小鳥来る日 の商品レビュー

平松洋子【著】

2013/05/04

身近な庭の話から始めて、折々の季節の話題や身の回りのことなど、こまやかな視点で気づいたことを丹念に取り上げてエッセイに仕立てている。
物を取り上げれば、それにまつわる様々な思い出が浮かび上がってくるもの、、、そうした記憶の底を探る日々。

読み進めていくと、同じ世代と思われる著者の視点に親近感や共感をを覚えてくる。老眼鏡を失くして旅先のパリで立ち往生する著者の姿を想像して、同情を禁じ得なかった。

穏やかなな日常にも、わずかながらでも感情を揺さぶる出来事は生ずるものである。そうした心の動きに合わせた表現に著者ならではの文章の巧さを感じた。

2013/02/19

素敵なエッセイだ。どこか小さな庭のある落ち着いた雰囲気の場所で読みたい一冊。ページの一枚一枚をめくるとき、どうか余白にも注意を向けておいてほしい。あるところまで読み進めたとき、ふと、笑みがこぼれるはずだ。装丁を担当したデザイナーの純な遊び心にも、拍手。