スメルズライクグリーンスピリット SIDE:B の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
2巻とも表紙の二人がカップルじゃなく友達同士だということに、読後も驚く。主人公の三島は最終的に夢野と恋人同士になってるけど、あくまで三島と桐野の友情を主軸にしているのがとても面白いです。 いじめや教師の暴力など、重い部分も過度に深刻に描かず、コミカルに運んでいたりするんですが、それがかえってリアルだと思う。人間って苦しい中でもヘラヘラ笑えたりするから悲しい。 とはいえ、ありのままの自分を否定されることが、いかにその人の魂を傷つけているかは、主人公たちがときどき見せる暗い表情から感じられる。実際に自殺を考えるような描写はないのに、いつそこに転んでもおかしくない深い闇が、すぐそこに見えました。 セクシャリティっていうのは、生まれついてのものでもあるけど、表に出てくるのはあくまで「生き方」。親やほかのどうにもならない理由で、諦めざるをえないときもある。それを選ぶか否か。中学生で決めなきゃいけないのは本当に酷だと思うけれど、遅かれ早かれ人間は誰しも、どこかで生き方を選ばなければいけないときがくるもの。だから共感できる。 そのうちにこういうBL作品をファン向けじゃなく一般向けに映画化するような社会になってほしい。 手に取ったきっかけが『BL進化論』の解説なので、真面目にすごい!と思いつつ読みましたが、もちろんそれだけじゃなく、萌えもたくさんあります。桐野みたいなイケメンがアタシ口調というのは一粒で二度おいしいし、夢野が一途でかっこいい。そんな二人が必死で美少年の三島を助けに来るシーンも画的にとても魅力的です。 桐野と三島が町に帰るシーンは、きっと何度読んでも泣いてしまう。青春のほろ苦さが胸に広がる作品でした。
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すんんんんんんんんごいよかった。すごくよかった。BLなのかわからないけどものすごくよかった。初めて気持ちを分け合った唯一無二の存在と道を分かつことの辛さや覚悟を思うと本当につらい。それどころか、それがイコール桐野自身による桐野との別離でもあるとか、本気でつらい。なのに、今まで読ん...
すんんんんんんんんごいよかった。すごくよかった。BLなのかわからないけどものすごくよかった。初めて気持ちを分け合った唯一無二の存在と道を分かつことの辛さや覚悟を思うと本当につらい。それどころか、それがイコール桐野自身による桐野との別離でもあるとか、本気でつらい。なのに、今まで読んできたどの青春の話よりも眩しかった。がんばれと叫ぶコマ、桃源郷にいけなかったのに、別れなのに、キラキラキラキラ…… 読めて本当によかった。満喫で読んだけど買おうとおもう。
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もう二度と交じり合わないの時点で心が折れて夢野に救われて夢野お前……信じてたよ……ってなるボーイズラブ。ボーイズラブに見えてボーイズラブだけじゃないボーイズラブ。柳田先生はアメリカに渡って不幸になったらいいし、桐野と三島と夢野が三人でお酒飲んだりして、夢野が途中で潰れて、そうい...
もう二度と交じり合わないの時点で心が折れて夢野に救われて夢野お前……信じてたよ……ってなるボーイズラブ。ボーイズラブに見えてボーイズラブだけじゃないボーイズラブ。柳田先生はアメリカに渡って不幸になったらいいし、桐野と三島と夢野が三人でお酒飲んだりして、夢野が途中で潰れて、そういう未来が来ればいいなって思う話。夏って嫌な思い出しかないのに、こんな漫画を読んでしまうと、憧れずにいられなくなる話。 母親は偉大である!
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女装が好き、オトコが好き、 それは口に出来ない一夏の秘密。 大人が泣けるゲイ男子の青春。 女装に興味がある、同性が好き、人とはどこか違う…口に出来なかった悩みを打ち明ける事でクラスのいじめられっ子だった三島といじめっ子だった桐野は固い絆で結ばれていた。 休み時間の屋上で語...
女装が好き、オトコが好き、 それは口に出来ない一夏の秘密。 大人が泣けるゲイ男子の青春。 女装に興味がある、同性が好き、人とはどこか違う…口に出来なかった悩みを打ち明ける事でクラスのいじめられっ子だった三島といじめっ子だった桐野は固い絆で結ばれていた。 休み時間の屋上で語られる2人だけの夢物語は現実の息苦しさを忘れさせてくれる唯一の居場所になる。しかしそんな束の間の平和も、三島が社会科の教師・柳田(ルビ:やなぎだ)に目をつけられてしまった事からガラガラと崩れ始める。 小さな田舎町に駆け巡るウワサや息子へ多大な期待を寄せる母の想い、その全てと対峙しながら三島と桐野、2人が導きだす答えとは――。 人は幸せになる為に、何を置き去りにしなければならないのか…誰しもが人生で向き合う葛藤に挑む少年達の姿がグサリ、グサリと心を突き刺す。 (出版社より)
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SIDE:Aから夢中で読みました。何度読んでも彼らのストーリーは同じなのに、もう1度・・もう1度と確認するようにA・B読み返してしまいます。大切にします。
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まさかこういうラストとはなぁ…とじーんときた。 人生を描いている、本当にすごい漫画。 桐野の選択した生き方も、 夢野の葛藤も、 三島のいじらしさも皆それぞれ 悩んで掴んだものなのだなぁと思う。 ずっと大切にしたいコミックス。
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BLの世界に飛び込む前にまず読んでおきたいと思っていた作品。三島と桐野と夢野、それぞれに家族がいて彼らに対する見方も全く異なっていている。BLはファンタジーっていう言葉を聞いたことがあるけど、これは本当にリアルだと思った。周りの反応や彼等の中での葛藤だったり。最初は桐野の本性にち...
BLの世界に飛び込む前にまず読んでおきたいと思っていた作品。三島と桐野と夢野、それぞれに家族がいて彼らに対する見方も全く異なっていている。BLはファンタジーっていう言葉を聞いたことがあるけど、これは本当にリアルだと思った。周りの反応や彼等の中での葛藤だったり。最初は桐野の本性にちょっと驚いたり、独特の表現について行けるか心配だったけどSIDE Bまで読んでこの作品に出会えて良かったと満足できた。てっきり三島と桐野は一緒になるのかと思っていたけど、桐野が選んだ選択肢も現実的というかそれを含めてこの作品の良さなのかも。夢野のキャラが好きだった。
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フトシは母親と向き合うことが出来て桐野は母ちゃんの為に自分を封印、夢野は精一杯理解しようと勉強する それぞれ前に進んでいく過程が感慨深かった 柳田も過去がだいぶ闇なので一概に悪としては見れなかったなぁ〜
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※このレビューにはネタバレを含みます
大作ドキュメント映画を見終わったかのように、しばらくこの世界観から抜け出せない。当事者たちの独白を傍聴してきたかのように、彼らと密な空間を共有できた。そしてラストに向けての収拾の仕方が恐いくらい美しくて…。内容については、深すぎて語彙の足りない自分では説明できない。 ただ攻撃的で破壊力のある表現力に怖じ気づかず2冊とも読み終わって良かったと思う。
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嫌なやつがいない漫画でした。 柳田や桐野父母、そこらのおばさんとか、決して褒められるばかりの人間ではないが、最終的には皆愛せた。 特に主人公2人の母は、最初の対応は対極でしたが、息子を愛している気持ちは同じだよね。どちらかというと、桐野母の受け入れ方に泣いた。 それに対する桐...
嫌なやつがいない漫画でした。 柳田や桐野父母、そこらのおばさんとか、決して褒められるばかりの人間ではないが、最終的には皆愛せた。 特に主人公2人の母は、最初の対応は対極でしたが、息子を愛している気持ちは同じだよね。どちらかというと、桐野母の受け入れ方に泣いた。 それに対する桐野の選択にも泣いた。 ラストまでいくと、悪役だった柳田の見方も変わってくる。一歩間違えば桐野もああなっていたかもしれない。むしろ未来の姿かもしれない。そう考えると、何もわかっていないクソガキ死ね発言も切なくなる…
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