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決定版 感じない男 の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2023/10/09

2023/10/08 二日酔いながら一気見してしまった。 おかえりアリスに衝撃を受け、そのあとがきからこの本の存在を知った。 中学生の時に、毛が薄かった自分の足について、友達から「綺麗な足、女みたい」と言われた。そのことがずっと誇りだった。胸筋が無いので胸に脂肪がすぐ付いて...

2023/10/08 二日酔いながら一気見してしまった。 おかえりアリスに衝撃を受け、そのあとがきからこの本の存在を知った。 中学生の時に、毛が薄かった自分の足について、友達から「綺麗な足、女みたい」と言われた。そのことがずっと誇りだった。胸筋が無いので胸に脂肪がすぐ付いてしまうが、その僅かなふくらみを見るとき、少しだけ誇らしい、倒錯した感情がある。リナとミサトから、お世辞だとしても、「綺麗な顔立ちをしている」と言われたことをずっと覚えている。本当に嬉しかった。その嬉しさは恐らく、褒め方に性別が関係ない言葉だから。 女になりたいと思っていた。それは思想の面だけでだと思っていた。女が女と取るコミュニケーションに憧れていた。男として扱われることに悲しくなる時もあった。年上の女と接することが多かったから、女と話していて楽な気持ちを覚えるんだと思っていた。少し違うのかもしれない。 俺は俺の性をある面で肯定していてある面で否定している。 「男のための物語」を俺が必死に求めていた理由はなんだろう。傾向はある。孤独な物語、孤独な男の感情を悲しむ物語。しかしそこに目を当てるということがそもそも慈しみだとしたら、その慈しみの行為こそを求めていたのかもしれない。 俺が女を心から好きになる時、そこには憧れがある。自分には絶対になれない存在を少しでも自分のうちに取り込もうとする行為なのかもしれない。俺は全く自分のセクシュアリティに関して、人より悩んでいるであろうにも関わらず、何も答えを見つけられていない。 以下引用。 「私は、「男とはこういうものだ」という言い方の噓を、身をもって知った。「男とはこういうものだ」という言い方は、「男とはこういうものだということにして、男同士、楽にやっていこうぜ」という、男たちのあいだの申し合わせにすぎない。」 「現実と虚構を、セクシュアリティの次元でうまく区別できないことが、「感じない男」の特徴のひとつなのかもしれない。」 「そもそもどうして、少女の体になりたいという願望が、私の中にひそんでいるのであろうか。少女に乗り移ってまでして、少女の体を獲得したいという欲望は、どこから沸き起こってくるのだろうか。その欲望の根底にあるのは、「このごつごつして汚い男の体から、抜け出してしまいたい」という、祈りにも似た脱出願望なのではないかと私は思う。自分自身の体に対する感情は、このような自己否定の感情である。」 「かつての私のようなタイプのロリコンの男が最終的にめざしているのは、大人の女になる瞬間を迎えたかわいい少女の体の中へと乗り移り、その少女の体を内側から生き、その少女の体を内側から心ゆくまで味わい、その体に様々な服を着せて人々と交わり、人々から優しく大切に扱われ、自分で自分の体を真に愛することだ。そして少女の体の内側から、少女の子宮へと射精し、妊娠して自分自身を出産することだ。それによって私は、母親の影響圏から最終的に離脱することができる。私は自分自身から産み出された存在となり、もはや誰にも隷属することなく、ここに完全な自由を手に入れる。少女の体という肉体上の理想を獲得し、自分の体を自己肯定し、精神上の自立という内面の自由をも獲得する。かくして世界は私を祝福し、私も自分自身を祝福し、世界は充足した私自身によってどこまでも満たされていくことになるだろう。」 「自分の体を愛せないことが身にしみて分かったとき、私はどうしたのか。私は自分の心の空虚を埋めるために、「男らしさ」に手を伸ばしたのである。いまさら女にはなれないわけだから、自分が男として自己肯定するためには、この体をもっと「男らしい」ものにしないといけない。体だけではなくて、精神も、行動も「男らしい」ものにしないといけない。それが成功したら、私は、自分の体とセクシュアリティをきっと肯定できるようになるはずだ。私はそのように思ったのだった。それは、溺れる者が藁をもつかむ気持ちと似ていたのかもしれない。」 「もっとも大切なことは、好きな人や、大切な人たちと、やさしい関係をつむいでいくことであり、互いを尊敬していつくしむことのできる関係を作っていくことだと私は思う。」 やさしい関係。やさしくありたい。

Posted byブクログ

2023/07/18

男の身体が汚いと思う意識。 Vチューバーの綺麗な女の身体を得る。脱毛、化粧。男性的なものが汚く感じる。それによる女性性への憧れ? また読み返さないといけない。

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2023/01/25

「賢者の時間」などと美化するのだけれど、やはりそれだけでは到底説明も納得もカバーもできない虚しさが射精後にはあって。なんど繰り返そうが、相手が誰であろうが独りであろうが、どれだけ射出を遅延させようが、あくまで深刻な虚しさが脳幹をいぢめる。しかしその行為を楽しめていない自分はポルノ...

「賢者の時間」などと美化するのだけれど、やはりそれだけでは到底説明も納得もカバーもできない虚しさが射精後にはあって。なんど繰り返そうが、相手が誰であろうが独りであろうが、どれだけ射出を遅延させようが、あくまで深刻な虚しさが脳幹をいぢめる。しかしその行為を楽しめていない自分はポルノスターと比較して罪深く、弱々しく思われたのでなるべくこのことを不問に付し、あの手この手で疑問符を調伏しようとしてきた。誰に明かすこともせず、パートナーから呆れられて初めて薄笑いを浮かべて気まずく告白をするだけだった。秘匿すべき事柄、克服すべき病弊なのだと諦めていた。 だから、「私」の肉体と心理に深々と切り込んだ本書には驚かされた。厳然としてある虚しさやヨゴレの感覚から目を背けるのではなく、あくまで切り込み、いかに引き受けていくか(安易に容認するのでも現行の身体を全否定するのでもない)を血まみれで熟慮する森岡の姿は見ていて痛々しかったが、全ての人間に血が流れていることを痛烈に思い出させてくれた点において快挙である。 カミングアウトは万人のために開かれてある。そこから身辺の社会を組み上げよう。

Posted byブクログ

2023/01/02

衝撃を受けた一冊。性癖や性欲の起源を知る事が、押し付けられた性欲から距離を取り、自分自身の欲や嗜好を取り戻す機会になるのではないかと思えた。

Posted byブクログ

2019/07/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 男の「不感症」「制服フェチ」「ロリコン」がテーマであり、これらを著者の実際と照らし合わせて考察する。したがい、答えではなくひとつの仮説である。  男の射精そのものは快感を感じずに空虚感を感じる(男は自らの射精を語りたがらない)。感じる女への復讐がポルノに反映される(実際には女もそれほど感じているわけではない)。ポルノでよく制服が用いられるのは、背後に学校(=洗脳)を感じるため。男の自分勝手な論理で女を内面的に支配し、セクシャリティの自閉世界を作り上げることに帰結する。精液はその架け橋である。  ロリコンというと一般的に初潮前後の少女を対象としたものであり、社会全体がロリコン化しつつある。感じない男は自らの体を肯定的に見られず、少女の体として生きてみたかった願望が、少女の体の中に乗り移るという形で現れる(そのため少女が女性になる初潮頃がターゲットとなる)。母親からの訣別はロリコンの形をとり、自己完結した世界に閉じこもることで、完全な自由を手に入れる。  男のセクシャリティに対する肯定感のなさから、女への支配(うまくいかないと、復讐し罰っしようとする)を強める。正面から向き合おうとせず、架空の女のイメージのほうが生身の女よりも大事だったりする。「生まれてきて本当に良かった」と感じることで、ひととひとが感情を分かち合いながら、よい関係を作り上げていける。男のセクシャリティはいくらでも変わりうる。

Posted byブクログ

2017/12/18

学者先生が赤裸々にというより冷静に自信のセクシャリティを元に男性のセクシャリティついて考察している。オーソドックスな純文学の作家が書きそうなことを学者調で書いた感じ。不思議なテキスト。言い方や、捉えるレベルに関しては、人それぞれ幅がありそうだけど、根本的に言いたいことはわかるとい...

学者先生が赤裸々にというより冷静に自信のセクシャリティを元に男性のセクシャリティついて考察している。オーソドックスな純文学の作家が書きそうなことを学者調で書いた感じ。不思議なテキスト。言い方や、捉えるレベルに関しては、人それぞれ幅がありそうだけど、根本的に言いたいことはわかるというか共感できる内容だった。

Posted byブクログ

2017/10/07

著者はうちの大学の元教員(今は早稲田の教員) 男の性について赤裸々に堂々と述べているところが凄い。ロリコン・制服フェチなどの詳細の分析の後に、「男の不感症」に繋げている。

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2017/06/28

「私はこうだ」という姿勢でもって フェミニズム=女性学 セクシュアリティ アイデンティティ 新宿二丁目 妄想から幻滅へ 「嫌がるか嫌がらないか」に拘るレイプ犯と、「隠されているのか、あからさまに見えているのか」に拘る私との類似点 サブリミナルなメッセージを私達の脳髄に染み込ませる...

「私はこうだ」という姿勢でもって フェミニズム=女性学 セクシュアリティ アイデンティティ 新宿二丁目 妄想から幻滅へ 「嫌がるか嫌がらないか」に拘るレイプ犯と、「隠されているのか、あからさまに見えているのか」に拘る私との類似点 サブリミナルなメッセージを私達の脳髄に染み込ませる 牛乳を飲む少女 縦笛を咥えた少女の視線 親が承諾する理由は推測するしかない 仕掛け 仮面を被った少女ポルノ 第二次性徴 平均初潮年齢 ユニセックスな(性がまだ未分化な状態の)体 ひとつの思いが沈殿 大人の体へと大きくカーブを切る瞬間 何度も意識の底で反芻 思春期の分岐点 追体験 ロリコンの原因は、ロリコンの男が自分の体を自己肯定できていないところにあるというのが私の仮説である。 あんもくり暗黙裡 隷属 恍惚状態 肉体から溢れ出てくる溶岩のようなものの感覚 トリガーや義体として利用されるだけ 「私の体は汚い」という意識 勃起したペニスは「ファルス」と呼ばれ、男なるものの象徴と考えられてきた。だが私は「勃起」よりも「射精」の方が、オジャンにとっては根本的なのではないかと考えている。 女の快感を支配するときの優越感でもって、自分の不感症を帳消しにしようとするのである。 もし支配に失敗した時には一転して、感じる女に復讐し、罰しようと思いはじめる。レイプしてやりたいという衝動が出てくるのは、この時である。 自分が拘っている架空の女のイメージの方が、生身の女より大事だったりする。架空のイメージは、独自の意思も感情も持たないので、扱いが楽なのだ。 古代の性技法 タントラ 狩人 宇宙との合一感 荒唐無稽な話ではない しかし考えてみれば、父親はマスターベーションをしていた筈だし、セックスの時に父親から射精された精子でもって、あなたは生まれたのである。このあたりのことを、一度深く考えてみてはどうだろうか。自分が母親の胎内から生まれたことを感慨深く語るが、自分が父親の射精から生まれたということに関しては、徹底的にそれを隠蔽する傾向があるように思われる。 「自分を決して棚上げしない」学の方法 射精の後の墜落感 ジュニアアイドル写真集 意図的に目を逸らしているように思えた 無痛文明論 生命学

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2015/06/25

アマゾンに注文していたのが届きました。 (2015年06月16日) 30ページ、「二〇〇【〇】年」←ヌケです。 (第一刷) (2015年06月16日) 他者の文章を読んでいて、心の底から、 「いいねえ」と思える文章に初めて出合った。 (2015年06月19日) 自分自身のセ...

アマゾンに注文していたのが届きました。 (2015年06月16日) 30ページ、「二〇〇【〇】年」←ヌケです。 (第一刷) (2015年06月16日) 他者の文章を読んでいて、心の底から、 「いいねえ」と思える文章に初めて出合った。 (2015年06月19日) 自分自身のセクシュアリテを探検する旅に 出なければなりません。 この本に感謝します。 (2015年06月25日)

Posted byブクログ

2014/07/12

男性の(というか著者の)セクシャリティについて深く考察した本。私にも共感できる部分が多々あり、男女平等を考えるに新しい視点を見いだせました。

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