紅葉街駅前自殺センター の商品レビュー

光本正記【著】

2013/07/22

土井洋介は自殺を希望して自殺センターに通い始める．センターでは5回のカウンセリングで希望が叶えられる段取りだ．洋介は妻・悠里と長男・祐樹の3人で暮らしていたが、妻と長男が刃物を持った男に襲われ長男は死んでしまった．カウンセリングで担当者から止めないかと何度もたずねられたが意思を通す．自死通知書を赤紙と称しているが、最後の段階で悠里から赤紙が届く．終わりは少しバタバタした感じだが、面白い発想から生まれた物語だ．

2013/06/29

ラストは若干ファンタジーちっくだけれど、そこまでは様々な伏線が張り巡らされている。え、そこも複線だったの！？ってことがしばしば。

2013/05/19

タイトルはそのまんますぎますが、かなり好きな作品です。
自殺しようとしている夫のもとに妻から赤紙が届くあたり、びっくりな展開でした。
最後の最後はめっちゃ悲しい結末で、それがもどかしい。
途中でハッピーエンドになってほしいとどんだけ思ったことか。
後半駆け足で読んでしまったので、もう一回読みたい。

2013/05/16

紅葉街の駅前にある自殺センター。その本館に入ったものは二度と外へは出てこない。
生きるとは？死ぬとは？

息子を通り魔に殺された土井はとある場所に電話をする。
そこは国の管理する施設、紅葉街駅前自殺センター。
生きていることが苦みでしかない彼の選択は自殺をすること。
「やっぱりおたく、自殺しちゃうの？やめる気はない？」

ふと気づくと涙がこぼれていた。
「自死通知書」通称「赤紙」。
私が自殺を決意した場合、誰に赤紙を送ろうか…。
そんなことを考えてしまった。

伊坂幸太郎氏の雰囲気を感じる作品。
キャラクター設定など特に。黒瀬やキリコやエレベーターおじさんなど。
伊坂氏の作品が好きなら、気に入ると思う。
きっと作者も好きなんじゃないかな。

世の中のすべての人に幸あれ、…なんて気障なことを思った。

2013/05/10

国が自殺を公認している、しかし自殺するためには長い審査を受けなければいけない。
テーマは面白かったが、自殺に関することよりも、その審査を待つ過程が中心になっているように感じた。最後は打ち切り漫画みたいな終わり方だったが、予想すればきっと主人公の彼はようやく感じ取ることができた幸せを手に入れることはできないのだろう。

2013/05/02

折り重なる悲劇に潰されて頑なに死を願う主人公の丁寧な描写で終盤手前まではグイグイ読ませたものの、懺悔のくだりあたりから雑になりラストはとても残念な顛末に。重いテーマを真正面から捉えた意欲作だっただけにもったいない。

2013/04/15

自殺志願者が5回の面談で死ぬことを助ける自殺センターを描いた近未来SF。タイトル通りの暗い救いのない内容だけどちらほらとユーモアもあり展開が気になってどんどん読めました。好きなテーマではないですが、物語を堪能できました。

2013/03/25

すごく難しいテーマ。すとんと落ちるものはなく、整理できないまま終わってしまった。ただ、自分自身を死においやることで、解決できるものはないんだ、というメッセージは受け取った。

2013/03/12

自殺者の増加を食い止めるために設置された国家機関「自殺センター」、生きる気力を無くして自殺を決意した主人公、「切断魔」と呼ばれる連続殺人鬼を主軸として描かれる大人のファンタジー。一部の展開は読めたりもしましたが、極上のエンタテインメントであることは間違いありません。

2013/02/24

この人ホントに自殺しちゃうのかな～
もしかして切断魔だったりするのかな～
といろいろ勘ぐりながら読み進めていったけど、なかなか明るい兆しがみられない。
キリコとの繋がりがわかっても気持ちが動く様子はない。
う～ん　やっぱりこのまま逝っちゃうのか??　　
最後は落ち着くところに落ち着いたカンジ