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亡びゆく言語を話す最後の人々 の商品レビュー

4.1

15件のお客様レビュー

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2024/02/09

グローバル化が急速に進む中でアイデンティティが失われつつある現状に、果たして世界は一体化すべきなのかとすら考えさせられる本だった。 身近で考えると私たちの使う日本語も重要な言葉だと気付かされる。 本書は、日々何気なく使われている言語の重要さを考える手助けとなるはずだ。

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2018/04/06

少数民族の話す言葉の多様性の意義と素晴らしさ,本当に無くしてはならないと思う.フィールドに分け入り研究する筆者のような研究者の地道な努力に敬意を払います.

Posted byブクログ

2014/10/11

言語学についてちょっと気になって、手にとってみました。 少数民族についての言語や、失われそうになっている言語を研究者の人がしらべていて、それがとても興味深かったです。 後日、公式ホームページを見たらやっぱり口絵の部分に誤植があったようでそれが全てちょっと一安心。

Posted byブクログ

2013/12/17

絶滅の危機に瀕する言語の記録のため、シベリアからパプアニューギニアまで、世界中の僻地を旅する言語学者。グローバリズムに呑みこまれ、現地語が消滅しようとしている。少数言語が失われてはならない理由とは? ブクログでの評価が高かったので気になってはいたものの、読みなれない言語学というフ...

絶滅の危機に瀕する言語の記録のため、シベリアからパプアニューギニアまで、世界中の僻地を旅する言語学者。グローバリズムに呑みこまれ、現地語が消滅しようとしている。少数言語が失われてはならない理由とは? ブクログでの評価が高かったので気になってはいたものの、読みなれない言語学というフィールドのお堅い本を読み切るのに数ヶ月かかってしまいました・・・一旦忙しくて中断もしたんですけど長かったなぁ。普段言語についてはほとんど考えたこともなかったのですが、言葉によって今まで脈々と受け継がれてきたものがあり、それを多数派言語で置き換えられるとは限らないということに気づかされました。日本語はそう簡単になくならないだろうけど、大事にしないとなー。とりあえず著者の行動力に脱帽。

Posted byブクログ

2013/10/22

地球上には7,000近い言語が存在し、その大半は極わずかしか喋る人が存在せず消滅の危機に瀕している。言語学者の著者はそんな言語を探して世界中を訪れる。シベリア、オーストラリア、インド、ボリビア、リトアニア。アメリカ国内にも。言語は単に単語と文法だけでなく、文化や信仰、地理的条件な...

地球上には7,000近い言語が存在し、その大半は極わずかしか喋る人が存在せず消滅の危機に瀕している。言語学者の著者はそんな言語を探して世界中を訪れる。シベリア、オーストラリア、インド、ボリビア、リトアニア。アメリカ国内にも。言語は単に単語と文法だけでなく、文化や信仰、地理的条件などの環境と一体であり、言語の消滅はそこに存在する叡知の消滅だと著者は言う。

Posted byブクログ

2013/10/02

多様言語が減っている事実の何が問題なのか。 普段の生活でそんなに気にしないことであるし、それがわかったとしてどうなのかとも思っていたのだが、著者がそれをわかりやすく説明している点がよい。 日本語というそう簡単になくなりそうにない現状の言語を使用していると、世界にはもっと多くの言語...

多様言語が減っている事実の何が問題なのか。 普段の生活でそんなに気にしないことであるし、それがわかったとしてどうなのかとも思っていたのだが、著者がそれをわかりやすく説明している点がよい。 日本語というそう簡単になくなりそうにない現状の言語を使用していると、世界にはもっと多くの言語があるということを忘れてしまいがちになる。しかし世界にはたくさんの民族がいるし、世界の文明が発達するにつれて大きな国に吸収合併、別の言語を強要されている実情を理解する。知らない言語で話されると自分たちの悪口言われているのじゃないかと思うのは自然なことだと思うけれど、それが大ごとになって少数民族の言語が排斥されているような状態だった。でも現実はそうではないし、普通の他愛ない会話を自分たちの慣れた言葉で話したいだけだ。それを思うとさみしく感じてしまう。 作中に出てくる失われゆく言語の話者たちが皆、著者たちに対して孤独と希望を持って姿を見せている。話す人がいないという孤独感は想像するだけでもつらい。しかも話すことがないと人は忘れてしまう。それはもっとつらい。言語が一つでも失われることを軽視し、統一して一つの言語にしてしまうことを奨励する人もいるようだが、自分たちがその立場であったならばきっと抵抗するのはないだろうか。そして現在世界で多く話されているたとえば英語で、すべてが表現できるわけではないということも理解しておくべきだろう。一つの単語で訳せば長い文章になる言葉もある。それはその言語を話す人たちの文化と生活から生まれたもので、それをもう知ることができないということだ。特に生活に根差した言葉はもたらされた文明によって既に失われ続けている。 願うだけでも祈るだけでも実際に行動しないと、本当に言語もその背景にある文化もなくなってしまう。それがとてもさみしいと思う。

Posted byブクログ

2013/09/05

言語はコミュニケーションを取る手段であるが、同時に文化や話す人々が昔から共有する知恵を伝える手段でもあるということ。言語学についての話は難しくてわからなかったが、いくつかの少数民族に伝わる物語や言語の紹介は面白かった。また、口承伝承については文字伝承より劣るとも優るとも、そもそも...

言語はコミュニケーションを取る手段であるが、同時に文化や話す人々が昔から共有する知恵を伝える手段でもあるということ。言語学についての話は難しくてわからなかったが、いくつかの少数民族に伝わる物語や言語の紹介は面白かった。また、口承伝承については文字伝承より劣るとも優るとも、そもそもそんなこと考えたこともなかったが、口承が後世に話を伝えるに、文字に負けないツールだというのは目から鱗だった。識字は当たり前だとも思っていたし、そういう文化に育っていたし。 日本語が近い将来ほかの言語に淘汰されることはなさそうだけど(末永く使われてほしいと思う)、「亡びゆく言語」を諸地方の方言に置き換えると身近な問題として捉えやすいかもしれない。 まだまったく最後の話者ではないとはいえ、現地の文化を伝える若い担い手だったダニーさんが亡くなってしまったのはさぞかし悔やまれることだろう・・・。

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2013/08/15

タイトルに惹かれて手に取った本だが、内容にもぐいぐい引き込まれて、読み終えてしまうのがもったいないぐらいだった。世界の言語滅亡のホットスポットという考え方も新鮮だったし、そもそも世界には7000の言語があるということも驚きだ。 とくに興味深かったのが、シベリアの言語と文化について...

タイトルに惹かれて手に取った本だが、内容にもぐいぐい引き込まれて、読み終えてしまうのがもったいないぐらいだった。世界の言語滅亡のホットスポットという考え方も新鮮だったし、そもそも世界には7000の言語があるということも驚きだ。 とくに興味深かったのが、シベリアの言語と文化について。語感といい、熊に対する意識といい、アイヌなどの北方文化圏に属する民族・言語なのだと感じた。国境では区切れない、まったく別の視座で地球を考えるきっかけを与えてくれる。 言語が単なる「言葉」ではなく、「文化」や「記憶」を継承する遺産であるという当たり前のことも、痛感させられる。言語の滅亡は民族の「誇り」や「伝統」の滅亡でもある。今この時も、危機にひんした言語とともに死にゆく文化があると思うと胸が痛む。 言語学者や若い研究者の精力的な研究やフィールドワーク、話者の努力などの希望の芽も見られるが、訳者のあとがきにあった、ダニーの逝去にはとてもショックを受けた。最後の最後で、希望の灯を消された思いだ。言語の保護に関する現実の厳しさを突き付けられた。

Posted byブクログ

2013/08/03

第1章 言語学者になる 第2章 シベリア・コーリング 第3章 言葉の力 第4章 ホツスポットのあるところ 第5章 隠れた言語を探して 第6章 言語の六次の隔たり 第7章 物語が生き残るためには? 第8章 歌が生まれるとき 第9章 世界が衰退に向かうとき 第10章 言語を救うために

Posted byブクログ

2013/07/30

自分の足を使って世界中に言葉を集めに行く著者の行動力がすごい。現地の人と仲良くなれるコミュニケーション能力もすごい。さらにこの本ではこんな言葉もあるのかという珍しい言葉がいくつか紹介されており,言葉はその環境に生きる人間の知恵であると実感できた。

Posted byブクログ