憲法の創造力 の商品レビュー
実際の判決内容を記載し、それに対する筆者の理論を記載されているが内容がわかりやすい。 こういった裁判の内容は無意識に難しいものだと思い避けていたが、筆者の説明を読み一つ一つ読み解いていけば理解することができた。 又、憲法によって保証されているあらゆる権利についてもよく説明がなされ...
実際の判決内容を記載し、それに対する筆者の理論を記載されているが内容がわかりやすい。 こういった裁判の内容は無意識に難しいものだと思い避けていたが、筆者の説明を読み一つ一つ読み解いていけば理解することができた。 又、憲法によって保証されているあらゆる権利についてもよく説明がなされており、本を読む前とその後では権利に対する認識が大きく変わった。
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やっぱりファンになれる(以下略)。 楽しい。わりと初期の本のせいか、前はこう考えてたけど違うことに気づいた、とか、この文を読んでこう考え直した、とかいう木村先生自身の勉強とか思索の痕跡が有体に描かれてて面白い。 身近にいそうで、いたら敬して遠ざける面倒臭い理屈屋臭が素晴らしい。楽しい。
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日本国憲法についてわかりやすく述べられている。 憲法全般を扱うというよりも、いくつかのテーマに沿って憲法と照らして解説するといった内容。 判例なども豊富に紹介されていて、法律家の思考で憲法を学ぶことができる。
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気鋭の憲法学者として、平安法制くらいのころからTVなどで見かけるようになったと記憶している。 生存権、1票の格差政教分離、9条、裁判員制度、公務員の政治的中立などの憲法上のメインの論点について、判例を批判的に検討して、護憲的立場から、憲法を護りつつ、その解釈とかによって、社会をも...
気鋭の憲法学者として、平安法制くらいのころからTVなどで見かけるようになったと記憶している。 生存権、1票の格差政教分離、9条、裁判員制度、公務員の政治的中立などの憲法上のメインの論点について、判例を批判的に検討して、護憲的立場から、憲法を護りつつ、その解釈とかによって、社会をもっとよりよくしていこうというアプローチをとっている。 各論点の結論はともかく、著者の判例をみる切り口は面白いものが多かったな。
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現在の日本国憲法に基づいた本書の論理展開は、一定の評価はできるものの、それによる結果が国家を滅ぼすことになっても、それを是とするような提言は、まさに専門バカ。タイトルに「創造力」とあるだけに、今の日本国憲法を守るとどのようなことになるか(つまりこれが、国を創る力=創造力)について...
現在の日本国憲法に基づいた本書の論理展開は、一定の評価はできるものの、それによる結果が国家を滅ぼすことになっても、それを是とするような提言は、まさに専門バカ。タイトルに「創造力」とあるだけに、今の日本国憲法を守るとどのようなことになるか(つまりこれが、国を創る力=創造力)について、まともな議論を期待したのだが、全くの期待外れ。
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憲法を創造的に応用するということは、憲法の規定を機械的・量的に解釈するのではなく、その規定の意義や目的(憲法はわれわれに何を要求しているか?)を達成するための方策を「質的に」考えなければならないということ。 第1章 君が代不起立問題を題材に、法律や命令の目的と手段のバランス関係...
憲法を創造的に応用するということは、憲法の規定を機械的・量的に解釈するのではなく、その規定の意義や目的(憲法はわれわれに何を要求しているか?)を達成するための方策を「質的に」考えなければならないということ。 第1章 君が代不起立問題を題材に、法律や命令の目的と手段のバランス関係を論じる。法令の目的を達成するために、他のよりよい手段は考えられなかったか?いわゆるLRAの原則。 第2章 一票の格差問題を題材に、政治問題の「正解」を発見するための多様な人物の参加と、みんなが納得して従うことのできる「正統性」のある決定を下すことの重要性を説く。 第3章 裁判員制度を題材に、国民の権利の制限は何と引き換え(公共の利益)なら許されるかを論じる。公共の利益いかんによっては合憲にも違憲にもなりうる。いわゆる比較衡量。 第4章 日本人独特の宗教観の問題を取り上げ、政教分離の問題に警鐘を鳴らす。無宗教を装った「日本的多神教」は国家権力にとって利用しやすい「宗教」であることを日本人は自覚しなければならない。 第5章 仮設住宅が孕む問題を紹介し、保証されなければならない生存権の内容を検討する。社会保障は「生きていくための最低限」という量的な側面だけではなく、他者との交流が人間の尊厳にとって重要であるということを十分に考慮した保障が必要である。 第6章 公務員の政治的行為がなぜ「問題」とされてきたのかを吟味し、これまでの判例を批判する。勤務外の政治的行為の規制は、公務員の職務の中立性にただちに影響を及ぼすものではないし、仮に政治的偏向によって公務員としての職務に及ぼしているならば、懲戒や刑罰などの制裁を受けるので、事前的予防は過剰規制である。政策を形成する公務員組織には、むしろ各職員がさまざまな思想をもっているという意味での「多様性」こそ必要である。 この章は特にウンウンと頷きながら読んだ。
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憲法学の若手エースが書いています。憲法に関して聖☆おにいさんやクイズ$ミリオネアなどのとっつきやすい話題でわかりやすく説明しているので読み物としても面白いです。
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1票の格差や政教分離など,憲法に関連する論点について,木村草太がわかりやすく解説している。もっと詳しく知りたい人のために参考となる本を薦めてくれているのもうれしい。
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最高裁や学説で用いられる抽象的な用語を具体的なレベルに落とし込んで説明されていてとても分かり易かった。
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<目次> はしがき 憲法を創る 序章 憲法とは何か? 第1章 君が代不起立問題の視点ーなぜ式典で国歌を 斉唱するのか? 第2章 一人一票だとどんな良いことがあるのかーク イズミリオネアとアシモフのロボット 第3章 最高裁判所は国民をナメているの...
<目次> はしがき 憲法を創る 序章 憲法とは何か? 第1章 君が代不起立問題の視点ーなぜ式典で国歌を 斉唱するのか? 第2章 一人一票だとどんな良いことがあるのかーク イズミリオネアとアシモフのロボット 第3章 最高裁判所は国民をナメているのか?-裁判 員制度合憲の条件 第4章 日本的多神教と政教分離ー一年は初詣に始ま りクリスマスに終わる 第5章 生存権保障の三つのステップー憲法25条1 項を本気で考える 第6章 公務員の政治的行為の何が悪いのか?-国 民のシンライという偏見・差別 終章 憲法9条の創造力 文献案内 <内容> 実際の憲法問題の判決を基に、「憲法とは何か?」を問うた本。若き憲法学者の意気込みが伝わる良本。第9条の問題は別の本にあるが、政教分離や公務員の政治行為、憲法25条の「社会権」、そして裁判員制度、その良心による鋭い分析が見事である。
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