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下に見る人 の商品レビュー

3.2

36件のお客様レビュー

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    4

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

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  4. 2つ

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2014/06/09

負け犬の遠吠え書いた人です。自分はマガジンハウスの雑誌を読んで育ったもので、とにかく読み易い。なんなんだこの肌にすっすと入ってくる感覚…と思いながら読んでいました。冒頭はシリアスです。昔のいじめと今のいじめは標的が異なる、に深く納得。後半に進むにつれ、若干冷笑&開き直り気味になっ...

負け犬の遠吠え書いた人です。自分はマガジンハウスの雑誌を読んで育ったもので、とにかく読み易い。なんなんだこの肌にすっすと入ってくる感覚…と思いながら読んでいました。冒頭はシリアスです。昔のいじめと今のいじめは標的が異なる、に深く納得。後半に進むにつれ、若干冷笑&開き直り気味になってきますが、最後清少納言が「女子の人間関係」につながるような挙動を披露して終了。一題一題、いちいち納得しながら読みました。あー面白かった。

Posted byブクログ

2014/05/14

誰でも一度は、他人を「下に見た」経験があると思う。 本書は、その心の内奥を炙り出しているような気がする。 もちろん、私自身も思い当たることが多々あった。 著者も読者も、人を下に見るというその理由を掘り下げることによって、人間の弱さを知り、それを許容する気持ちになるのではないか。 ...

誰でも一度は、他人を「下に見た」経験があると思う。 本書は、その心の内奥を炙り出しているような気がする。 もちろん、私自身も思い当たることが多々あった。 著者も読者も、人を下に見るというその理由を掘り下げることによって、人間の弱さを知り、それを許容する気持ちになるのではないか。 後半の「ブス」の項は過激だったけれど、もしかしたら例えとして、一番分かり易いかもしれない。 著者が「世の中をざっくりと上と下に分けるとしたら、その境界線に近いところにいる人ほど、他者を下に見たい、という欲求は強くなるのです。それは自らのポジションを死守するための自衛手段と言うことができるでしょう」(p193)というように、「下に見る」という行為は、余裕のなさの裏返しである。そう思えば、可愛いものなのかもしれない。 著者は、そんな余裕のない自分や他人に愛着を感じているのではないだろうか。 (著者に言わせるとこのような愛着の持ち方は「下に見る」ことになるのかもしれないが)

Posted byブクログ

2014/04/06

「上に見られたい。下に見られたくない。」という病 「上から目線」という言葉が流行して久しい昨今、「人を下に見る」心理とはいったいどういうところから生まれるのか、男女関係や世代間、組織など世の様々なシチュエーションから酒井さん流に検証する。 自らの力で上に登るのではなく、今あ...

「上に見られたい。下に見られたくない。」という病 「上から目線」という言葉が流行して久しい昨今、「人を下に見る」心理とはいったいどういうところから生まれるのか、男女関係や世代間、組織など世の様々なシチュエーションから酒井さん流に検証する。 自らの力で上に登るのではなく、今ある自分の位置より下に人を置いて 人を下に見ることにより上に立とうという意識。 人より上に行きたいと思うならそれなりに努力して抜きん出るのが本来だろうけれど 「出る杭は打たれる」と言われるように わが国では何事も横並び、人と同じであることを良しとしてきた結果 よほど出過ぎたもの以外はむしろ足をひっぱられるというのだ。 横並びの中にあって少しでも自分が上に立っていることを実感するには 横にいるものを落として下に見るしかない。 なんだか卑小な心理だ。 そういう方法によって立つ上の位置なんかは錯覚に過ぎないだうけれど 酒井さん曰く学校や会社でのいじめや 歴史的にみれば明治から太平洋戦争まで連綿とつづいてきた脱亜入欧も この心理に通じるものがあるのだと。 〈すなわち、世の中をざっくりと上と下に分けるとしたら、その境界線に近いところにいる人ほど、他者を下に見たい、という欲求は強くなるのです。それは自らのポジションを死守するための自衛手段と言うことができるでしょう。〉 何事においても最も顕著にこの傾向が見られるのは、上と下のちょうど中間にいる人。 下を見れば上にいるとも言えるが、一歩間違えば下に転落という微妙な位置にいる人。 思えばかつて「一億総中流」といわれた日本にはこのラインに人がひしめいている。 男尊女卑思想が行き着いた結果見下しあう日本の男女関係を語っては 「私のことを見下すことができるようなご立派な男なのかお前は」 木嶋佳苗事件から語り始められるブスのパワーに対する世間の危機感を突いては 「容姿にも『分』ってものがあるだろう!わきまえろ!」 などなどこの度も至るところで酒井節が炸裂。 終始辛口の唸りっぷりながらも 日本に限らず人を比べて序列を作り他者を下にみることによって満足感を得る ということは人間共通の不治の病、と語るあとがきは達観。 ・・・なんて書いてる私こそ「何サマ?」なわけだが。

Posted byブクログ

2014/03/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

木島香苗を例にあげた「ブス」の章には笑った。 ブスでもなく美人でもないボーダーラインにいる中途半端な容姿の人間が、「美人が行うような犯罪」を犯した木島香苗を忌み嫌い、いらつきながらも気になってしまう。 ブスらしくしおらしいブスには女性は甘い。 「人知を超えた醜女のパワー」を発揮したキジカナ、の表現は的確すぎて笑ってしまった。

Posted byブクログ

2019/08/02

相変わらず、スカッとするようなわかりやすい毒舌とかではないけれと、静かに、鋭く、痛いところをついてくるなあという印象。 思わず、「そうなんです、すみません」と、謝ってしまいそうになる。 p.21 区別したり、排除したり、排除するためにエンガチョしたり。…と、私達がついつい他人と...

相変わらず、スカッとするようなわかりやすい毒舌とかではないけれと、静かに、鋭く、痛いところをついてくるなあという印象。 思わず、「そうなんです、すみません」と、謝ってしまいそうになる。 p.21 区別したり、排除したり、排除するためにエンガチョしたり。…と、私達がついつい他人と自分との間に境界線を引こうとする土壌は、既に小学生の頃から着々と養われているのでした。無心にお絵描きごっこを続ける姪っ子を見ていると、この子には丸の外側に出されてしまう疎外感も、誰かを丸の外側に弾き出すような傲慢さも持ってほしくないものだと、叔母は思うのです。 p.136 大人の私は、「サマ」や「(笑)」に、「敬意を表されていない感じ」を受けるのです。つまり私は、「客は、店員さんから敬意を受けて当然」と思っており、だからこそ「サマ」や「(笑)」に、「馬鹿にしてんのか」と思ってしまう。 p.143 つらさ自慢とは、つらさ慣れしていない人にとっての処世術なのです。苦労が多い人というのは、いちいちつらさ自慢などしないもの。 p.169 グローバル化の時代と言われて、久しい時が過ぎます。(略)しかし今、若者達を見てみると、何ら「打って出て」などない気がするのでした。外に出るよりうちでまったり…と、むしろ内向き傾向が強まっている。ま、世界に出て行って渡り合うだなんて大変だものねぇ、わかるわかる、とは思います。 が、内向き傾向が強まるといつことは、互いを監視し合う傾向も強まることでもあります。「みんな一緒に低レベル」だからこそ、自分が「低」であることは目立たないのであり、誰かが抜け駆けして高レベルに行こうものなら、自分が「低」であることが目立ってしまう。だから、出る杭は早めに打っておく。

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2013/12/07

酒井順子は清少納言である。 人が人を「下に見る」ことで味わう密かな優越、「下に見たくなる、線を引きたくなる」甘い誘惑について、センスの有る無し、頭の良し悪し、地方と東京、男と女などを題材に、こういうことは言うのは勿論、思ってもいけないのが世の中では正しいんだけど、本音は皆さん、...

酒井順子は清少納言である。 人が人を「下に見る」ことで味わう密かな優越、「下に見たくなる、線を引きたくなる」甘い誘惑について、センスの有る無し、頭の良し悪し、地方と東京、男と女などを題材に、こういうことは言うのは勿論、思ってもいけないのが世の中では正しいんだけど、本音は皆さん、こうなんでしょ。私もどちらかと言えば「いじめっ子」の側にいましたからね、知ってますわよと、シニカルな観察眼とクール筆致で鮮やかに切ってみせ、ともすれば読後感がマズくなりがちな内容を、ぎりぎりのところで品性を保たせている。 この本を読んで筆者を嫌いになりましたとのレビューも多いけど、これは本書がそれだけヒトの深層心理を抉っているから。

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2013/08/25

そうだよな…。 きれいごとを言いつつ、みんな上から目線になることで心の安息を得てる部分はあるよね。 共感しました。

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2013/07/31

他人を下にみる、という甘い欲求が人間にはある。うんうん、とうなづきながら、同世代を過ごした者として、共感しながら読んだ。人々の本音をライトに暴いた作品。

Posted byブクログ

2013/06/11

日常のあるある的なことを酒井さん特有のブラックな語り口でつづったもの。2.3話目までは共感していたが、そればかりが続くと満腹という感じ。月に1回の連載ならおもしろみはあるが、1冊にまとめるものでもないだろう。

Posted byブクログ

2013/05/20

20130520 装丁がシンプルで綺麗。 いじめを切り口とした、「誰かを下に見たい」という視点での、下に見るポイントとその上下関係のあり方(現状や過去形)を本音で語っているエッセイ。 面白おかしいものではないのだけど、興味深く読めた。 同じような意見の人もいるだろうし、まった...

20130520 装丁がシンプルで綺麗。 いじめを切り口とした、「誰かを下に見たい」という視点での、下に見るポイントとその上下関係のあり方(現状や過去形)を本音で語っているエッセイ。 面白おかしいものではないのだけど、興味深く読めた。 同じような意見の人もいるだろうし、まったく違う人もいるんだろう。人それぞれ違う視点で、下に見たり見られたりを繰り返しているんだろうなと思った。 内容について 自分がいじめっ子だったかもしれない、違うかもしれない。という独白から始まるのはインパクトがあった。 ”いじめっこ”視点からすれば、どの口がそれをいう、みたいになりがちで、攻撃されることが多く、だから加害者のカミングアウトはでてこないものだなと思った。 客観的に分析していて面白く読めるけど、難しいものだね。 あと、不潔を嫌い、みえない不浄は他人に移すことでしか拭えず、移された者を下に見る。そうかもなぁ。芸人さんは人気があっても下に見られがちなのはそういうことなのかもね。など。 そして、中学時代、性微についてさほど悩んだことはなく、モテたいと思ったこともなかったな。興味なかったんだろう・・・ ああ、でも、恋バナできないと人の輪に入り辛かったことあった。秘密を共有みたいな。 極端な狭量さもわかるな。 子どもの頃から大人に向かってそのときどきの下に見るポイント。 ふむふむ、そんな人はこんな風に感じたりする人がいるのだなと勉強になった。 上から目線、までくると、ちょっと軽妙な口調になってきていたと思う。

Posted byブクログ