのが現役世代の責務。

Posted byブクログ

2013/04/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「米国国家情報会議」というアメリカの組織が大統領選挙に合わせて4年に1回作成しているものです。大統領はじめ、各種重要機関が政策を考える際に参考にする資料の一つであり、大変信憑性の高いものとされています。 以前に、「2052 ~今後40年のグローバル予測~」という40年先の予測本を紹介したことがあります。今回は17年後という、そんなに遠くない未来の予測です。 「「超」入門 学問のすすめ(ダイヤモンド社)」では、日本は重大なマイナスの出来事から約20年かけて復興し、大きく飛躍してきたと述べられています。倒幕後の明治維新、第二次世界大戦後の高度経済成長などです。この考え方からすれば、東日本大震災から約20年後にあたる2030年ごろには、新たな道が開けている可能性があるとしています。しかし、今回の「2030年」では、日本は先進国の中で「最も不安定な国」と位置付けています。最も大きな理由は毎度おなじみですが「少子・高齢化」と「人口減少」にともなう労働力の減少です。IMF(国際通貨基金)は、日本に対して、一時的な政治的混乱を招いたとしても、財政上のバランスを長期的に保つ大規模な政策転換を実施すべきと進言しているそうです。短期的な経済成長を犠牲にしないと膨らむばかりの負債を解決できないからです。 また、「世界の警察」と呼ばれるアメリカは、依然トップ集団にはとどまるものの、中国には抜かれます。その中国の成長がとまるのも2020年代だそうです。要は、ずば抜けてリーダーシップを発揮する「覇権国」がなくなり、不安定な状態に陥ります。北朝鮮が各先進国の度重なる警告にも関わらず強硬姿勢を崩していないところにも、既にこの傾向は現れていると思います。また、通信技術の発達により、一般市民の発言権が強くなり、こういった点でも各国の政府の発言力が相対的に低下するのも特徴です。経済的にも中間所得者層が増大します。 強国の没落と、新興国の台頭という「均質化」が起こるのが今後数十年の傾向であるというのが、各予測本の共通点であるように思います。政治家を選ぶのは我々の国民です。「政治が悪い」と叫ぶのは天につばを吐くのと同じです。一人一人が真剣に未来を学習するきっかけになれば幸いです。

Posted byブクログ