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幻坂 の商品レビュー

3.4

52件のお客様レビュー

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2013/07/07

大阪の「天王寺七坂」をモチーフに描かれた幻想短編集。ホラーだけれどあまり怖くはなく、しんみりとする物語が多い印象。 お気に入りは「源聖寺坂」。ホラーかと思いきや、しっかりとミステリ。心霊現象専門探偵の登場もいいなあ。 「口縄坂」も好き。猫好きとしては……ねえ?(笑)

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2013/07/05

+++ 幼い頃、清水坂でよく遊んだ幼いヒナちゃん。不慮の事故で亡くなったヒナちゃんを偲んで、清水坂を通る人に語りかける。坂の傍らにはあのころと同じ、山茶花が咲いています。ーー「清水坂」 作家志望の美咲と愛染坂で会い、恋仲になるが、新作に苦悩する新進作家の私。いつしか二人の関係に亀...

+++ 幼い頃、清水坂でよく遊んだ幼いヒナちゃん。不慮の事故で亡くなったヒナちゃんを偲んで、清水坂を通る人に語りかける。坂の傍らにはあのころと同じ、山茶花が咲いています。ーー「清水坂」 作家志望の美咲と愛染坂で会い、恋仲になるが、新作に苦悩する新進作家の私。いつしか二人の関係に亀裂が入り・・・。亡くなった美咲の四十九日に愛染坂で再び二人は会えるのか…切ない悲恋を描いた「愛染坂」。 七坂を舞台に歴史的因縁や文化的背景を織り交ぜながら、大阪の人々をリアルに叙情的に描いた傑作9編。 傑作と話題沸騰の、大阪で頓死したといわれる芭蕉の最期を怪談に昇華した「枯野」。怪談雑誌『幽』に連載された8篇に加え、難波の夕陽に心奪われた平安時代の歌人・藤原家隆の終焉の地となった「夕陽庵」を悠久の歴史とともに描いた書き下ろし傑作。 +++ 「清水坂」 「愛染坂」 「源聖寺坂」 「口縄坂」 「真言坂」 「天神坂」 「逢坂」 「枯野」 「夕陽庵」 +++ 大阪の天王寺七坂が舞台の少しばかり妖しい物語集である。大阪に抱いているイメージとは全くと言っていいほど違う坂の趣と、そこに流れる不思議な時間と心の動きに、惹きこまれる。坂というのは、違う時間や空間をつなぐものなのではないかと、つい思ってしまいそうになる一冊である。

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2013/07/04

天王寺七坂という起伏の乏しい大阪にあって 希少な坂の街を舞台にした 天王寺七坂にまつわる怪奇譚集。 怖さを追求したホラーではなく、 幽霊や不思議な存在が出てくるが お話的には人情話やふわっとした感覚を味わう ショートストーリーなので 物語性を期待して読むと少し辛い。 物語の舞...

天王寺七坂という起伏の乏しい大阪にあって 希少な坂の街を舞台にした 天王寺七坂にまつわる怪奇譚集。 怖さを追求したホラーではなく、 幽霊や不思議な存在が出てくるが お話的には人情話やふわっとした感覚を味わう ショートストーリーなので 物語性を期待して読むと少し辛い。 物語の舞台になっている天王寺七坂の描写は すごく雰囲気があるので 坂の様子を想像しながら文章を楽しむのが 読み方としてはいいのかも。

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2013/06/25

天王寺七坂がモチーフのホラー短編9編。ホラーと言ってもファンタジー寄りで、恐いお話はありません。大阪にこんな場所があるとはとんと知りませんでした。坂そのものがテーマの7編は良かったのですが、最後の2編が今ひとつだったので★一つ減点。

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2013/06/18
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作者講演会にて購入。大阪「天王寺七坂」を舞台とした9編の物語。 ご本人はホラーだとおっしゃっていたし、分類すれば確かにそうなるだろう…が、怖い話ではない。帯にある「ジェントル・ゴーストストーリー」もうなずける…が、幽霊の話ばかりでもない。 結局、あとがきに書かれている通り、「糸より細い声で大阪が歌っている」街の記憶や夢想を幻視するようにして紡がれた物語、なのだろう。 むやみに読者を怖がらせるだけのホラーや、ご都合主義の幽霊人情話なら、つまらない。でも、この連作短編集は抑制が利いていてよかった。さきに読んだ『乱鴉の島』といい、有栖川有栖の特長はこのストイックさ、上品さにある気がする。 個人的にはかなり気に入ったので、このタイプの作品ももっと書いてほしい。ミステリー作家としての経験は、9編の配列をはじめ作品の構成に生かされていると感じた。

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2013/06/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『清水坂』 『愛染坂』 『源聖寺坂』 『口縄坂』 『真言坂』 『天神坂』 『逢坂』 『枯野』 『夕陽庵』

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2017/11/09

梅雨の中休み・・・真夏のような暑い日が続きましたので、 少し寒い気持ちを味わいたくなって手に取った本です。 幻想怪奇小説を得意とする作者の9つの坂道にまつわる短編集でした。 9つの坂道、しかもそのうち7つは大阪の天王寺区に実在します。 大阪天王寺には「天王寺七坂」と称される7つ...

梅雨の中休み・・・真夏のような暑い日が続きましたので、 少し寒い気持ちを味わいたくなって手に取った本です。 幻想怪奇小説を得意とする作者の9つの坂道にまつわる短編集でした。 9つの坂道、しかもそのうち7つは大阪の天王寺区に実在します。 大阪天王寺には「天王寺七坂」と称される7つの坂道があるそうです。 七つの界隈は寺町を形成して、最も古い大阪の街なのだそうです。 話のタイトルもこの坂道の名前です。 清水坂、愛染坂、源聖寺坂、口縄坂、真言坂、天神坂、逢坂 そして、あと2つ 枯野、夕陽庵 坂道をしんどい思いをして登りきったときや 途中で振り返ったりしたときに、 ふと恐怖を感じることがあるかもしれません。 この作品はどれもその坂道に関連した幽霊や この世のものではないモノのせつない慕情が描かれていました。 怖くない幽霊話とでもいいましょうか。 はかなく物悲しい物語・・・ 幽霊がいても全然怖くない・・・ 本当に幻想怪奇小説というジャンルがピッタリな作品です。 余談ですが、天王寺七坂に行って見たくなりました。 (「行ってみたい」気持ちを込めて「その他」のスタンプつけました)

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2013/05/23

大阪にある「天王寺七坂」を舞台に、怪しげな9つの物語を収録した短編集。 実際にある大阪の天王寺七坂を舞台にしているので、天王寺七坂を知っている人はより楽しめる物語ではないかなと思いました(私は知りませんでしたので、坂についての地理の説明部分はよく分かりませんでした…笑)。 その天...

大阪にある「天王寺七坂」を舞台に、怪しげな9つの物語を収録した短編集。 実際にある大阪の天王寺七坂を舞台にしているので、天王寺七坂を知っている人はより楽しめる物語ではないかなと思いました(私は知りませんでしたので、坂についての地理の説明部分はよく分かりませんでした…笑)。 その天王寺七坂を舞台に、切ない幽霊談やミステリー仕掛けの怪談話、不思議で怪しげな話など、設定も時代もバラエティにとんでいて、どの坂の物語もそれぞれに楽しめる内容となっていました。

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2013/05/22

怪談噺とありますが、少し不思議な物語たちでした。 大阪の町並みが分かっていればもっと感じることが出来たかなあ。 それぞれの場所をゆっくり歩いてみたいと思いました。

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2013/05/20

大阪天王寺七坂を舞台にした怪談集。 「清水坂」「愛染坂」「源聖寺坂」「口縄坂」「真言坂」「天神坂」「逢坂」「枯野」「夕陽庵」の9編収録。 怪談というか、なんというか。 なんとも切ない、しんみりとしたお話たちでした。 つくづく、有栖川さんってロマンチストだなぁ。 怪談というイメ...

大阪天王寺七坂を舞台にした怪談集。 「清水坂」「愛染坂」「源聖寺坂」「口縄坂」「真言坂」「天神坂」「逢坂」「枯野」「夕陽庵」の9編収録。 怪談というか、なんというか。 なんとも切ない、しんみりとしたお話たちでした。 つくづく、有栖川さんってロマンチストだなぁ。 怪談というイメージに一番近いのは「口縄坂」。 さすが!ここでこの謎解きですか!?といった感じで、一番ミステリしていたのは「源聖寺坂」。 抒情的であの光景がとても印象に残った「清水坂」。 まさかの時代小説、しかも翁!な「枯野」。 などなど、バラエティに富んだ短編集で、意外に楽しめました。 ただ、地図が・・・。できれば巻頭にあってほしかったです。

Posted byブクログ