つばさものがたり の商品レビュー
驚いた。 病気や死を題材とした小説はどちらかというと苦手で、無理やり泣かせようとしているように思えてしまうけれど、そうじゃなかった。 小麦や叶夢やレイが努力して前へ前へと進んでいく姿に、胸が震えた。 お兄さんが叶夢とレイと向き合い、お兄さんのお嫁さんが自分の生き方を決意し、お母...
驚いた。 病気や死を題材とした小説はどちらかというと苦手で、無理やり泣かせようとしているように思えてしまうけれど、そうじゃなかった。 小麦や叶夢やレイが努力して前へ前へと進んでいく姿に、胸が震えた。 お兄さんが叶夢とレイと向き合い、お兄さんのお嫁さんが自分の生き方を決意し、お母さんが小麦を支える姿に、自然と涙が溢れた。 頑張って頑張って頑張っても、上手くいかないこともあるかもしれない。 それでも諦めないからこそ、ひたむきになるからこそ、命は光るのだ。小麦がレイの姿を感じたときのように、キラッと――。 壁を越えたいともがいている人の心に、きっと効く小説だと思う。
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高校時代に受けた模試の問題文に使われていた作品。ふと、話の全容が気になって、数年越しで一冊全部読んでみた。 ……うーん。最後、小麦を死なせる必要はあったのかなぁ。そりゃお涙頂戴のためには一番手っ取り早い方法だし、事実、読んでるほうは切ない気分にさせられるけども……。小麦にはもっと幸せになってほしかったなぁ。 どこか物足りないというか、やりきれなさの残る小説でした。
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叶夢がよかったなあ。 暗い未来も状況も、ちょっとやわらかくしてしまう感じが。 レイの存在をみんなが認めているというのもよかった。
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「犯人に告ぐ」の雫井脩介さんの著作。 サスペンスあるいは警察小説とは毛色の違った家族の物語。ファンタジーの要素を組み込みながら、生きるということを家族の物語から考えさせられた。
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亡き父の遺志を継ぎ、自分のケーキ屋を開くと決意したパティシエールの君川小麦。しかし、初出店のために決めたお店は「流行らない」と甥の叶夢に言われてしまう。これは叶夢にしか見えない、天使と妖精のハーフ・レイに言われたことを伝言したにすぎなかった。一度目の出店で挫けてしまった小麦を勇気づけ・励ましたのも叶夢とレイであった。 主人公を小麦として、私は読んでいたが、小麦と深い関係を持つことになる叶夢が甥っ子っという設定が珍しく思った。単純な親子関係にしないところが、雫井さんの力量なのであろう。また、叶夢にしか見えない天使と妖精のハーフ・レイ君という設定も面白かった。最後まで、レイ君が本当にいるのかどうかわからないのが良かった。叶夢の両親が叶夢の行動に疑問を持つのも普通であろう。私であったら、どうあっても、信じられない気がする(笑)。 ただ、叶夢がレイ君と共に努力するというところは感動した。また、見えるや見えないではなく、子どもの事を信じ、その子供の信じていることに一生懸命応援してあげる叶夢の両親は本当に素敵な両親であると思った。 小麦を不治の病にしてしまったのは、ちょっといただけなかった。が、最後に小麦を死なせるという決断をした作者はすごいと思った。読んでいて、天使の力で、小麦を快復させると思っていたため、なおさらこのように感じた。
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静かな始まりでありがちな設定だなと、なんとなく読み進めていました。 中盤~後半にかけて代二郎がレイという存在に心が動いたその時に 私も叫んでいました!! レイ!飛べ!レイ! 完全に私もその場にいるかのように叫んでました。 レイがいて、レイに叫んでいました、飛べ!レイ! 嘘のよう...
静かな始まりでありがちな設定だなと、なんとなく読み進めていました。 中盤~後半にかけて代二郎がレイという存在に心が動いたその時に 私も叫んでいました!! レイ!飛べ!レイ! 完全に私もその場にいるかのように叫んでました。 レイがいて、レイに叫んでいました、飛べ!レイ! 嘘のようですね。読み始めた時のレイに対しての印象と比べたら・・・ 残念ながら小麦さんのように光は見えなかったですが、レイがいると思えた瞬間から、何か幸せを感じたような気がします。 ありがとうございます。この本に出会えてよかったです。
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ハートウォーミング! レイの存在とか、道恵さんは修業期間が短いのに大丈夫なものなのかとか、ひっかかるところはあるけど、そういうことを差し引いても心が温まるお話だった。 叶夢のお父さん、どうしても頭の中でクレヨンしんちゃんのお父さんに変換されてた。
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小麦と周辺の人たちの話だけなら、よくあるストーリーで終わっていたが、天使が登場することで、悲しい物語なのに温かい気持ちになる。 天使にも、本当の天使になるための試験があって、つばさにも個性があって、人間のオーラが好物でって凄く面白い設定だ。代二郎のオーラは「珍味」のくだりは笑って...
小麦と周辺の人たちの話だけなら、よくあるストーリーで終わっていたが、天使が登場することで、悲しい物語なのに温かい気持ちになる。 天使にも、本当の天使になるための試験があって、つばさにも個性があって、人間のオーラが好物でって凄く面白い設定だ。代二郎のオーラは「珍味」のくだりは笑ってしまった。
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人の芯の強さは、行動になり、人の心を打つ。 誰かの綻ぶ笑顔を引き出せる人は、どんな人なのだろうかと少し、理解できた気がする。
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小麦ちゃんの一人で頑張りすぎちゃう性格が切ない。 その気持ちもわかるからもっとせつなくなった。 兄嫁の決心するシーンがすごく好き。ぐっときた。
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