小鳥来る日 の商品レビュー
エッセイはぱらぱらと見ただけでは面白いかどうかは分からない。ある程度ページを読み進めないとね。平松洋子さんは当たりかな。たくさんのエッセイを「猫の隊列が通る庭」「靴下を食べる靴」「文庫本、風呂に浸かる」「小鳥来る日」の4章に分けて載せている。最初の章は、動物や植物とのほんわかした...
エッセイはぱらぱらと見ただけでは面白いかどうかは分からない。ある程度ページを読み進めないとね。平松洋子さんは当たりかな。たくさんのエッセイを「猫の隊列が通る庭」「靴下を食べる靴」「文庫本、風呂に浸かる」「小鳥来る日」の4章に分けて載せている。最初の章は、動物や植物とのほんわかした触れ合いが書かれていて心和む。猫がしょっちゅう通る庭いいね。ベトナムの帽子もかぶってみたい。次の章が最高に面白い。街角で出会う愉しい、可愛い人たちへ注ぐ眼差しがとても優しい。老夫婦が喫茶店にやってきて「なににいたしましょう」「おれ、いちごのババロア。あんたのほっぺみたいなピンク色の」すかさず奥さんが「じゃああたしチョコレートケーキ。このおじいさんの顔色みたいの」後の章は著者自身の身辺のこと。弥生時代の遺跡から竹の籠が出土したっていうけど、なんかすごい。
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文字通りの小鳥関係の本ではなかったけれど、小鳥じゃなくて、でもなんとなくちょっと良いなということがたくさん来る日常が良かったです。 たくさん来る、というより、ちょっと良いなに気付けるのが素敵で、楽しそうな生き方だなと思いました。 退屈で何も良いことない〜みたいな日々なんて無いのか...
文字通りの小鳥関係の本ではなかったけれど、小鳥じゃなくて、でもなんとなくちょっと良いなということがたくさん来る日常が良かったです。 たくさん来る、というより、ちょっと良いなに気付けるのが素敵で、楽しそうな生き方だなと思いました。 退屈で何も良いことない〜みたいな日々なんて無いのかもしれません。ワクワクして面白がってたらいつも何かある、たぶん。
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新聞の日曜版に連載されていたエッセイ。 休日の朝をゆったりした気持ちで迎えさせてくれそうな話が続く。 平松さんが日常生活の中で感じた出来事は、うんそうそう私も…と共感するものが多い。 例えば、素足について「足の裏」って「裏」なんかじゃなくて、身体の全てを背負う堂々たる「表」だという話。 洋服等身につけるものとの宿命のような相性の話。 ミシンが苦手で手縫いが好きという話(私も!)等々。 特に、身体の具合が急に悪くなり病院で検査を受けながら思う「ある生活」と「ない生活」の話は、病気や別れ、死が身近に起こる機会が多くなった私にも居たたまれない。 両者は正反対でありながら表裏一体。 今の「ある生活」は明日の「ない生活」の裏返しに過ぎない。 なくして初めて気付く「ある」ことの有り難さを私もしみじみ思う。 でもまあ、なくなって現れるものもある。 もし穴がぽっかり空いたとしても無理に埋めなくてもいい。 なくなったことを受け容れれば新たな風の通り道がおのずと現れ来る。 平松さんは新たな道標も示してくれる。
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エッセイストでもあり、フードジャーナリストである平松さんが 日常生活の中で出会った普通の出来事を 素直な感性で綴ったエッセイだった。 本のネタあり、料理のネタあり。 自宅の様子あり、知人との会話あり。 ウォーキングしながら、ナデシコジャパンの快挙を気にしたり、 レース編みのすき...
エッセイストでもあり、フードジャーナリストである平松さんが 日常生活の中で出会った普通の出来事を 素直な感性で綴ったエッセイだった。 本のネタあり、料理のネタあり。 自宅の様子あり、知人との会話あり。 ウォーキングしながら、ナデシコジャパンの快挙を気にしたり、 レース編みのすきまから こぼれおちる木漏れ日に昔を回想したり、と、 その日常生活は、私たちと全く変わらない。 でも、なんの変哲もない毎日の中で キラリと輝く思い出のかけらや気になるしぐさを 見つけることのなんと上手い人だろう。 やはり、「エッセイストの観察眼」というものを お持ちなのだろう。 すでにお亡くなりになっている向田邦子さんの作品にも 同じような感想を持っていたが、 平松さんの作品は、 向田さんよりももう少し身近に感じられ、 食欲や読書欲をそそられる。 この作品は、2011年4月~2012年12月まで 「毎日新聞」日曜版に掲載されていたエッセイをまとめたものだとか。 平松さんのエッセイ、次回はどんな形で登場するのか楽しみだ。 こんな観察眼を私も持ちたいものだと思う。
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鳥類の飼育日誌ではない。 平和な日常について語る、ゆるいエッセイ本。短編で、全72本。 2011年4月~2012年12月までに、毎日新聞で連載した話の再録。 著者の年齢は知らないが、老けた感性を持った20代の自分とも感性が通ずるところがあり、穏やかな気持ちで読めた。 特に気に入...
鳥類の飼育日誌ではない。 平和な日常について語る、ゆるいエッセイ本。短編で、全72本。 2011年4月~2012年12月までに、毎日新聞で連載した話の再録。 著者の年齢は知らないが、老けた感性を持った20代の自分とも感性が通ずるところがあり、穏やかな気持ちで読めた。 特に気に入った話を3本挙げると、「雑巾縫いがやめられない」「靴下を食べる靴」、そして「ひよこの隊列、ごきげんさん」。 この著者には是非ともすすめたい、刺し子の麻の葉縫いを。
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食に関する彼女の本は江戸っ子口調が鼻についてちょっとうざったいなと思うところもあったけど、毎日新聞「日曜日版」に連載されていた、この日常を綴ったエッセイはとてもいい。年齢が似通っているせいか共感できるところがたくさんあるし、文学的な言い回しも嫌味なく、むしろ心地よく受け止められる...
食に関する彼女の本は江戸っ子口調が鼻についてちょっとうざったいなと思うところもあったけど、毎日新聞「日曜日版」に連載されていた、この日常を綴ったエッセイはとてもいい。年齢が似通っているせいか共感できるところがたくさんあるし、文学的な言い回しも嫌味なく、むしろ心地よく受け止められる。 洗濯物の靴下の片方をよく紛失するが、知らん顔をしているといつもまにやら姿を現わすとか、ゴミの日に家じゅうのゴミをかき集めてすべて出し、きれいになったところで梨の皮をむき、これも出したかったと思うくだりなど。「靴下を食べる靴」なんぞ、そうそうそうなんてもんである。→平松口調。
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読んでいてなかなか楽しかったという記憶はあるものの、2・3日後にして内容はほとんど思い出せない。 もちろんそれは悪いことじゃない。けどあんまり何も思い出せないのはやっぱりちょっと寂しい気もするなぁ。
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庭の植物たち、街で見かけた不思議な人々、子どもの頃の記憶、旅先での幸せな瞬間、日々の暮らしあれこれ…新聞の人気連載を一冊にまとめたエッセイ集。 読み始めてすぐに、私はこのエッセイに夢中になってしまった。四季の移ろいや、身の回りの細々とした事物、友人と交わした言葉、街で見かけたこ...
庭の植物たち、街で見かけた不思議な人々、子どもの頃の記憶、旅先での幸せな瞬間、日々の暮らしあれこれ…新聞の人気連載を一冊にまとめたエッセイ集。 読み始めてすぐに、私はこのエッセイに夢中になってしまった。四季の移ろいや、身の回りの細々とした事物、友人と交わした言葉、街で見かけたことなどなど…日常の中で遭遇した心奪われる瞬間を見逃さず細やかな洞察力で切り取る。そこに想像力で鮮やかな色彩を加えて、あたたかな言葉で私たちにもその景色を見せてくれる。例えば「足の裏がはしゃぐ」という言葉。5月になると厚手の靴下を脱いで、裸足で床の上を歩けるのがうれしい、という話だった。薄手の服を着れるような爽やかな季節になると、私もうれしくなってくる。その気持ちを、身体の一部がまるで意思を持っているかのように表現しているのがおもしろかった。著者のこんな言葉の選び方も素敵だな、と思う。エッセイから察するに私の母親と同じくらいの年齢かと思われるが、視点や言葉に子供のような無邪気さが感じられて、私も思わず笑顔になってしまった。 このエッセイから、日々はこんなにも小さな奇跡で満ちているのだと気づかされた。その奇跡に気づくことができれば、私の毎日はもっと愉快なものになるに違いない。著者のような好奇心と想像力を持って、日々を過ごしたいと思う。
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うちは、朝日新聞なので初めて読みました。少し前の、『本の時間』で紹介されていたのです。新たに、おもしろ作家さんを知ることができて、良かったです。そう思うと、『本の時間』が休刊になったことが、残念でなりません。
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