1,800円以上の注文で送料無料

スメルズライクグリーンスピリット SIDE:B の商品レビュー

4.6

40件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

    4

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2014/01/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これで完結ですが、泣けます。 本当、胸が苦しい。 この話はBLだというのに、フトシと夢野のカプよりも、フトシと桐野の関係の方が好きです。 桃源郷を目指して、辿り着けなかった二人。 桐野のパンドラの箱は閉じられ二度と開く事はなかったけれど、たった一瞬でもあの時期を二人で過ごせただけでも幸せだったのかもしれません。 先生もオカルトっぽくて気持ち悪かったけれど、過去を考えると切ないですなあ。 フトシのお母さんが本当に素敵で、こういう親ばかりだったら楽しく生きられるのになあと思います。(桐野だけでなく、我が家も振り返りつつ)

Posted byブクログ

2020/03/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

▼あらすじ 女装に興味がある、同性が好き、人とはどこか違う…口に出来なかった悩みを打ち明ける事でクラスのいじめられっ子だった三島といじめっ子だった桐野は固い絆で結ばれていた。 休み時間の屋上で語られる2人だけの夢物語は現実の息苦しさを忘れさせてくれる唯一の居場所になる。しかしそんな束の間の平和も、三島が社会科の教師・柳田(ルビ:やなぎだ)に目をつけられてしまった事からガラガラと崩れ始める。 小さな田舎町に駆け巡るウワサや息子へ多大な期待を寄せる母の想い、その全てと対峙しながら三島と桐野、2人が導きだす答えとは――。 人は幸せになる為に、何を置き去りにしなければならないのか…誰しもが人生で向き合う葛藤に挑む少年達の姿がグサリ、グサリと心を突き刺す。 *** SIDE:Aはギャグ要素が比較的多くてクスッとなる部分が多かったり、かと思えば男前でイケメンな桐野がまさかあんなキャラだったとは思わず凄まじい衝撃を受けたり…。 (表紙を見て三島と桐野がくっつくのだろうと予想していたので…笑) そして後半は柳田の暴走に恐怖したりと嵐のように目紛しく変わっていく展開に読んでいて「何だこの漫画は…!!??」と何度も思いました。 柳田のあの狂気じみた笑顔や言動が本当に怖かった…! BLでここまでゾッとしたのは初めてかもしれません。 SIDE:Bはまた展開がぐるぐると変わり…最後は「えっ!?こんな終わり方!?」って感じです。 とりあえず一言。切ないっ…! SIDE:Aを読んだ時はまさかこんな切ない終わり方をする作品だとは思ってもみなかったです。 桐野が目に涙を浮かべて「楽しかったねぇ…」と呟く部分は読んでいて本当に胸が締め付けられました。 三島も夢野も桐野も、凄くカッコ良く成長したけど…最後、アキアカネを瞳に映した桐野の姿がただただ切なくて。 彼は一体何を思っていたんだろうと。誰にも分からないからこそ悲しくて。 いつか桐野の母親が居なくなった時、桐野が自分にとって本当の幸せを掴んでくれたらと願わずにはいられません。 そうなった時は…難しいかもしれないけど、奥さんも子供も桐野の事を理解して欲しいです。 「このBLがやばい!2014年度版」ランキング7位という作品なだけあって凄く引き込まれる作品だとは思うのですが最後の方は駆け足で一気に終わってしまったのが残念。 三島と夢野がくっ付いた直後のお話など見たかったのですが…うーん……。 エロは少ないのでBL初心者さんや切ない青春系のお話が好きな方にお勧めしたいです。

Posted byブクログ

2013/12/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『このBLがやばい!2014年度版』第7位 何が一番こわいって田舎のおばちゃんのあっという間に流れていく噂ね。 フトシ母かっこよすぎて惚れる… 桐野も三島も親に受け入れてもらったけれど進む道はちがうってわかったところでぐっときた。 それにしても夢野いい男に育ちましたね~////

Posted byブクログ

2013/11/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いきなり冒頭よりホラーちっく展開。鬼気迫るものがある柳田ですが、彼もまた理性を保つことができないほど限界ギリギリまで追い詰められていたのかと思うと、複雑な気持ちになります。 パンドラの箱…開けたら最後と言うのがすごくわかる言い回しです。 柳田の魔の手から三島を救い出したのは、桐野とそしてなんと夢野! 夢野は好きな子をいじめちゃう王道パターンだったらしい。好きだと自覚したのはいいけれど、深く考えもせずに男の三島に恋心を抱いてしまった夢野のツケは当然大きくて。 そこからの三人三様の在り方がすごかった。 ド田舎だから、噂もすぐに尾ひれ背びれがついて広まってしまうのですが、それに対するそれぞれの母親の反応がこうも違うものかと思わされます。 三島の母親は強かった。息子にとっての幸せが何であるか理解できる人。世間体なんかよりも本人の気持ちを一番に考えてる。 桐野のところは正反対でしたね。むしろ、桐野の方が母親の幸せを一生懸命に考えている。それは、母親がずっと辛い思いをして苦しんできたのをよく知っているから。溺愛されてきたのもわかってる。とても優しい心の持ち主です。 夢野は、お母さんに背中を押されて三島のことを男だけど好き、とやっと認識することができたような。ここの母親は心が広いですね。おおらか。 どの母親も自分なりに子供のことをとても愛しているんだなと、しみじみ。 家出シーンは、青春のキラキラと危なっかしさがいっしょくたになって、すごく印象的でした。胸がキュンとなる。「楽しかったねぇ…」という桐野の一言が胸に痛くて痛くて。二人が別れるところでは涙が止まりませんでした。同じ道は歩くことができなかったふたり。 どちらの選択も間違っていなかったと思います。三島のように自分らしく生きることも、桐野のように家族の幸せを考えて生きることも、どちらも悪くないです。桐野は母親の犠牲になったわけじゃなく、自分でしっかり選び取っているところに「強さ」を感じます。 映画の「モーリス」を思い出しました。結婚したクライブが、自由に生きるモーリスを思いながら誰もいない窓の外を眺めるシーンが切なかった映画です。最後の桐野の瞳が切なかったです… 現実的には桐野のような生き方をするゲイが一番多いはず。だからこそ、彼の幸せを祈らずにはいられません。決して柳田のように壊れてほしくないです。 一方で、三島と夢野がうまくいってるのがわかってよかったです。夢野がものすごく成長してびっくりするくらいイイ男に!三島のおかげですね。 BLというよりは、ジェンダーものとしてとらえたい良作です。

Posted byブクログ

2013/11/18

正直、後半こんなに切なくなるとは思わなかった。 悩みを抱えている人の悩みを完璧に"理解する"ことはできなくても、 その人のことを"理解したい"と思う気持ちが相手に伝われば、きっとその人も少しは心が軽くなると思う。そのシーンで一番泣いた。 ...

正直、後半こんなに切なくなるとは思わなかった。 悩みを抱えている人の悩みを完璧に"理解する"ことはできなくても、 その人のことを"理解したい"と思う気持ちが相手に伝われば、きっとその人も少しは心が軽くなると思う。そのシーンで一番泣いた。 しかし辛くとも、本当の自分を隠して生きていく桐乃は男らしいと思いました。 番外編は少年時代の先生が見れますよ。

Posted byブクログ

2015/01/26

ギャグも入ってて、少し狂気じみてて、でもシリアスで面白かった! 息子陣みんな母親想いのいい子で、幸せであればいいなと思いました。太い志とか、三島くんかっこいいわ。 長い目で見て「正解」は誰にも分からないけど、自分で選んだってことが大切なんだろう。気づけば異質を自覚して幼いままでは...

ギャグも入ってて、少し狂気じみてて、でもシリアスで面白かった! 息子陣みんな母親想いのいい子で、幸せであればいいなと思いました。太い志とか、三島くんかっこいいわ。 長い目で見て「正解」は誰にも分からないけど、自分で選んだってことが大切なんだろう。気づけば異質を自覚して幼いままではいれなくて、優しいからこそ敏感になって、まだ少年と呼ばれる時期に特に、親の存在って大きい。柳田先生、失礼だけど同情せざるを得ない…。

Posted byブクログ

2013/11/05

まだ未成熟で可能性にあふれた子どもの一生を決めるのは、おそらくほんの些細なもの。 たったひと夏のひとときに築いた情。 母親のたったひとつの言葉。 不確かな未来を選択するときの周囲の環境。 桐野くんが父親との電話を終えた後の表情と、ラストで赤とんぼを見る瞳が印象的でした。 大切な人...

まだ未成熟で可能性にあふれた子どもの一生を決めるのは、おそらくほんの些細なもの。 たったひと夏のひとときに築いた情。 母親のたったひとつの言葉。 不確かな未来を選択するときの周囲の環境。 桐野くんが父親との電話を終えた後の表情と、ラストで赤とんぼを見る瞳が印象的でした。 大切な人と自分のために選択した道が正しいのか正しくないのか、大人になっても結局わからないままで、それでも桐野くんが幸せであれば良い。 (主人公は多分、三島くんのはずなのに、なぜか桐野くんのしあわせが一番気になります、しあわせであれ!切実に!)

Posted byブクログ

2013/08/25

作者さんが、人間の狂気じみているところを描くのがうまいな、と思った。必死になっている人間、踏みつぶされそうになる人間の、狂気じみたところを。 そして、自分たちが生きていく上でのしがらみの強さ、煩わしさ。愛おしさと同居する憎しみとか、そういうものがデフォルメされて絵から伝わってくる...

作者さんが、人間の狂気じみているところを描くのがうまいな、と思った。必死になっている人間、踏みつぶされそうになる人間の、狂気じみたところを。 そして、自分たちが生きていく上でのしがらみの強さ、煩わしさ。愛おしさと同居する憎しみとか、そういうものがデフォルメされて絵から伝わってくるような気がした。 結局ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、色んな見方があるとは思うけど、それぞれがそれぞれなりに出した答えを持って、信じて生きていくっていうのが、尊いことでそれは誰にも否定されるべきではないと思った。 三人の男の子が歩む、三つの道が幸多からんことを、と、願わずにはいられない話でした。

Posted byブクログ

2013/07/10

久々に良い作品読んだなって感じられた作品。 BLって話が薄い作品が多い気がするけど、これは読んでいて、自分の生き方を自由に選べたら良いけどそうはいかないって事とか、自分らしく生きることが幸せなのか、自分の気持ちにそっと蓋をして誰かの幸せを願うのか、何が幸せかは人それぞれだって事...

久々に良い作品読んだなって感じられた作品。 BLって話が薄い作品が多い気がするけど、これは読んでいて、自分の生き方を自由に選べたら良いけどそうはいかないって事とか、自分らしく生きることが幸せなのか、自分の気持ちにそっと蓋をして誰かの幸せを願うのか、何が幸せかは人それぞれだって事とか色々考えさせられた。 あと三島が可愛すぎて、途中から女の子にしか見えなくなった。笑

Posted byブクログ

2013/06/11

これは同志がどうしても袂を分かたなければならない、そんな物語だった。SIDE:Bに入った途端に頭の中から、いつもBLを読む時に抱く期待とか欲望とか吹っ飛んでた。そんなモノ必要なく読んでしまった…素晴らしい!!ある意味、BLのご都合主義・ハッピーエンド信仰を拭い去ってますよね、帯の...

これは同志がどうしても袂を分かたなければならない、そんな物語だった。SIDE:Bに入った途端に頭の中から、いつもBLを読む時に抱く期待とか欲望とか吹っ飛んでた。そんなモノ必要なく読んでしまった…素晴らしい!!ある意味、BLのご都合主義・ハッピーエンド信仰を拭い去ってますよね、帯の「オトナが泣けるゲイ男子の青春」、正にそうだな、って。三島は最初から強い精神力を持っていて、彼の挫折と再生の物語でもないですし。ひと夏だけ繋がった友情のお話として完成している。正に「さらば、青春の光」と言う物語だった『スメルズライクグリーンスピリット』。読んだ後寝ながら、銀河鉄道999のあの最終回のナレーションが聴こえて来てしょうがなかった。一瞬光って、そのまま光り続ける事が出来ないから素晴らしく美しい…誰の心の中にもある一瞬の煌めき。私自身は、桐野のように愛する母の為に「普通」の道も行けなかったし、三島のように自分の心のままに動く事も出来なかったなー、と昔を思い出してしまった。柳田の性癖は仕方ないけども、大人の男と恋愛関係を結べていたら普通のゲイの男になれる可能性もないだろうか、と。三島くんが同情したのも、自分のセクシャリティーをひた隠しにしなければならん先生の闇が見えたからだろうし。三島くんはこう言う面でも強いから優しくなれる…三島くんに受け入れてもらえれば自分は救われると言うのはどう見ても柳田の身勝手な要求でしかないが、柳田先生以外の、同じ様な境遇になりそうな男の子たちの親は、皆イイ人と言うのではなくて、子供を個人として考えて、答えを押しつけるんじゃなくて子供に聴いて確認させている、と言う部分が段違いだった気がする。一番信じて貰いたいのはまず肉親であって欲しい、と誰もが思っている、それだけのことだったんだろうなぁ。再読してまた色々考えたいが、BLらしいハッピーエンドだったかと言うと、違うと思う。途中でBLどかどうでもよくなって読んでたのもそれが大きな要因になっている。三島は「女装」が好きな自分もゲイである自分も獲得して大人になったが、彼本来の性癖から求めるタイプは「毛深いガチムチ系」で、夢野ではなかっただろう。夢野も、三島に恋をしていながら、彼の自分と同じ性器を目にした途端に夢から一度は醒めている。桐野はオネェな自分を開放するよりも愛している母親の普通の幸せを選択し、本当の自分を解放しない道を選んだ。「夢に見る幸せ」=「桃源郷」へ、誰も辿り着いてない。何もかもが好転しハッピーエンドを迎えている訳ではないけれど一読してこの作品が素晴らしいと感じられたのは、ギャグと言うモノに「非日常」的に捉えてしまい、これが過剰なフィクションである、と言う風に思えない非過剰さで描かれた物語だったからじゃないか、と思った。幸せを演出する為の「過剰さ」が一切ない。過酷で被害者を被害者たらしめる執拗ないじめの描写でもなく…。そして、決して三島くんの挫折と再生の物語ではない、と言う所。三島くんの母親の存在感抜きに彼の強さは語れないが、総て母のお陰ではなく、三島くん自身が獲得した部分も大きく、同情や共感を呼ぶような作品ではなくて、「秘密の友達」と言う、誰の過去にも一度くらいはあったであろう、あの、甘酸っぱい、やっぱり「青春の光」の物語なんだろうな、と思った。Bの方も、表紙がフェイクになっていると思う。三島と手を繋いでいるのは夢野ではなくて桐野だよね?この表紙を見ても、これが単に男の子同士の恋愛モノであるBLではないのが解る。三島になりたかった桐野の姿だろうなぁ、と。 BLと言うジャンルに入ってて全然構わないんだけど、通常BLで描かれる面とは違う角度から描いていて、改めて凄いなー、って思った。BLで読みたいものの別の扉が開いた感触!!

Posted byブクログ