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オープンサイエンス革命 の商品レビュー

4.1

20件のお客様レビュー

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2022/07/23

この本のいうところの「オープンサイエンス革命」とは、「(オンラインの)集合知」をうまく組み合わせ、新しい発見を創造することである。 「科学的」でないもので、「集合知」が一番身近に感じられるものを挙げるとすれば、それは「Wikipedia」だろう。 あらゆる検索に耐えるほどの、...

この本のいうところの「オープンサイエンス革命」とは、「(オンラインの)集合知」をうまく組み合わせ、新しい発見を創造することである。 「科学的」でないもので、「集合知」が一番身近に感じられるものを挙げるとすれば、それは「Wikipedia」だろう。 あらゆる検索に耐えるほどの、膨大な記事。黎明期は、引用元が不明で「使えない」内容のものが多くあったが、現在では「Wikipedia」で調べることに抵抗を持つことがどんどんなくなってきている。 この本で取り上げられているような「ボリマスプロジェクト(数学の難題の解決)」「カスパロフvsワールド(チェスの試合)」とこの「Wikipedia」に共通することは、「集合知」をいかにうまく使うか、ということに収束するように思える。 「三人寄れば文殊の知恵」という諺があるけれども、人数が多ければ多いほど、当然まとまりは無くなる。ではそうした場面でどうするか。 その一つの答えは、それぞれが輝く場を与えることだ。この本では「ミクロ専門知識の注意をうまくコントロールすること」として書かれている。 AIなどの、「集合知」も混ざり合う現代で、こうした思考ツールをいかにうまく使うか。「知識の無駄遣い」をしないためにはどうするべきか。 今一度ルールを見直すことが必要であると感じました。

Posted byブクログ

2021/10/26

☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆ http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB12082218

Posted byブクログ

2021/09/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

☆最初の科学雑誌も寄稿をお願いした。アイデア・論文を公にするメリットがないとだれもやらない。科学(量子科学)のwikiはほぼ失敗に終わり、だれも投稿しない状態だ。それでも、オープンサイエンス革命は起こる。 (推薦図書) 1.集合知 As We May Think, Bush 1945 Augmenting human intellect, Engelbart, 1962 literary machines ,nelson 1987 コンピュータ・通信 Simon the attention economy and the net, goldhaber, 1997 多様な意見はなぜ正しいのか page the use of knowledge in society, hayek cognitive in the wild, hutchins, 1995 collective intelligence ,levy, 1997 collective intelligence, tovey networks, crowds, and markets, easley ネット・バカ 2.オープンソース githubをすすめる the success of open source,weber 伽藍とバザール www.catb.org/~esr/writings/cathedral-bazaar/cathedral-bazaar/ coae's penguins, or, Linux and the nature of the firm, benkler the wealth of netwoks, benkler 3.集合知の限界 infotopia: how many minds produce knowledge, sunstein みんなの意見は案外正しい 狂気とバブル mackay groupthink: psychologica studies of policy decisions and flascoes,janis 4.ネットワーク化された科学一般 hypertext pulishing and the evolution of knowledge, drexier 5.データドリブン・サイエンス the fourth paradigm: data-intensive scientific discovery, gray http://research.microsoft.com/en-us/collaboration/fourthparadigm the unreasonable effectiveness of data, halevy how to write a spelling corector http://norvig.com/spell-correct.html 集合知プログラミング segaran 6.科学の民主化と市民科学 民主化するイノベーションの時代 hippel open innovation, chesbrough みんな集まれ shirky http://www.shirky.com/herecomseverybody/2008/04/lookin-for-the-mouse.html 7.オープンサイエンス http://www.earlham.edu/~peters/hometoc.htnml http://cameronneylon.net twitter open science http://sciencecommons.org/ http://sciencecommons.jp/ http://okfn.org http://okfn.jp/

Posted byブクログ

2020/11/23

ケンブリッジ大学の数学者ティム・ガワーズは、ある数学の未解決の問題を自分のブログを使って解くことにした。アイディアや進捗状況をブログに公開し、読者から自由な議論やアイディアを募ったのだ。 公開後、しばらくしてある大学の数学者から投稿が入り、次にアメリカの高校の数学教師からアイデ...

ケンブリッジ大学の数学者ティム・ガワーズは、ある数学の未解決の問題を自分のブログを使って解くことにした。アイディアや進捗状況をブログに公開し、読者から自由な議論やアイディアを募ったのだ。 公開後、しばらくしてある大学の数学者から投稿が入り、次にアメリカの高校の数学教師からアイディアが出される。するとその後投稿が爆発的に増加し、さまざまなアイディアの検討と議論を経て、徐々に問題が解明されて行く。最初の投稿から37日後、ガワーズはもとの問題だけでなく、それを特殊ケースとして含むより困難な問題を解決したと報告する。 オンライン上でのマスコラボレーションは強力な問題解決ツールとなる。それは科学の発見方法の革命であり、科学の爆発的な発展を促すだけでなく、研究や発見のあり方まで変えてしまう、というのが本書のテーマである。 本書は大きく2部構成に分かれている。なぜ、オンラインのマスコラボレーションは問題解決に役立つのか?それを集合知の活用という観点から掘り下げたのが第1部。とてもよくまとまっているので、マスコラボレーションを実際に実施していく上で役に立つだろう。 一方、第2部は研究の世界に焦点を当て、マスコラボレーションを「オープンサイエンス」としてどう広めていくかについて議論している(著者はもともと物理学の研究者)。基本的には研究の世界の話だが、制度や個々人の利害がオープンサイエンスの成否にどう関わっているか、丁寧に考察されているので、門外漢でも参考になる。 本書の魅力の一つは、上述のガワーズの例だけでなく、チェス愛好家が投票で指し手を決める方法で当代最高のチェスの名人と互角に渡り合った「カスパロフ対ワールド」戦や、公開された天体観測データから一般市民が新たな天体を発見した「スローンデジタルスカイサーベイ」プロジェクトなど、さまざまな成功事例が紹介されている点にある。それぞれがどういう経過をたどり、どのように成功に至ったかが詳細に記されており、読み物として楽しいだけでなく、集合知活用の事例研究のように読むこともできるだろう。

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2019/06/12

科学技術におけるオープン化 の流れと課題、そして未来について語られている。 科学者が凌ぎをけずる世界でさえ、オープン化することで、想像以上の可能性とそこから生じる問題が、いろんなプロジェクトを通して感じられる。ただ、この流れは今後続くと思うので、科学者のみならず必見の一冊。

Posted byブクログ

2018/11/23

科学のオンラインのコラボレーションのよる集合的知識、集合的問題解決 必要とされるシステムの条件、モジュール化の要件など 科学の研究のオープン化に関しては如何に研究者にオープン化のインセンティブを与えるかが重要

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2016/11/12

集合行為問題「『誰もがすべきだ』と考えている人でも、『他に誰もする人がいなくても、私一人でもすべきだ』と思っているとは限らない」。なるほどな、と。

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2016/03/26

前から読まないとなあとは思いつつも、まあ知っている話が中心なので、いいかと思っていた本。 とある講演をするにあたって、自分の主観や記憶だよりではなくソースを持って話をせんといかんなあとか、シチズンサイエンスやらゲノム絡みとの話もしておくかあ、という時に典拠に使うために読んだ。 そ...

前から読まないとなあとは思いつつも、まあ知っている話が中心なので、いいかと思っていた本。 とある講演をするにあたって、自分の主観や記憶だよりではなくソースを持って話をせんといかんなあとか、シチズンサイエンスやらゲノム絡みとの話もしておくかあ、という時に典拠に使うために読んだ。 そういう使い方に(自分で再整理し直すのはめんどいはなしにソースを持ってくるときに)向いている本。

Posted byブクログ

2016/01/29

集合知の話。それは圧倒的な人数であったり、圧倒的な人数から選ばれた人であったりするところが、これまでと違う。 専門家と一般人の知的レベルに差がなくなった。 圧倒的な人数がインターネットを通じて共通の話題を自由に論ずる環境が整ってきた。 などの要因で、仕事と関係なく専門家レベルの研...

集合知の話。それは圧倒的な人数であったり、圧倒的な人数から選ばれた人であったりするところが、これまでと違う。 専門家と一般人の知的レベルに差がなくなった。 圧倒的な人数がインターネットを通じて共通の話題を自由に論ずる環境が整ってきた。 などの要因で、仕事と関係なく専門家レベルの研究が爆発的に進展する。 野鳥の移動、天体観測、数学理論などでは圧倒的なパワーを発揮する。人海戦術だけでなく、質的にも威力あり。リナックスやウィキペディアもそう。 ただし、条件の限られた研究について、純粋なモティベーションのもとに成立する話。これを管理するのは至難の業。すべてが成功するわけではない。仕事になるとより難しいかもしれない。遊びだから、同じことでも面白がって、モティベーションを維持できる。飛躍の可能性が人を熱狂させ、参加させる面もある。いずれにしても、ボランティアであることは重要かもしれない。 学会だって集合知だが、オープンサイエンスのスピード感が圧倒的なのは参加する人数とこの熱狂による。 リナックスではモジュール化して各々の開発を進めたことが成功の鍵とされる。やはり管理が重要。 オープンソースの世界では、ある程度経験が積み上がっている。 また、オープンにされた膨大なデータ(データ自体の信頼性にもよるが)の集積をマイニングすることにより、新たな知が生成される可能性もある。そのデータ量はこれまで一人の学者が読んだ本や論文の数とは比較にならないくらい大きく、コンピューターによる検索技術や分析技術により、思いもよらなかった関係や法則を発見できる可能性がある。 宇宙の情報や遺伝子の情報(インフルエンザは公開されていないようだが)はオープンソースが整備され、誰でも見れるし、誰でも追加できる体制ができている。 当初、自己の利益との関係でクローズドだった研究成果は、オープンにすることで飛躍的にこの分野の進歩をもたらした。特許と同じで、そのバランスが大事だ。 インターネットで多くの情報が無料で得られることにより、論文、新聞、雑誌といった情報とのつきあい方も大きく変わろうとしている。論文の無料化も始まっている。これらの業界はビジネスモデルの根本的な転換を迫られている。有用な情報は有料なのか?有用な情報からさらに有用な情報を発信することを抑制してもいいのか?オープンソースの世界の成功は、既存概念を破壊しつつある。 そして、一般人がこれらの専門情報にアクセスできることもオープンサイエンスの土壌を育む要因の一つである。 産業革命において、ドイツで発達した職業としての研究(特に化学研究)はこれまで圧倒的な威力を発揮してきたが、オープンサイエンスのパワーはそれに勝るとも劣らない。まだ、海のものとも山のものともわからない状態だが、その片鱗を見る限り、ハマればすごいと思える。 ただ、人数が膨大でこれまでのような管理では無理だろうし、玉石混交を前提にしないと、従来の学会と何ら変わりないところが悩ましい。

Posted byブクログ

2015/12/29

すごくよかった。「野生の研究」的なオープンサイエンスの現時点での事例がすべて詰まってる。もっと早く読めばよかった。 -- Galaxy Zoo 3年で22 の科学論文が生まれた 無線ルータ innocentive オンラインコラボレーションはデザインされたセレンディピティ 大き...

すごくよかった。「野生の研究」的なオープンサイエンスの現時点での事例がすべて詰まってる。もっと早く読めばよかった。 -- Galaxy Zoo 3年で22 の科学論文が生まれた 無線ルータ innocentive オンラインコラボレーションはデザインされたセレンディピティ 大きな課題を小さな課題に分割する効率的な方法を見つけてモジュール化を徹底 eバード open dinosaur project Amazonのカスタマーレビューは科学論文で成り立つか?

Posted byブクログ