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亡びゆく言語を話す最後の人々 の商品レビュー

4.1

15件のお客様レビュー

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2013/07/21

言語と文化とが密接に関係し,言語が失われることは同時にその地域の風土,気候,生態系などに関して何千年も積み重ねられてきた貴重な情報が消え去ることに等しい,という主張は目から鱗. 1章2章あたりの前置き部分は,やや主張の押しつけがましさが感じられて「期待はずれだったか」とも思いなが...

言語と文化とが密接に関係し,言語が失われることは同時にその地域の風土,気候,生態系などに関して何千年も積み重ねられてきた貴重な情報が消え去ることに等しい,という主張は目から鱗. 1章2章あたりの前置き部分は,やや主張の押しつけがましさが感じられて「期待はずれだったか」とも思いながら読んだのだが,途中からの世界各地をめぐる旅に入るあたりからは「最後の人々」をめぐる宝探しの波状攻撃である. 「文明論」「言語」と両方のツボを突かれているので,そりゃあ僕は降参です.

Posted byブクログ

2013/06/12

少数民族の中でのみ使われる言語はグローバル言語に押され、消滅の危機にある。少数言語について研究する著者が、現地を実際に訪れ、調査を行なった記録と、それを通じて得た言語保存への想いが込められた1冊。日本語も大切にしないといけないな。

Posted byブクログ

2013/06/10

噂にたがわぬ良書。 世界各地の共同体を訪ね、滅亡に瀕している言語を調査し、それらを守るための試みが理知的、かつ情感たっぷりに書き出されています。思い入れと冷静さのバランスが見事にとれているのは、著者が「亡びゆく言語」の専門家であるゆえでしょう。 氷と風の種類によって名前を使い...

噂にたがわぬ良書。 世界各地の共同体を訪ね、滅亡に瀕している言語を調査し、それらを守るための試みが理知的、かつ情感たっぷりに書き出されています。思い入れと冷静さのバランスが見事にとれているのは、著者が「亡びゆく言語」の専門家であるゆえでしょう。 氷と風の種類によって名前を使い分けるユピク族、丘の形や草の潰れた形までも認識するトゥバ語、我々のものとは全く異なる数え方を有するニューギニアの言語……ページをめくるごとに驚きがあります。 その驚きだけでも十分な読書体験となり得ますが、それ以上に重要なのは、言語を守ることは文化を守ることだけではなく、私たちの今まで知らなかった智恵を与え、世界の見方を変えることに繋がるという指摘でしょう。ある地域に根ざした人々とその言語だけが認識可能なものというのは極めて多いのです。 とにかく学ぶことが多い一冊といえましょう。丁寧良質な翻訳も好印象です。是非ともご一読を。

Posted byブクログ

2013/05/27

様々な国の言語のホットスポットで暮らす最後の話者たちからその言語にまつわる話を聞き、そこから「亡びよく言語とどう向き合えばいいのか」を模索している本。

Posted byブクログ

2013/05/05

 言葉って1つあればいいじゃない。バベルの塔が建つ前に、1つの言葉で話せていた時代に戻ればいいじゃない。そう思わないこともない。  けれども、言葉というのは、その民族の文化、視点、生き方、歴史のすべてから成り立つものなのだ。1つの言葉に収めてしまうには無理がある。  今まで言葉に...

 言葉って1つあればいいじゃない。バベルの塔が建つ前に、1つの言葉で話せていた時代に戻ればいいじゃない。そう思わないこともない。  けれども、言葉というのは、その民族の文化、視点、生き方、歴史のすべてから成り立つものなのだ。1つの言葉に収めてしまうには無理がある。  今まで言葉について考えたことはなかったけれど、その多様性と豊かさに考えさせられる。  しかしながら、多民族の言葉をいやしいものと考える社会は辛いね。

Posted byブクログ