名も無き世界のエンドロール の商品レビュー
セリフが多く流し読み。 ストーリー展開に工夫を凝らしたみたいでしたが、 話が前後してしまい、かえって読みにくい。 帯につられて面白そうと思ったけれど、それほどまで 感動的な内容ではなかったです。
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台詞が多く、脚本を読んでいるようなページも多々。 かけあいがおもしろく、軽快で、伏線が散りばめられ、時系列がコロコロ変わる。 なんだか、伊坂さんに似ているなぁと思いながら読んだ。 後半、たたみかけるように伏線が回収されていく。 そして、最後のドッキリ『プロポーズ大作戦』は、名前...
台詞が多く、脚本を読んでいるようなページも多々。 かけあいがおもしろく、軽快で、伏線が散りばめられ、時系列がコロコロ変わる。 なんだか、伊坂さんに似ているなぁと思いながら読んだ。 後半、たたみかけるように伏線が回収されていく。 そして、最後のドッキリ『プロポーズ大作戦』は、名前のような幸せドッキリではない。 正直、後味が悪い。そして、切なく苦しい。 伏線回収を楽しもうと思ったら、もう一度読み返せば良いと思うのだが、ラストを思うと手は出しにくいかも。 嫌いではないが、読む時期を選ぶ作品。
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最近のすばる文学賞では、この前の直木賞受賞作家のを読んで十ページと保たなかった(近頃の若者にはついていけません)のであまり期待はしてなかったんですが、アレよりはかなり読めました。 構成がかなり凝ってるというか、時系列をバラバラにはめ込むのって最近の流行なんでしょうか。 ともかく、いくつものキーワードをちりばめ、過去の情景を拾っていって収束する、という手法は上手くまとめられていると思います。 ただ、ちょっと救いがないかな……。
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本屋で平積みされているのは知っていた。小説すばる新人賞受賞作だということで気にはしていた。でも、帯で躊躇していた。私には縁のない世界の話のような気がしていたから。 「王様のブランチ」で紹介されたことは知らなかったが、ふいに気になって手にとった。反則だけど最後の方だけちょっと読んで...
本屋で平積みされているのは知っていた。小説すばる新人賞受賞作だということで気にはしていた。でも、帯で躊躇していた。私には縁のない世界の話のような気がしていたから。 「王様のブランチ」で紹介されたことは知らなかったが、ふいに気になって手にとった。反則だけど最後の方だけちょっと読んでみた。たぶんそこで予感がしたのだ。これは読むべきだと。 そういう予感はよく当たる。 最初の数ページこそ、世界観がつかめなくて戸惑ったが、作者のペースを理解できたらあとはもう一直線だった。 映画のカットバックのように時系列が入り混じる。その配列の妙がなんともいえないときめきを感じさせる。 マコトとキダの会話、ヨッチとの会話の洒脱なこと。ちょっとずつ会話が跳躍するあたりが伊坂幸太郎っぽいと言われるのかもしれない。慣れるとクセになる。 マコトとキダのキャラクターがとても好きだ。ヨッチのことをずっと覚えていようと願う2人が切ない。 この3人に共通する決定的な欠落感や、諦観がなぜか自分のもののように思えてくる。どうしてこの感覚を知ってるんだろう、なんて。 私も映画はエンドロールの最後まで見る。場内が明るくなってからゆっくりと現実に戻るために。でもあまりにも深く心に刺さった映画は、エンドロールが消えても現実になかなか戻れない。 この作品も、奥付まで読んだけど、まだ現実に戻ってこれない。 私の中にもヨッチが焼き付いてしまったから。 毎回予想外の出来事には「ふわあ」とびっくりしてしまうキダくんや、深く透明で真っ暗な瞳をしたマコトも忘れられない。 先の展開の予想がうっすらついてしまうからこそ、かえってドキドキしてしまう。破滅の予感? でもページをめくる手を止められない。 そして、やっぱりと思いながらもその事実の哀しさに涙が出てしまった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
読み終えてから、改めてこの本につけられたタイトルの意味を噛みしめた。ハード・ボイルドタッチで語られる、この恐いもの知らずで無謀な若者たちの一途さが胸を打つ物語だ。 それこそ映画のカット割りのように、アトランダムに配された物語の断片が、実は効果的に計算された仕掛けだとは、、、 読み始めはつまらない不良の物語に思えるだけに、その山を克服して読み続ける人にだけ、これが実は悲しいまでのラブ・ストーリーであることがご褒美のように理解されるだろう。
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第25回小説すばる新人賞受賞作 これは…やられた。新人賞だしたいして期待していなかったけれど、巧妙な構成にすっかりやられた。 小説すばる新人賞といえばど真ん中の青春小説、ですよね。だけどこの作品にはそれにプラスしてミステリーな要素も含まれている。伊坂幸太郎さんのような作風。 ド...
第25回小説すばる新人賞受賞作 これは…やられた。新人賞だしたいして期待していなかったけれど、巧妙な構成にすっかりやられた。 小説すばる新人賞といえばど真ん中の青春小説、ですよね。だけどこの作品にはそれにプラスしてミステリーな要素も含まれている。伊坂幸太郎さんのような作風。 ドッキリストなマコトとそれにひっかけられるキダ。そしてその傍にはいつもヨッチがいた。クリスマスイブを境に世界は崩壊する。 一日あれば、世界は変わる。 最後猛烈に目頭が熱くなった。世界の終わりを目の当たりにした、思いっきり。指輪、喜ぶにきまってるよ、ほんと。伏線があちらこちらに散らばっていて、ページ間行ったり来たりを繰り返し、点と線とで繋がると体の内側から熱くなる。完成度の高い物語。哀しく美しい、そこにちゃんと存在した物語。
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ただの青春小説かと思わせておきながら、意外な意外な転がり方をしていく物語。 天性のドッキリストが仕掛ける、生涯最大のドッキリ。 そこに至るまでの周到な伏線がすごい。 この転がり方は読めない。
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