写楽 閉じた国の幻(下) の商品レビュー
写楽の正体を解き明かす歴史ミステリー 島田荘司さんは御手洗潔も面白いけれど、本作のように知的好奇心を満たしてくれる作品もいいですね 写楽と蔦屋重三郎の心温まる物語です
Posted by
帯に、「構想20年。」とある。 確かにこれだけ調べるのは並大抵のことではないだろう。 "写楽とは何者なのか?" 歌麿が激怒したわけが、著者の推理だと腑に落ちる。 上巻を再読した時は、全然覚えてなかったと感想を書いたが、全部読み終わると、よく忘れていたな、と自分...
帯に、「構想20年。」とある。 確かにこれだけ調べるのは並大抵のことではないだろう。 "写楽とは何者なのか?" 歌麿が激怒したわけが、著者の推理だと腑に落ちる。 上巻を再読した時は、全然覚えてなかったと感想を書いたが、全部読み終わると、よく忘れていたな、と自分に呆れた。最初に読んだのはたぶん十年以上前だけど。 面白かったが、入り組んでいて読むのが大変だったし、最初に出てきた肉筆画の謎などはまだ残ったままだ。 印象的だった所を引用すると、 (上巻だが) 「でも写楽は違う。静止写真じゃなく、あれは動体の撮影です。動いているものの一瞬の姿を、ぴたっととらえているんです」中略「欧州の名画群が、被写体が一分間我慢のピンホール・カメラなら、写楽は千分の一秒の高速シャッターを持っているんです」 とても面白い見方だと思った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
佐藤と出版社の常世田たちが、写楽は誰かの考察を進める中、オランダ商人の記録の写しをオランダで入手した片桐教授のお陰で、写楽は外国人という説が一気に可能性を帯びてくる。 一方、江戸編にて当時の状況長崎に滞在していたオランダ商人が参府した際の蔦屋重三郎とのやりとりが描かれ、ぐんぐん引き込まれてしまった。 写楽は誰かという議論や当時の江戸文化など、興味深い内容満載で、特に江戸編が面白かった。 大河ドラマの"べらぼう"をフォローしていなかったが、今更ながら、少し興味が湧いてきた。(笑)
Posted by
作者(島田荘司)が挑んだ写楽ミステリー。蔦屋重三郎、歌麿、山東京伝とのやりとりも面白い。現代での謎解きを江戸時代ではこうだったろうって、ストーリーを並列してるから日常でTVを観ている感覚に落ち入りどんどん読み進めた。あとがきは、物語以上に良かった。島田荘司先生の今後の発表作品を見...
作者(島田荘司)が挑んだ写楽ミステリー。蔦屋重三郎、歌麿、山東京伝とのやりとりも面白い。現代での謎解きを江戸時代ではこうだったろうって、ストーリーを並列してるから日常でTVを観ている感覚に落ち入りどんどん読み進めた。あとがきは、物語以上に良かった。島田荘司先生の今後の発表作品を見逃せない。
Posted by
消えた浮世絵師東洲斎写楽の正体に迫ったミステリーの下巻。長大な作品の割には現代編のモヤモヤしたものが残るが江戸編は人間ドラマとして熱いものが感じられた。それに現代編も紆余曲折(平賀源内説とか)あっての真相解明はミステリーとして良かったと思う。読了後に写楽の第1期作品(大首絵)が観...
消えた浮世絵師東洲斎写楽の正体に迫ったミステリーの下巻。長大な作品の割には現代編のモヤモヤしたものが残るが江戸編は人間ドラマとして熱いものが感じられた。それに現代編も紆余曲折(平賀源内説とか)あっての真相解明はミステリーとして良かったと思う。読了後に写楽の第1期作品(大首絵)が観たくなった。 個人的な考えとしては現代に例えると蔦屋重三郎が漫画雑誌の編集長でネームの素晴らしい新人作を大御所漫画家プロダクションに委託(なので金もかけた)、ペンネームをつけて連載するも打ち切りとなり後になって調べ様にも当事者死亡で分からなくなったという認識。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2013/5 初読時のメモより 作者が提示した、写楽の謎:写楽が誰にせよ(既に知られた人物の変名にせよ)何故出自などが全く伝わって無いのか、接触していた筈の周りの人々が写楽について何故なにも語っていないのか。写楽はオランダ人だったという仮説は、これを合理的に説明していると思う。役者絵は、ブロマイドと芝居の宣伝を兼ねるものなのに、写楽は本来対象にならないような端役も描いていたという事も本作で初めて知った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読了して、まさに写楽、証明終了したんじゃないかと思った。 そもそも写楽という名前自体、写す楽しみと書く、という話になった時のパズルのピースがはまった感は鳥肌モノ。 説を実証するために証拠の文献を集めていく過程は、学術研究の楽しさも感じられた。 そして、カリスマ出版人の江戸っ子・蔦屋と、お調子者で気のいいオランダ人・ラスさんの友情には、意外にも涙腺が緩んでしまった。
Posted by
謎の絵師写楽の正体は? 実在する歴史上の謎に対し、小説の体をとりながらも、作者の膨大な下調べと長年の考察による新説をぶち上げる。このような小説を読むのは初めてかもしれない… 自分は写楽について知識がないので、これが写楽論争に一石を投じ得るものなのかは分からないが、 読んでいる限...
謎の絵師写楽の正体は? 実在する歴史上の謎に対し、小説の体をとりながらも、作者の膨大な下調べと長年の考察による新説をぶち上げる。このような小説を読むのは初めてかもしれない… 自分は写楽について知識がないので、これが写楽論争に一石を投じ得るものなのかは分からないが、 読んでいる限り状況証拠もいくつかあるしとても面白いと感じた。もちろん小説家ならではの創造力がその合間を埋めているのはわかっているが。 なによりこのようなチャレンジングな小説を読んだのが初めてなので単純に感動した。 実在しない絵師をでっち上げて完全フィクションを作ったのならこんなに感動しなかったろう。
Posted by
2022年2月4日読了。 ・ 『東洲斎写楽』 寛永六年・1794年の5月から1795年の正月までの10ヶ月間のみ突如江戸に現れ、140数点もの作品を猛烈な勢いで作り上げ、そこから忽然と姿を消した謎多き1人の浮世絵師。 有名でも無名でも、他の絵師たちには生い立ちやエピソード・風貌...
2022年2月4日読了。 ・ 『東洲斎写楽』 寛永六年・1794年の5月から1795年の正月までの10ヶ月間のみ突如江戸に現れ、140数点もの作品を猛烈な勢いで作り上げ、そこから忽然と姿を消した謎多き1人の浮世絵師。 有名でも無名でも、他の絵師たちには生い立ちやエピソード・風貌・人柄など多かれ少なかれ何かしらの情報があるのに対して、写楽に限っては一切の情報が皆無である。 文献も残っていなければ、版下絵・肉筆画・練習の為の絵などの類も、写楽のものだけは何一つ発見されていない。 更なる謎として、『喜多川歌麿』や『葛飾北斎』を世に送り出し、江戸一番の版元として名を馳せた『蔦屋重三郎』が、無名の写楽を大抜擢し、黒雲母摺りという高価な材料を使った待遇でデビューさせている事。 ・ 写楽と顔を合わせていたであろう『蔦屋重三郎』や、蔦屋組と呼ばれた『喜多川歌麿』『葛飾北斎』『十返舎一九』『山東京伝』などの有名人達が何一つとして写楽について語っていない事。 ・ 『写楽=別人説』や『写楽は存在しなかったのではないか』など様々な議論がなされるが正体は謎のまま。 ・ ・ 北斎の研究を専門としていた『佐藤貞三』は、とあるきっかけで一枚の浮世絵の肉筆画を手に入れる。 浮世絵とは基本的に美男美女・スターを描くものだが、その絵にはどう見ても美しくはない醜女が描かれていた。 しかし浮世絵史上、ただ一つの例外として醜女を描いて有名になった絵師が存在したのだ。 それこそがまさに『東洲斎写楽』 まさかこれは写楽の肉筆画なのか? そうであればこれは時代を揺るがす大発見なのではないか? そんな事を考えている折、とあるビルの回転ドアによる事故に巻き込まれ、大切な人を失ってしまう。 絶望の中、事故の原因究明の場で知り合う事になった機械工学の女性教授『片桐教授』と共に写楽の正体を探り始める。 ・ ・ 初の島田荘司氏の作品。 構想20年という大作。 写楽という存在は知っていたし、『奴江戸兵衛』はとても有名な作品なので観た事もあったが、ここまで謎の多い人物だという事はまったく知らなかった。 作中で写楽の正体を著者の自説で明確にしているが、本当にそうなのではないかと思わせるほどリアル。 どこまでが史実に沿った話なのか分からないが、とても面白い説で、読み終わった後の感想としては実際そうであって欲しいとすら思ってしまった。 ・ 現代編と江戸編の2つの時代のストーリーから成り立っていて、現代編ではメインストーリーと写楽に関しての説明・推測が大筋。 江戸編では実際どのような事になっていたのかという答え合わせ的なストーリー展開だった。 ・ 無理に現代編のストーリーは必要ないんじゃないかと言う意見も多々あるようだが、ストーリーがいらないのであれば写楽に関しての文献や参考書でも読めばいいわけで、小説が読みたくてこの本を手に取った自分としてはストーリーありきで良かったのではないかと思う。 語りきれてないのは否めないが…。 ・ 江戸編は天保九年だの文政元年だの、年号がよく分からず苦手なので、初めのうちは読み辛さを感じたし、現代編は説明を丁寧にする為か同じ事を何度も解説していて読み辛さを感じて上巻は読むのがキツかった。 しかし、下巻からの江戸編の面白さは格別。 現代で言うところの敏腕プロデューサー『蔦屋重三郎』の漢気溢れる感じがたまらなくカッコいい。 現代編の主人公『佐藤貞三』が魅力が無さすぎて、本当の主人公は『蔦屋重三郎』である。 大手書店企業の『TSUTAYA』の名前の由来ともなっているらしく、『蔦重』の偉大さを感じた。 ・ 作中にオランダの話が頻繁に登場し、フェルメール・ゴッホ・レンブラントといった画家達の名前があがっていた。 自分の人生の中で唯一行った海外旅行がオランダであり、フェルメール・レンブラントの作品は美術館で鑑賞してきたが、アムステルダム国立美術館に写楽の浮世絵が展示されている事を全く知らなかった。 日本の誇りとして鑑賞して来なかった事を心から後悔。 ・ 著者が後書きでも書いていたが、上下巻合わせて900ページ以上あるのにページの都合上、伏線の回収がしきれていなかったり、書きたかった事を書ききれなかった事が心残りだそうで、続編を匂わせる発言をされていた。 しかし、この本が発売されて10年近くたっているがまだその兆候は見られないので期待は薄いのかもしれない。 実現するのであれば、読んでみたい。
Posted by
二回目。それを承知で読み始めたがすっかり忘れていた。途中で思い出した。 初めて読んだときは興奮した。でも二回目で思い出すと写楽の正体はわかっている。興味は半減。面白味も半減。となると小説部分の粗が目立つ。子供の死亡事故なんて何の関係もないやん。現代のドラマは収束もせずお粗末。...
二回目。それを承知で読み始めたがすっかり忘れていた。途中で思い出した。 初めて読んだときは興奮した。でも二回目で思い出すと写楽の正体はわかっている。興味は半減。面白味も半減。となると小説部分の粗が目立つ。子供の死亡事故なんて何の関係もないやん。現代のドラマは収束もせずお粗末。江戸時代のドラマはまあ面白いが台詞が鬱陶しい。洒落本を研究しているのはわかるけど、そんな話し方はせんやろ。洒落本風に書いたのかもしれないが、知識のひけらかしにしか感じられない。
Posted by
