ロジカルな田んぼ の商品レビュー
表題通り田んぼに置ける稲作の"ロジカル"な部分を語っており、作付け面積から取れる量を調整するための肥料の計算したり、雑草を生えさせないための耕す深さを試行錯誤する様など、とても興味深い。 戦後、化学肥料と一律の生産方法によって生産量を倍にした"慣行...
表題通り田んぼに置ける稲作の"ロジカル"な部分を語っており、作付け面積から取れる量を調整するための肥料の計算したり、雑草を生えさせないための耕す深さを試行錯誤する様など、とても興味深い。 戦後、化学肥料と一律の生産方法によって生産量を倍にした"慣行農法"。そしてその慣行農法のアンチテーゼとして生まれた"自然農法"。対になる二つの農法が持っている"大量生産"と"家庭菜園”の良い部分を取り入れ、新たな"農業"を作り出すために試行錯誤する著者の姿勢は、時代の変化に晒される自分にとっても参考になる姿勢だった。 "ロジカル"とはいうものの論理展開が感情に若干流されている部分は感じたが、生産者として自分自身の信念を押し進めるためにはそういう部分も必要なのだとは思う。 大量生産の慣行農法と著者が言う"農業"としての有機農法が両立し、一消費者として選択肢が増えることは素晴らしい事だし、互いに良い部分を吸収し農業が進化していくならば生産者にとっても消費者にとっても利点が大きいと感じた。 事前に読んでいた本だが『銃・病原菌・鉄』や『経済大陸アフリカ』で語られていた大局的な視点での農業と、本作の生産者としての視点の農業を比べてみれたのも個人的に楽しめた。
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タイトルのとおり“ロジカル”な田んぼ。例えば、どれだけの収量をあげるかを一斗缶を用いた“ミニ田んぼ”での実験に基づいて計算し、農薬を使わずに雑草や害虫を無くすために、その発生の仕組みから考察して元から絶つ。そんな著者曰く、“作業のひとつひとつに、すべて意味がある”(102頁)。何...
タイトルのとおり“ロジカル”な田んぼ。例えば、どれだけの収量をあげるかを一斗缶を用いた“ミニ田んぼ”での実験に基づいて計算し、農薬を使わずに雑草や害虫を無くすために、その発生の仕組みから考察して元から絶つ。そんな著者曰く、“作業のひとつひとつに、すべて意味がある”(102頁)。何事においても、考えるって大切だなと再認識させられる。面白い。
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化学と生物と算盤勘定とをフル稼働して著者が有機農法に取り組むさまが興味深い しかしそれ以上に「友達の面接についていって、なんとなく」で就職できたり、「実習助手に欠員が出たけど、来ないか」と声がかかったり、海外協力隊帰りでポロっと就職できたりできた80年代後半が羨ましいなという感...
化学と生物と算盤勘定とをフル稼働して著者が有機農法に取り組むさまが興味深い しかしそれ以上に「友達の面接についていって、なんとなく」で就職できたり、「実習助手に欠員が出たけど、来ないか」と声がかかったり、海外協力隊帰りでポロっと就職できたりできた80年代後半が羨ましいなという感想が先に出てしまった(本筋ではないが
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