心配しないで、モンスター の商品レビュー
+++ 宇宙人? モンスター? それでもいいよ。 そういってくれる人は、きっといる。 下で何が起こっていても超然としている丘の上の馬鹿のように老いたいのに、結局じたばたしてしまう金森カナエ(50)。「舟唄」をテキストに不倫を楽しんでいる、桑原カオル(32)。彼はスーパーギタリス...
+++ 宇宙人? モンスター? それでもいいよ。 そういってくれる人は、きっといる。 下で何が起こっていても超然としている丘の上の馬鹿のように老いたいのに、結局じたばたしてしまう金森カナエ(50)。「舟唄」をテキストに不倫を楽しんでいる、桑原カオル(32)。彼はスーパーギタリスト。10コ下のストリート・ミュージシャンだけど。徳永早紀子(33)。パン屋の女主人にコンサートチケットを渡したい駐車場係員、楠本英智(69)。ピンクレディーのコスプレにはまってしまった、落合光弘(26)----。 ……さえない毎日にうんざりして、うまくやれない自分にがっかりして、孤独や不安に苛まれてどんよりする、そんなときこそ、鳴らせ、自分のテーマソングを! 9つの音楽に乗って、少しだけ前に進む9人の物語。シニカルでありながら温かく、たくましい。今回の平節は、「どれもラブソングを1曲聞いたようで、実に心地よい」(池上冬樹氏)! +++ 「丘の上の馬鹿になりたい」 「わけあって、舟唄」 「黒魔術の女とお呼び」 「夢路はどこにあるの」 「夕星に歌う」 「UFOに乗ってモンスターが行くぞ」 「わたしだって、いつかはプリキュア」 「真夏の果実はかじりかけ」 「心配しないでベイビー、やっていけるから」 +++ 登場人物がバトンタッチする形のゆるい連作である。だが、だれが主人公になったとしても、何かしらの悩みや屈託があるわけで、そんなあれこれを胸に秘め、日々を生きて――あるいは闘って――いるのである。そこに寄り添う一曲があり、折れそうなときによりどころにする一曲があれば、なんとかあしたもやっていけそうな気持になるのである。他人と比べることなどない、自分がいいと思った道を、自分なりのペースで歩いていけばいいのだ、と――半分開き直るような勢いであっても――思わせてくれる一冊である。
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9つの音楽に乗って、少しだけ前に進む9人の物語(帯より)。 最初の話を読んだ時は、あれ? いまいち?って思ったけど、読み進めるうちに引き込まれていった。 前話にちょい役で出てきた人物が次の話の主人公になるの。それぞれいろいろあるんだけど、その「いろいろある」が共感できるもので、楽...
9つの音楽に乗って、少しだけ前に進む9人の物語(帯より)。 最初の話を読んだ時は、あれ? いまいち?って思ったけど、読み進めるうちに引き込まれていった。 前話にちょい役で出てきた人物が次の話の主人公になるの。それぞれいろいろあるんだけど、その「いろいろある」が共感できるもので、楽しく読めました。
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9つの短編集。少しづつリンクしてるから群像劇になるのかな? 性別、年齢、立場等によって悩みは様々だと思うけど、だからこそ共感出来たり、エールを送りたくなる主人公が一人は見つかると思います。 大きな変化はないながらも、悩みながら少しづつ前進する姿は人間らしくていい。 自分のテーマソ...
9つの短編集。少しづつリンクしてるから群像劇になるのかな? 性別、年齢、立場等によって悩みは様々だと思うけど、だからこそ共感出来たり、エールを送りたくなる主人公が一人は見つかると思います。 大きな変化はないながらも、悩みながら少しづつ前進する姿は人間らしくていい。 自分のテーマソング、何だろうなー?
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