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新訓 万葉集 新訂(上) の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2024/05/27

感情を率直に歌い上げるという評価の通り、歌に迫力があります。 但馬皇女の116番の歌や、大伯皇女の105番、106番、大津皇子の107番の歌など緊張と臨場感が伝わってくる。 また大岡信氏が高く評価した笠郎女の歌も、多くがこの岩波文庫版(一)に収録されている。 第4巻に彼女が家持に...

感情を率直に歌い上げるという評価の通り、歌に迫力があります。 但馬皇女の116番の歌や、大伯皇女の105番、106番、大津皇子の107番の歌など緊張と臨場感が伝わってくる。 また大岡信氏が高く評価した笠郎女の歌も、多くがこの岩波文庫版(一)に収録されている。 第4巻に彼女が家持に贈った歌が24首一気に載せてあるが、とんでもない才能だなと。 本文庫の特徴は、学校の教科書に載るぐらい定着していた解読を一部改めたこと。 例えば 柿本人麻呂の「ひむがしの」の歌、炎(かぎろひ→けぶり) 志貴皇子の「さわらび」の歌、石激(いはばしる→いはそそく) どちらも納得いく改定でした。ここから分かるのは、『万葉集』の解読はまだ完了していないということ。 そして、100%確定することは不可能なのではないか、ということ。どこまで行こうと推測・仮説の域を出ない。 それは本書の解説に、1000年の研究史を経てもなお完全には読み解けていない歌集だと書かれている通り。説が分かれるどころか、解読すらできない歌が中にはある(9番や67番など) しかし、じゃあ何を言っても正解なのかというと、それも違う。 100%確定することは不可能でも、その正解に一歩ずつ近づいていくことはできます。その努力を放棄することはない。人ごとに遥かに歩み続けなければならない。 もう一つ言いたいのが、なぜこんなに 天皇・皇子・皇女・貴族・官人から名もなき庶民に至るまで作者の階層が広いのか 北は陸奥、南は薩摩まで地名分布が広いのか 数多くの動植物、装束、調度品など詠みこまれる事物が豊富なのか さらに歌の内容も豊富だし、漢文や漢詩や書簡集まで収録されている こんなに内容豊かな作品が日本の文学世界に突如として出現した。第二分冊の解説で「空前絶後」と言われてるがその通り。もっと段階を踏んで作品が少しづつ豊かになっていくなら分かるけど。 なにしろ序文が無いので『万葉集』がなぜ生まれたのかについてはどの説も仮説の域を出ることはないでしょうが、想像してみるのも面白いかもしれない。

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2022/12/17

2013年の刊行された、岩波文庫の万葉集。 5分冊の1巻目。 万葉集を生涯にわたり、趣味の一つにしようと意気込んだが、あえなく挫折。 気が変わって、やる気が出てきたときは、この本を購入しよう。 ●2022年12月17日、追記 ウィキによると、 天皇、貴族から下級官人、防...

2013年の刊行された、岩波文庫の万葉集。 5分冊の1巻目。 万葉集を生涯にわたり、趣味の一つにしようと意気込んだが、あえなく挫折。 気が変わって、やる気が出てきたときは、この本を購入しよう。 ●2022年12月17日、追記 ウィキによると、 天皇、貴族から下級官人、防人(防人の歌)、大道芸人、農民、東国民謡(東歌)など、さまざまな身分の人々が詠んだ歌が収められており、作者不詳の和歌も2100首以上ある。7世紀前半から759年(天平宝字3年)までの約130年間の歌が収録されており、成立は759年から780年(宝亀11年)ごろにかけてとみられ、編纂には大伴家持が何らかの形で関わったとされる。完本では鎌倉時代後期と推定される西本願寺本万葉集がもっとも古い。

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2018/10/20

巻第一◆巻第二◆巻第三◆巻第四 校注者:佐竹昭広(1927-2008)、山田英雄(1920-)、工藤力男(1938-)、大谷雅夫(1951-)、山崎福之 解説:大谷雅夫(1951-)

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2011/07/28

 小五のときに小倉百人一首を丸暗記(母親相手に毎日二回、かるた取りをして覚えた)したのが幸いし、古典が読めなくて困った、という記憶がなかったりするのだけど、万葉集をきちんと読んだのは、やっぱり大学に入ってからだった。  ―――そして後悔。これ、なんて面白いんだろう!  どうして...

 小五のときに小倉百人一首を丸暗記(母親相手に毎日二回、かるた取りをして覚えた)したのが幸いし、古典が読めなくて困った、という記憶がなかったりするのだけど、万葉集をきちんと読んだのは、やっぱり大学に入ってからだった。  ―――そして後悔。これ、なんて面白いんだろう!  どうしても注目されるのは歴代天皇や、女性歌人の詠んだ秀歌であるのだけど、いわゆる「庶民」の詠んだ、日々の生活の呟きのような歌が本当に面白い。  別れた男に対しての 「お前みたいな冷たい恋人なんか、冬の川に浮かぶ鴨にでもなっちまえ(そしたら少しは私の気持ちもわかるでしょうよ)」だの、 「あんたなんか厠の下を泳ぐ魚でも食って、食あたりを起こせばいいのよばーかばーか」  てな歌を読んでいると、1000年2000年たったくらいでは、人間の本質って変わらないのねー、と、しみじみできること請け合い。 (だからこそ、過去の過ちを繰り返さないように、歴史に学ぶところは多いんだなあ、と……)

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2011/02/09

上巻には巻1~10を収録。校訂のみで訳は含まれていない。上下巻あわせても800ページに満たない分量だから、他の『万葉集』と併読比較しながら読むほうが理解が深まりそう。

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2009/10/04

佐々木信綱編の上下巻です。私が持っているのは誰の校訂だったかな? 日本には昔から「歌」がありました。嬉しい時、哀しい時、切ない時、淋しい時、恋している時、「歌」で心や自然を表現する伝統を持っているなんて、なんて素敵なんでしょう。

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2009/10/04

学生時代の教科書を未だに読んでます。国王(天皇)の恋の歌が収められた歌集は世界を見渡しても万葉集くらいしかないのだそうです。貴賎を問わず良い歌が幅広く収録されているところも感動です。ただ、この本には現代訳がついていないので自分で調べないと読めません。よって星四つ。

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