風の万里 黎明の空(上) の商品レビュー
3人の少女の視点で物語が進み、その運命が次第に絡まっていく様子にハラハラドキドキする。本当に面白くて読むのが止まらない。 壮大なファンタジーかと思いきや、采王、楽俊、清秀、供王、遠甫をはじめとする登場人物の台詞にはっとさせられる場面が多い。生きるということ、人の上に立つ責務、知...
3人の少女の視点で物語が進み、その運命が次第に絡まっていく様子にハラハラドキドキする。本当に面白くて読むのが止まらない。 壮大なファンタジーかと思いきや、采王、楽俊、清秀、供王、遠甫をはじめとする登場人物の台詞にはっとさせられる場面が多い。生きるということ、人の上に立つ責務、知っておくべきことを知っておくということ… 「生きるということは、嬉しいこと半分、辛いこと半分のものなのですよ。人が幸せであるのは、その人が恵まれているからではなく、ただその人の心のありようが幸せだからなのです。苦痛を忘れる努力、幸せになろうとする努力、それだけが真に 人を幸せにするのです。」
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王の娘として不自由ない暮らしをしていたが突然その全てを失った祥瓊 故郷から言葉も通じない見知らぬ土地にやられた鈴 王となったは良いが何を務めとすれば良いがわからず苦心する陽子 「自分だけが可哀想」になっている人は周りからは疎まれてしまう。残酷だけど教訓のある前半だった。 さて、それぞれが周りを見始めた後半戦どうなるやら。
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景王陽子と、公主だった祥瓊と、蓬莱から来た鈴の3人の女の子たちの物語。上巻は3人のこれまでと今の状況がしっかり描かれています。 「生きるということは、嬉しいこと半分、辛いこと半分のものなのですよ」(p163.采王黄姑) 「人が幸せであるのは、その人が恵まれているからではなく、...
景王陽子と、公主だった祥瓊と、蓬莱から来た鈴の3人の女の子たちの物語。上巻は3人のこれまでと今の状況がしっかり描かれています。 「生きるということは、嬉しいこと半分、辛いこと半分のものなのですよ」(p163.采王黄姑) 「人が幸せであるのは、その人が恵まれているからではなく、ただその人の心のありようが幸せだからなのです」(p163.采王黄姑) 黄姑が鈴に話したセリフが特に印象的でした。 ラストの悲しいシーンから下巻ではどんな展開になっていくのか。幸せな結末でありますように。
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今回は3人の女性を中心に物語が平行線となって進んでいた。主人公の陽子を含め、どの人物も少し足りない部分がある人達だった。 特に鈴と公主の子(しょうけい)は、道中出会った人に、自身の足りなかった部分に気づいたところで上巻が終わった。 下巻も楽しみ。 2人とも、景王である陽子に会いたいと願っていた。至らない点に気づいた2人は陽子の助けになってくれるのだろうか、とワクワクしている。 個人的には黄姑の、「人が幸せであるのは、その人が恵まれているからではなく、ただその人の心のありようが幸せだからなのです」という一言がとても身に染みました。
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自分の境遇に不満ばかり(気持ちもわかるけど)の女の子たち。旅が二人を変えていくのかなと思っていたら、痛ましい事故が、、
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2023/08読了。10年ほど前に読んだことあり再読。悩める3人の少女の視点から物語を描き、下巻に向けてストーリーが交差するわけだけど… それにしても、初登場時の陽子もだが、どうしようもない女の子の描き方がえぐい。ダメすぎてイライラする。ここからどう変わるか、が大事なのは分かっているけど…
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王になってからの陽子、芳国国王の父が殺された祥瓊、蓬莱からきた鈴の3人の少女を軸に、物語が進んでいく。 陽子もそうやけど、王の選ばれ方ってどんな基準なんだろう。結構ダメなパターンが多い。
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「王さまや公主は不便だな。なにしろ、一回玉座を失えば、やり直しはきかねえからさ。その点、ただの民は楽だ。死なない限り、やり直しのきかねえことなんてねえからさ」 終盤、楽俊のこの言葉が良かったな。 十二国記も最初の主人公、陽子が王になり、どうやって国を作っていくのかの物語まで来ま...
「王さまや公主は不便だな。なにしろ、一回玉座を失えば、やり直しはきかねえからさ。その点、ただの民は楽だ。死なない限り、やり直しのきかねえことなんてねえからさ」 終盤、楽俊のこの言葉が良かったな。 十二国記も最初の主人公、陽子が王になり、どうやって国を作っていくのかの物語まで来ました。 そこに海客として明治時代の日本から流されてきた鈴と、国が滅び庶民に落とされ不老不死もなくなった元公主祥瓊が慶国を目指して旅をしてくるという話。 自分がやるべきことは何か、希望を抱きながら生きるために何ができるのかという話。 とても残酷で受け入れ難い運命があったとしても。 やはりこの物語世界はとても天帝という神に強く支配されている。その天帝が決めた王と官僚が長く生きること、民の意思が吸い上げられにくいことの弊害もここではしっかりと描かれている。 制限の多い世界で懸命に生きる者たちが、何を大切にして生きていけば良いのかを考えていく話なんだと思います。 ただ、「神を疑えない」この状態がとてつもなくつらいなと思いながら読んでいる節はあります。「神が、支配者がこう決めたから」という決め方に対して「本当に?」と言い返した上で生き方を決めることが人間にはできる。それが自分の内側を無限に広げられる人間にとって一番希望となり得るものだと思うんです。 やっぱり私は本当にファンタジーが読めない人間なのかもしれないなと改めて思いました……十二国記は面白いのに、どうしても世界の成り立ちの方に気が向いてしまう。それでもどうにもならないと言ってはいけない。どうにかなるはずだ、民も王も麒麟も官僚も必要以上に苦しまないで生きていける方法が。そう信じてシリーズを読んでいこうと思います。
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上巻に関しては最初から最後まで重苦しい展開が続く。楽俊が登場して「月の影〜」のような展開を想定していたが、十二国記の世界はそれほど甘くなかった(笑)。 下巻での3人の少女の邂逅に期待したい。 ※上下巻を読み終えてから評価しています。
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『十二国記 風の万里 黎明の空』 #読了 これまでが十二国という独自に作られた世界を読者に受け入れてもらうパートだったとするならば、本番はここから。物語は陽子、鈴、祥瓊という3人の視点で語られる。これはそれぞれがもがき苦しみながら、それぞれの人生の王が自分なのだと自覚するまでの物...
『十二国記 風の万里 黎明の空』 #読了 これまでが十二国という独自に作られた世界を読者に受け入れてもらうパートだったとするならば、本番はここから。物語は陽子、鈴、祥瓊という3人の視点で語られる。これはそれぞれがもがき苦しみながら、それぞれの人生の王が自分なのだと自覚するまでの物語。
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