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小説フランス革命(10) の商品レビュー

3.5

13件のお客様レビュー

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2021/08/14

 ジロンド派が政争に敗れて、ジャコバン派が権力を手にしてゆく。マリーアントワネットもギロチンにかけられるが、そのシーンはあっさりとしている。牢屋に長くとらわれていた王族の最期は、悲劇ではあるけど、今さら歴史の流れの中ではあまり大きな意味はないということか。それよりはジロンド派の中...

 ジロンド派が政争に敗れて、ジャコバン派が権力を手にしてゆく。マリーアントワネットもギロチンにかけられるが、そのシーンはあっさりとしている。牢屋に長くとらわれていた王族の最期は、悲劇ではあるけど、今さら歴史の流れの中ではあまり大きな意味はないということか。それよりはジロンド派の中心自分物の一人であるロラン夫人の処刑風景の方が細かに描かれている。  マラの暗殺をきっかけにロベスピエールらによる恐怖政治が始まるが、どちらかというとロベスピエールは祭り上げられたという印象。それは今まで思っていたのとは少し違った。

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2018/09/15

エベールの巻。 自由、平等を叫びながら、何か社会主義的な、国家主義、全体主義的な流れ。極端にブレる中ではこれらは一つの流れ、紙一重のよう。

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2018/06/12

口を開けば下ネタのエベールに閉口したのと、肝心の恐怖政治宣言のところでひっかかってしまい、読むのに最も時間がかかった第10巻。1793年5月末日から12月15日(共和暦第2年霜月25日)、約半年の間にジロンド派議員20数名にロラン夫人にマリー・アントワネットも処刑されてしまった。...

口を開けば下ネタのエベールに閉口したのと、肝心の恐怖政治宣言のところでひっかかってしまい、読むのに最も時間がかかった第10巻。1793年5月末日から12月15日(共和暦第2年霜月25日)、約半年の間にジロンド派議員20数名にロラン夫人にマリー・アントワネットも処刑されてしまった。新選組よりも多くスターリンよりは少ない(スターリンは桁違い)。いよいよロベスピエールが権力を掌握…したはずなのだが10冊も読みながらいまだに彼がよくわからない。周囲の人を描くことで浮き彫りにする作戦なのかと思ったりもしたけど全然実像が見えてこない。前に出てきたかと思うとまた人の後ろに隠れてしまう。ミラボー、タレイラン、デムーラン、マラ、ダントン、ルイ16世、ロラン夫人、そして嫌いだけどエベール。彼らには中身を感じるのに、ロベスピエールだけどうしても人間としての実在感がわいてこない。 サン=キュロットら民衆を率いるエベールが前巻に続いて大活躍だが、この巻のもう一人の主役はサン・ジュストだ。ロベスピエールの姿が見えにくいのはサン・ジュストが彼を隠すから。でも隠しているサン・ジュストもリアリティが薄い。彼の考えや話すことが人間の欲とか幸せに基づいてないからかもしれない。彼の演説は私には響かない。 サン・ジュストとルバが前線に行っていたのは知らなかった。若い2人が地方都市でパキパキ働く様は狂乱のパリで口を動かしてるよりもよっぽど生産的だ、まぁ処刑される人が増える事を生産的というのはどうかと思うけど。現場感が大事だと痛感した。 最も心を打たれたのはロラン夫人の処刑の場面。私は彼女が現実を見なかった馬鹿な女とは思わない。夢を見て野心を抱いて何が悪いのか。生き残ろうとした彼女の努力は男たちの建前主義につぶされてしまった。それでもギロチンにかけられる最後の最後まで希望を捨てなかったロラン夫人は美しいと思う。そしてその数日後に自殺した夫のロランも切ないと思う。 エベールは無政府主義まで行ってしまったのではないかと思う。脱キリスト教運動の流れで理性の祭典が行われ、自由の女神の誕生につながると思われるエピソードは大変興味深かった。しかしエベールが理性って(爆笑)。

Posted byブクログ

2016/11/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 「粛清の嵐」という題名から、きっとギロチンでの死刑が嵐のように執行されるんだろうな? と思っていましたが、それを行ったのは、ロベスピエール率いるジャコバン派だとばかり思っていました。 まさか、『デュシエーヌの親爺』であるエベールが先頭に立って、粛清をしていくとは驚きでした。  蜂起したサン・キョロットのゲラゲラと笑う赤い壁。 想像するだけで怖い。 何も知らないという事が余計に恐怖を呼ぶ。  しかし、エベールもいつまでも勝ち組ではいられないと思う。  今後のさらなるギロチンの嵐が怖い。

Posted byブクログ

2016/02/12

フランス革命を代表する小道具、ギロチンが象徴する恐怖政治がいよいよはじまった第10巻。ジロンド派議員たちにマリー・アントワネット、ルイ・フィリップ、ロラン夫人、まともな裁判を受けることなく、断頭される。そんなドサクサついでにマラまで暗殺される。革命に携わった人材が次々と失われる中...

フランス革命を代表する小道具、ギロチンが象徴する恐怖政治がいよいよはじまった第10巻。ジロンド派議員たちにマリー・アントワネット、ルイ・フィリップ、ロラン夫人、まともな裁判を受けることなく、断頭される。そんなドサクサついでにマラまで暗殺される。革命に携わった人材が次々と失われる中、ロベスピエール、ダントン、デムーランら革命初期からの数少ない生き残りは、さすがに度が過ぎると危機感を募らせる。 しかし、革命に多少の犠牲はやむを得ないと、恐怖政治を肯定するのが、エベールとサン・ジュスト。エベールは下ネタを放言しながら、王族もキリスト教もくそったれだと罵り、死刑乱発に大賛成。サン・ジュストは師であるロベスピエールへ恐怖政治こそが革命の成功だと叱咤し、対外戦争の軍司令官として強力なリーダーシップを発揮する。 タイプの違う2人だが、家族も財産も求めず、大量の犠牲を強いてでも、革命を成功させることに生涯を捧げている点では一致している。 それにしても、史実とはいえ、登場人物が減る一方で、新キャラクターが登場せず、寂しい小説になってきた。結局、フランス革命のエンディングは人材が尽きてしまうことなのだ。その点、英雄があふれ出る中国史とは異なる。

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2014/01/25

いよいよこのシリーズもクライマックスに近づいてきた感じです。恐怖政治という言葉は、第三者がつけた言葉かと思ってたんですが、それを実行していた当事者達が使っていた言葉だってのを初めて知りました。

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2013/09/30

第10巻は、煽られた庶民が議会を飲み込み、恐怖政治が始まる様子が描かれる。暴君を生み出す原因の一つは、煽られた大衆の熱狂であることが多い。ナチスや戦前の日本もそうだったか?いや、身近なところでは、近年の日本の選挙でもそんな傾向が見られないか? それにしても、フランス革命というの...

第10巻は、煽られた庶民が議会を飲み込み、恐怖政治が始まる様子が描かれる。暴君を生み出す原因の一つは、煽られた大衆の熱狂であることが多い。ナチスや戦前の日本もそうだったか?いや、身近なところでは、近年の日本の選挙でもそんな傾向が見られないか? それにしても、フランス革命というのはほんの数年のうちに、右へ左へと激しく揺れ動き、外国との戦争も絡んで、社会を大混乱に陥れた期間だったのだと知って驚く。教科書で語られるように、旧態依然とした絶対王政を倒した民衆革命、というような単純なものでは決してない。 あと2巻で本シリーズも終了。いよいよクライマックスが近い。

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2013/08/20

革命の天使サン•ジュストが恐怖政治を推進し、次から次へと断頭台の露と消えていく。ベルバラの佳境シーンが次々現れ、行き着くとこまで行きついた革命が終わりを迎える日も近くなり。 しかし、こうなってしまうと逃げたもん勝ちですな。意識や義務感の強い人間は皆死に、最後はタレイラン辺りが総取...

革命の天使サン•ジュストが恐怖政治を推進し、次から次へと断頭台の露と消えていく。ベルバラの佳境シーンが次々現れ、行き着くとこまで行きついた革命が終わりを迎える日も近くなり。 しかし、こうなってしまうと逃げたもん勝ちですな。意識や義務感の強い人間は皆死に、最後はタレイラン辺りが総取りと。そういやタレイランは何やってるんだろう?

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2013/08/05

「一にして不可分の共和国」という理想だけに固まった未熟な革命家たちが政権担当者であるとの当事者意識も十分ないままに「恐怖政治」へと突き進んでいきます。あの高邁な人権宣言を打ち立てたフランス革命がこれほどまでの殺戮に手を染めるとは…「自由よ、汝の名の下にいかに多くの罪がなされること...

「一にして不可分の共和国」という理想だけに固まった未熟な革命家たちが政権担当者であるとの当事者意識も十分ないままに「恐怖政治」へと突き進んでいきます。あの高邁な人権宣言を打ち立てたフランス革命がこれほどまでの殺戮に手を染めるとは…「自由よ、汝の名の下にいかに多くの罪がなされることか」

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2013/05/25

史実として結果は分かっているとはいえ、とうとう恐怖政治が始まった。ロラン夫人をはじめとするジロンド派も粛清され、次はエベール派が消えていく。サン・ジュストの自信過剰さが目についてきて、少しイライラ。まぁそれも、もう少しの辛抱か。 著者はこの壮大な物語をどこに落ち着かせようとしてい...

史実として結果は分かっているとはいえ、とうとう恐怖政治が始まった。ロラン夫人をはじめとするジロンド派も粛清され、次はエベール派が消えていく。サン・ジュストの自信過剰さが目についてきて、少しイライラ。まぁそれも、もう少しの辛抱か。 著者はこの壮大な物語をどこに落ち着かせようとしているのか。そこが一番気になるところ。

Posted byブクログ