はだかんぼうたち の商品レビュー
前作の「ちょうちんそで」よりぐっとよかった気がする、おもしろかった。 けっこう大人数の登場人物の日々の暮らし。それぞれ大きな事件やちょっとしたできごとがあったりなかったり、すべて同じように淡々と描かれていて、結末やオチもなくて、それがすごく心地よい感じ。いつまでも書き続けられそう...
前作の「ちょうちんそで」よりぐっとよかった気がする、おもしろかった。 けっこう大人数の登場人物の日々の暮らし。それぞれ大きな事件やちょっとしたできごとがあったりなかったり、すべて同じように淡々と描かれていて、結末やオチもなくて、それがすごく心地よい感じ。いつまでも書き続けられそうだし、読み続けられそう。いつまでも読んでいたい。 なんだろう、主張しない感じ、いいとか悪いとか、大変とか大変じゃないとか、ジャッジしない、決めない感じ、ただ日々が、月日が流れていくような感じがやっぱり好きだな、と思った。 でも、このタイトルは、どうなんだろう。タイトルだけきいたとき、絵本?とか思った。前作といい、ひらがなシリーズ?
Posted by
江國さんの世界観が好きな人にはたまらない一冊。 歯科医の父と、その妻であることに誇りを持っている気難しい母親。歯科医の桃とゲストハウスで暮らす姉の陽は母親とはどうもうまがあわない。 6年交際していた石羽と別れ9つも下の鯖崎に惹かれる桃。鯖崎とは交際には発展はしない。その鯖崎は桃の...
江國さんの世界観が好きな人にはたまらない一冊。 歯科医の父と、その妻であることに誇りを持っている気難しい母親。歯科医の桃とゲストハウスで暮らす姉の陽は母親とはどうもうまがあわない。 6年交際していた石羽と別れ9つも下の鯖崎に惹かれる桃。鯖崎とは交際には発展はしない。その鯖崎は桃の親友である響子に猛スピードで惹かれるが、響子には旦那と4人の子供達がいる。 物語は響子の母、和枝が死ぬところから始まる。和枝はネットで知り合ったボーイフレンド・山口と暮らしていた。山口は山口で家族(妻と娘)がいたのにも関わらず、なにもかもを捨てて和枝との暮らしを選んだのだがぽっくりと逝ってしまう。そんな十一月、から物語は始まる。 三ヶ月。三ヶ月あれば物事は一転、二転する。三ヶ月ごとに章が区切られていて、別れた男に彼女ができたり、その別れた男から連絡がきて、また時が経って会うように、寝るようになる。様々な人の様々な現実と、日常が交差し、なるようになるし、思うとおりにはならない、そんなことを言われた気がする。相変わらず浮遊した、けれどしっかりと芯のある物語です。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
昔だったら本自体を受け入れられなかったかも。 主人公桃は長年付き合ってきた石羽と別れ、年下の鯖崎に思いを寄せる。ただ、その鯖崎は桃の親友で既婚者でもある響子に惹かれ始める。響子の母和枝は、ネットで知り合った恋人・妻帯者の山口を置いて死んでしまうし… 「常識」の物差しでははかれない、男女の関係。「いつまでこんなことを続けるんだろう」というキャッチフレーズが印象的だった。
Posted by