藤原道長の日常生活 の商品レビュー
平安貴族の生活ぶりと道長の性格や暮らしがわかりやすく書かれている。 道長という人は頭の良い、いいとこのボンボンがそのまま偉くなったという印象。 傍若無人な振る舞い、感情をそのままに出すところなど、他を気遣わなくてもいいということがよくわかる。 この時代ならではの権力者であり、そ...
平安貴族の生活ぶりと道長の性格や暮らしがわかりやすく書かれている。 道長という人は頭の良い、いいとこのボンボンがそのまま偉くなったという印象。 傍若無人な振る舞い、感情をそのままに出すところなど、他を気遣わなくてもいいということがよくわかる。 この時代ならではの権力者であり、それ以外の時代ではこんな無邪気な権力者は出てこないのではないか。 貴族最高位の藤原家の棟梁にして、天皇の外戚というのはそれほど盤石であり、権力の失墜の心配さえいらなかったのだろう。(怨霊のおそれはあったが) しかし、平安貴族の最盛期と言われるこの時代は国政として見れば最低最悪の時代のように思える。 朝廷での自分や身内のことが関心のすべてであり、視野もせいぜい京都周辺が入るのみ。 身分が下の者は生き死になどなんの関心も持たない為政者とは、為政者と言えるのか? この本には民政や地方の政治のことなど全く書かれていない。 表の責任者は天皇であるが、実権に乏しく、権力者の関心は儀式と人事のみ。 まだこの前の天皇の親政や院政の方がマシだろう。 外国からの侵略もなく、下剋上の心配もない貴族制というのはこんなに酷くなるのか、この時代に元寇が無くてよかったというのが率直な感想である。
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2024大河への助走⑧ 『藤原道長の権力と欲望』(同著者)と同じく『御堂関白記』『小右記』『権記』の検討だけど、政治以外の面での分析が多くてより親しみやすかった。
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藤原道長の書いた日記「御堂関白記」 藤原実資の「小右記」 藤原行成の「権記」に記されているさまざまな出来事を読み解き、藤原道長の公的・私的な側面、また感情面や精神世界にまで踏み込み、道長の実像に迫る。・・とのはじめにの言葉。 「大鏡」や「栄花物語」といった歴史物語、「今昔物語集...
藤原道長の書いた日記「御堂関白記」 藤原実資の「小右記」 藤原行成の「権記」に記されているさまざまな出来事を読み解き、藤原道長の公的・私的な側面、また感情面や精神世界にまで踏み込み、道長の実像に迫る。・・とのはじめにの言葉。 「大鏡」や「栄花物語」といった歴史物語、「今昔物語集」などの説話集にも道長は数多く登場するが、これらは特定の史観によって創作されたり改変されたりした箇所も多いので、この本では使用しないとある。 道長の感情、宮廷生活、家族、内裏や邸宅、寺社などの空間、京都の町、道長の精神世界、と順に記述。巻末には年譜、系図、京都の現地図に平安時代の区割りをかぶせた地図、平安宮内裏図、などもあり理解を助ける。参考文献も載っている。 しかし、第1章で挫折。人物関係が入り組んでついていけないー 「御堂関白記」はあくまでも自分の忘備録なので、早く破却するように、と見返しにあるという。そこが当時から貴族社会で役立つようにとの認識のあった「小右記」や「権記」とちがうところだという。現存のものは長徳4年から治安元年(1021)にいたる33才から56才までの記事。自筆本は藤原家が後に近衛家と九条家に二家分立した際に二分割され、今は近衛家の陽明文庫にある14巻しかないという。それ以外の自筆本は失われたとある。 この著者の自筆本が残っている、というのが「御堂関白記」の最大の特色という。道長は悪筆で文体も破格なのだという。写真がのっているが曲がっていたりやはり忘備録か、と思わせる。が著者によると、道長は実務を積まないうちに出世したので、漢文に習熟する暇が無かったことが独特の文体を作ったとある。 道長の性格 よく泣く。自賛し、冗談を言う。かと思えば、怒りっぽく相手を罵倒する。かとおもえば気弱。約束を忘れる。小心。・・いいとこのお坊ちゃん的性格? 小心と大胆、繊細と磊落、親切と冷淡、寛容と残忍、協調と独断、の二面性と言っています。 どうもこうも大河ドラマからの興味なので、柄本祐さんの顔がちらついています。「小右記」を著したのは実資・・ロバート秋山さんなんですよね。 「御堂関白記」は2013年ユネスコの記憶遺産(世界の記憶)に登録された。・・初めて知りました。 https://webarchive.unesco.org/web/20220331175014/http:/www.unesco.org/new/en/communication-and-information/memory-of-the-world/register/full-list-of-registered-heritage/registered-heritage-page-5/midokanpakuki-the-original-handwritten-diary-of-fujiwara-no-michinaga 2013.3.20第1刷 2013.4.30第3刷 図書館
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道長の意外と小心な所、自信過剰な面と必要以上の自信の無さ、色々と正反対な面を持つ性格が、1000年の時を超えて、彼も自分と同じ人間であったと、親しみを覚えられる。 しかし、彼の冷静なものの見方は、権力者気質であったと思われ、流石、一時代を築いた人間だった。
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道長の日記は貴族日記としてイメージしていたものよりはるかに人間臭いものだった むしろ、鎌倉・室町時代の帰属の方が、さまざまな儀式・前例の為の「公式記録」めいているが、道長のソレは生々しいようだ ただ、紫式部に彰子の皇子出産記録=紫式部日記を書かせるとか、自分と他人の「贈与・貸与」の記録を徹底したのは政治家として見れば現代に通じるものがあるかもしれない 日記の目的を物品の出納を記録するのが主要な目的とあれば分かりやすい 量や物品の差異で身分や重要性を決める 更には、ヒトモノカネが集まる道長の周囲には、牛馬の流通センターがあったに違いないそうだ
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2013年刊。著者は国際日本文化研究センター教授。 「この世をば我が世とぞ思ふ望月の欠けたる事もなしと思へば」に象徴される、栄華を極めた藤原道長。 世界最古の道長の自筆日記「御堂関白記」と、同時代の藤原実資著の「小右記」や藤原行成著の「権記」を基に、平安中期の都の政治、道長や藤原一族の私生活模様を開陳する書である。 その範囲は外戚関係形成過程、贈答・下賜、当該目的の物品の入手(受領層から、唐物)、建築物(私邸や宇治平等院など)、或いは京都という都市論や洪水・地震・蝗害の天災、放火ほかの人災まで及ぶ。 ただやはり、ここでも政治の根幹、すなわち一般から徴収する税(税的なもの)とその配分、その基準については明快にならない。政治・財政の公私混同というだけではなく、徴税システムとその配分に関する史料が少ないんじゃないかなという印象が強く残る。 とはいうものの、①平安時代中期、②政治史及び社会史、③京都近辺、④藤原道長とその一派、⑤摂関政治という観点で見るならば、読みごたえは十分あり、「平安中期の京都」という面での関心が生まれれば、本書の再読の価値は高いことは確か。
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世界最古の自筆日記が語る権力者の知られざる実像! 「この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたる事も無しと思へば」――栄華をきわめた人物の知られざる実像に迫る! 平安貴族の過酷な政務とは? 下級官人、女官たちの人心を掌握する術とは? 物忌、穢、怪異、怨霊といかに向き合ったか? 権力者が綴った世界最古の自筆日記から、その日常や内面を探り、平安という時代の精神を読む一冊。(2013年刊) ・はじめに ・序章 道長と『御堂関白記』 ・第一章 道長の感情表現 ・第二章 道長の宮廷生活 ・第三章 道長と家族 ・第四章 道長の空間 ・第五章 京都という町 ・第六章 道長の精神世界 ・おわりに 道長の実像 世界最古の自筆日記が語る権力者の実像ということで、馴染みのない時代ではあったが、面白く読むことが出来た。道長と言えば摂関政治と習った気がするが、道長自身は関白に就かなかったというのは驚きであった。(内覧という関白に準ずる職に就いた) 基礎的な知識に欠けるため、読みづらかったが、日記を通して道長という人を知る事が出来たのは良かった。本書に使用されている史料(御堂関白記、権記)は現代語訳があるそうなので読んでみたい気がする。
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『御堂関白記』、『小右記』、『権記』といった日記史料をもとに、藤原道長を描き出すというもの。 道長自身、妻子、さらには京の事件とか病とか色々。 明子腹の子どもに関する記述はとても永井さんの小説を思い起こさせる。 項目ごとの記述は少な目で、読みやすい。
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「権記」など、いくつかの平安貴族日記は、私たち一般人も持てるようになっているけれど・・・なかなか読む気はしない。 きっと、政務や儀式のことが、一つ一つ書き付けてあって・・・そして、それは私が読んでも、意味がわからないのだろうから。 その意味で、本書のように、専門家が読み解いてく...
「権記」など、いくつかの平安貴族日記は、私たち一般人も持てるようになっているけれど・・・なかなか読む気はしない。 きっと、政務や儀式のことが、一つ一つ書き付けてあって・・・そして、それは私が読んでも、意味がわからないのだろうから。 その意味で、本書のように、専門家が読み解いてくれるのはとてもうれしいのだが・・・ こちらの知識がおいつかないのか、著者の説明を読んでもわからないところが、そこここに。 例えば、除目の奉仕に行く、行かないという件。 それがどういう種類の仕事で、行かないという選択が何を意味するのかがわからない。 それから、時々、「現代人の目から見ると、非科学的だとされることが実は・・・」という注釈がさしはさまれる部分にも、ちょっと不満がある。 例えば物忌みのところ、病気治療のところ。 もちろん、現代人の「上から目線」で見ることの危険は重々理解している積りで、どちらかというと、当時の人の行動の合理性みたいなものが理解できたら、と思っている。 本書では、例えば穢れに触れたときの対処など、かなり具体的に日記の描写を拾って紹介してくれているのだが、そのどのあたりが当時としては「科学的に対処している」ことになるのか、個別的な説明がない。 そこがとても残念。 まあ、衣冠束帯姿(?かどうか、顔写真なので判然としないけれど)の著者近影に心意気が感じられる・・・のはご愛嬌?
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世界最古の自筆日記から読み取る、千年前の貴族社会。 『死者たちの中世』を併せて読むと、穢れとか物忌みとかいうことが解ってくる。なにしろ京の都でさえ道端に屍体がころがっていたのだから。
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