コロロギ岳から木星トロヤへ の商品レビュー
小川一水の書くキャラクター達は、基本的に手持ちの道具で必死に頑張るって言うのが決まってるから、みんな小川の子なんだよね。
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頭が2014年、しっぽが2233年に引っかかってしまった超時間生物(?)という壮大なアイデアによる時間SFだが、その対処がちまちましてかわいらしい。しかし、最後のカイアクの荒業は、そのちまちまとした苦労と努力が意味なかったものにしかねないような… そもそも、あれだけの変化で済むのか、リューセージとワランキが存在しなかったことになりかねない甚大な変化をもたらしかねないような… 2014年コロロギ岳の女子2人の腐妄想がこの調子で繰り広げられ続けたらきついなーと思ったら、ほどほどですんでほっとした…
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SF的な要素は理解できたか不明…(^_^;) でも、少年が頑張る姿はいい。 だから一水作品は好きです。
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あ。これすげー好きかも。 時間モノSFとしては突っ込みどころも多そうだけど、2014年と200年未来とのやりとり。限られた登場人物で、清潔感あふれるストーリー。や、おもしろかった。
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小川一水なので一定のレベルは期待しちゃう。その意味で、まあ、さくさく読める佳作ってとこ。 現代側主人公の行動動機がミソ。「ピアピア動画」とも通じる、真の意味での「応援」だと思う(笑)。ある意味新しい動機かも。 でも途中でそれを捨てる、そこが小川一水。
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未来の男の子と、現在の女性ということで 『未来(あした)のおもいで』(梶尾真治先生) のような話かと思っていたら、全然違った。 時間と空間を超えて、というより人類の認識と まったく異なる概念の中に存在する生物(?)を通して 人が地球を守るため、 かつ赤の他人を助けるために知恵を絞...
未来の男の子と、現在の女性ということで 『未来(あした)のおもいで』(梶尾真治先生) のような話かと思っていたら、全然違った。 時間と空間を超えて、というより人類の認識と まったく異なる概念の中に存在する生物(?)を通して 人が地球を守るため、 かつ赤の他人を助けるために知恵を絞ったり、 かる~く、ゆるやかに、やさしく奮闘する ハードSFライトノベル・ブレンド。 もうちょっとSF側で書き込んでページ数が増えれば、 もうちょっとライト側で男子二人の関係や それに萌える女性二人の妄想を書き込めば、 チョッと引いたかも。最後まで楽しく読みましょう。
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設定はバリッバリのSFだけど、語り口調はライトで、要点はといえばファンタジー。 謎の生き物?が次元にひっかかってしまった(か何かそんな感じ)ために、現代の地球と200年後の惑星トロヤがつながってしまい、現代の女性が中心となって死の危機に瀕している200年後の2人の少年たちを救う...
設定はバリッバリのSFだけど、語り口調はライトで、要点はといえばファンタジー。 謎の生き物?が次元にひっかかってしまった(か何かそんな感じ)ために、現代の地球と200年後の惑星トロヤがつながってしまい、現代の女性が中心となって死の危機に瀕している200年後の2人の少年たちを救う物語。 タイムパラドックスを扱うのに、本人たちはまったく移動しない、というのが斬新です。やってることは、要するに200年にわたって見も知らぬ人間の善意に頼り続けること、なんですが、時間という枠内での矛盾を取り除くためのあれやこれや、などは、しっかり本格的なSFだなあと思うし、救出の手段にはひとつひとつ細やかな伏線が貼られているなあと思います。 思うけど、200年間、誰も何も疑わず、手間暇を惜しまず、本当かどうかすらわからない理屈で、ただの少年の救出劇に取り組むかなあ、という根本に疑問を持ってしまうと・・・だいなし、なんですよね。でも、そんなこと(といっては失礼ですが、少年たちの自業自得ともいえる行動)のために、人類がやれることの範囲を超えてるような気がするよ。 だからこそ、「敬虔で優しい気持ち」が大事なのですよね。それを前面に押し出しているところが、ファンタジー。誰もが、そういう気持ちをもてるはず、ということ。 それって本当は、とてもとても大切なことだと思う。だからこそ、この物語は、そこを強調して書かれているのでしょう。 「そんなうまくいかないよ」そう思いながらも読み進めれば、きれいで透き通ってやさしい気持ちになれます。
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オタ心への配慮が超行き届いてた。カイアクによるSF的世界観を理解できるだけの頭脳がないため、放り出しそうになったところを引き止めてくれました。共感しまくりです。 最初に出てきた「敬虔で優しい気持ち」がとても心に馴染んだ。 なんで腐女子って思う部分もあったけど、要するに想像力が大事ってことじゃない?「200年後にいる2人を救え!」じゃ漠然としてるけど、腐った想像力によって「そこにちゃんといる」感が出る。 ちゃんとテーマに絡んでる…、ような気がしてきませんか?
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2014/07/19 第45回星雲賞、日本長編部門受賞作。ということで早速。 書店でこの作者の本はよく見かけ、装丁からハードSFを想像していた。ところが、この作品は、ライトな感じの、ちょいと前に読んだ野尻抱介とも似た、ユーモアあふれる読みやすい作風。しかも最近マイブームの時間ものと来れば、読まないわけにはいかん。短めのボリュームも手伝って、通勤2日で読破してしまった。 物語は、4次元の世界に生きる謎の生物?カイアクが、「泉」の中で「楔」に引っかかってスタック。200年の時と木星近く小惑星と北アルプスとにまたがって動けなくなってしまい、動けなくなった「尾」の解放のため主人公たちに協力を求める。 トンデモない設定の異種文明(文明、ですらないけど)、地球の危機にもかかわらず、そんなこと知ったことかとばかりに登場人物たちは、未来の少年2人組に妄想を働かせてるし、未来へのメッセージはモナリザの裏への落書き。どう考えても深刻な話のはずなのに、最後まで楽しく読まされる。 その一方、時間パラドックスを避けるための「手続き」の必要性、可能性の収束による世界の(主観的な)変動など、読み応えのあるSFでもあり、読み応えもある。星雲賞受賞も納得。 もう少し、この人の作品を読んでみようかな。実は35回、37回の星雲賞も受賞している、思いっきり実力者であるみたいだし。
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壮大でかつとてもちっちゃな話。すごくおもしろい。 人間以外の心情や社会を書かせたら右に出るものはないね。今回は想像を越える生物…でいいんだよね…だったけど。
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