スティーブ・ジョブズ ペーパーバック版(1) の商品レビュー
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≪本書に描かれているのは、完璧を求める情熱とその猛烈な実行力とで、6つもの業界に革命を起こしたクリエイティブなアントレプレナー(起業家)の、ジェットコースターのような人生、そして、やけどをしそうなほど熱い個性である≫ スティーブは1955年生まれ、私は1958年生まれなので、まさに彼の業績から恩恵を授かった世代である。私が使っていたパワーブック150、パフォーマ520は、スチューデントモデルではあったが、斬新なデザインとインターフェイスを持っていた。同じ時代を生きることができたことは、幸せだったと思う。 スティーブが起こした革命は、アップルやピクサーの業績だけではない。マイクロソフトやグーグル、ツイッターやフェイスブックも、彼がいなければ、今の形にはなっていなかったであろう。本書を読むことで、真相に近づくことができる。 6つもの業界に革命を起こした。と評されているが、世の中を変えてしまった人ですよね。私は、このコメントををWin10にアップグレードしたレノボB5030で書いていますが、ジョブズがいなければ、IBMのPC部門がレノボになることも、Win10が生まれることもなかったような気がします。 スティーブのこだわりが、ユーザーに全ての周辺機器からデータをダウンロードするサイトまでアップルの手のひらの上になってしまうということに怖さを感じた。私の同僚は、充電できなくなったiPhoneを修理するためにアップルストアに行かなければならなかった…私がPC/AT互換機とアンドロイドを使うのは、単に安価だからではなく、アップルの手のひらに乗りたくない。という潜在意識の表れか? MacがPC/AT互換機に圧倒的な差をつけたのは、なんといってもグラフィック・ユーザー・インターフェースの存在だったのだと思いますが、ゼロックスのアイディアだったという事実には驚きましたね。また、それがWindowsとしても実現した背景には、アップルがマイクロソフトにエクセルなどのアプリケーションを作ってもらわなければならなかった。という裏事情があったという事実も驚きでした。世の中を変えるようなイノベーションには、トップ同士の駆け引きがあったんですね。 Google、Apple、Amazon、Facebook、Microsoft、Yahooの2015年4-6月期(Q2第2四半期)の業績を比べると、売り上げ、純利益では、Appleが2位のGoogleの2倍を超えてダントツなんですよね(1株利益は、Googleに負けていますが…)。これらの企業は、ある意味、良くも悪くも、強いこだわりを持つ創業者が牽引してきた企業たちなのですけれども、やはり最もこだわりの強かったのが、スティーブ・ジョブズですよね。合意しないと前に進めない企業には、到達できない領域だと思います この本を手に取った方々の中には「スティーブ・ジョブズの美点(美味しいところ)だけを受け取りたかったのに…」と思った方も少なくなかったかもしれませんが、心理学者・哲学者・思想家の多くが、その生い立ちの中で教義を確立し、それを知らなければ、教義を完全に理解することが難しいように、スティーブ・ジョブズという人の功績も、人としての成り立ちを知らずして、全貌を掴むことは難しいのだと思いました。
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ダヴィンチのアイザックソンから辿り着いた本。ジョブズが亡くなった際に沢山出た本は流行りのようでスルーしていた。読んでみると非常に面白い。ジョブズメチャクチャ。こんな人の下で働いたら俺は耐えられるのだろうか。でも世界を変えるんだと長時間一生懸命働けるのは羨ましい。今の日本は本当にダ...
ダヴィンチのアイザックソンから辿り着いた本。ジョブズが亡くなった際に沢山出た本は流行りのようでスルーしていた。読んでみると非常に面白い。ジョブズメチャクチャ。こんな人の下で働いたら俺は耐えられるのだろうか。でも世界を変えるんだと長時間一生懸命働けるのは羨ましい。今の日本は本当にダメだな。ただ、やっと日本も優秀な人が起業したりとアメリカっぽくなってきたのかな。どうなるか先が見えない時代。強く生きないと。
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印象としては、こういうリーダーシップがあるのかという感想。 自分の中に哲学があり、それをモノづくりを通じて形にするという並大抵の芯の強さ・勤勉さ・集中力に脱帽。 自分が好きな言葉の「コネクト・ドット」の考えのヒントがあった気がする。
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点と点がつながって線になる。 文系と理系の交差点に立てる人こそ必要。 これが当時高校生で進路に迷っていた自分に大きく影響を与えてくれた文章だった。
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スティーブ・ジョブズの幼少期からアップルを立ち上げ、アップルを一度辞めた後ピクサーのCEOになるまでの話。 プレゼンのカリスマであり菜食主義など徹底した性格は知っていたが、思った以上に人としてダメなところが盛りだくさんだった。感情的になると泣き出したり、子供の認知をしなかったり、...
スティーブ・ジョブズの幼少期からアップルを立ち上げ、アップルを一度辞めた後ピクサーのCEOになるまでの話。 プレゼンのカリスマであり菜食主義など徹底した性格は知っていたが、思った以上に人としてダメなところが盛りだくさんだった。感情的になると泣き出したり、子供の認知をしなかったり、LSDに傾倒したり、TPOをわきまえない格好をしたり、人のアイデアをとったり、怒鳴り散らしたり、、、人としては好きになれない部分が多かった。それでもリーダーとして人がついていくのは、圧倒的なカリスマ性、表現力、ビジョンがあるからなのだと思う。ペプシのスカリーを口説いた話は知っていたが、その後自分が辞めさせられるほどの確執が生まれてしまったとは。マーケティングのプロだけでも、技術のプロだけでもダメでやはり、アップルはビジョンを持ったジョブズが必要なのだと思った。ただ止められなかったジョブズを辞めさせたことは、ネクストでの失敗を経験することにつながったので、組織として正しい判断をだったと思う。 創業時の顧客ニーズの共感、フォーカス、評価してほしいと思う特性を人々に印象づけるという三点の原理はまさにアップルを表していると思う。特に2と3は他の企業と大きく異なる。 アップル第二幕を描いた後編も楽しみです。
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23.30.01.29.マンガ版が面白かったので。マンガ版を先に読んでいたおかげでイメージつきやすかった。登場人物名が上や下でコロコロ変わるのでたまに付いていけなくなったり。結局ジョブズは何がどうすごいのだろうか?先見の明、こだわり、芸術感、言いたいことを言える強さ、鈍感力。ハー...
23.30.01.29.マンガ版が面白かったので。マンガ版を先に読んでいたおかげでイメージつきやすかった。登場人物名が上や下でコロコロ変わるのでたまに付いていけなくなったり。結局ジョブズは何がどうすごいのだろうか?先見の明、こだわり、芸術感、言いたいことを言える強さ、鈍感力。ハードとソフトの一体化が正解かまだ答えは出ていないけど、マイクロソフトもサーフェスを出す始末。アップル製品のこだわりと品質は信頼を持てると感じた。
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自分は特別だという考えが、ジョブズの人生に明らかに表れている。それはどちらかというと、自己中心的というよりも、信念や執念を飛び越えて信仰に近いように感じます。まだ形になっていない抽象的な何かに対して、こだわり信仰する力。スゴイ。
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ジョブズの人生はとてもよく伝わってきた。書いた人もエラいヒトらしく、アメリカのトップエリートの世界が垣間見える。こういうとんでもないマイルールをまわりに押しつける人が世界を動かしていく姿は、たとえば織田信長なんかと似たようなところがあったんだろうなということを想像させる。この平和...
ジョブズの人生はとてもよく伝わってきた。書いた人もエラいヒトらしく、アメリカのトップエリートの世界が垣間見える。こういうとんでもないマイルールをまわりに押しつける人が世界を動かしていく姿は、たとえば織田信長なんかと似たようなところがあったんだろうなということを想像させる。この平和な時代だから、明智光秀に裏切られて殺されることもなく、やりたい放題できたのだろう。ついでに、僕自身がどうしてアップルの製品を受けつけないかもよくわかった。アップルの製品は、言うならばパッケージのツアー旅行みたいなもので、割増しの高い値段さえだせば、全ておまかせでなんでもやってくれるけれど、つたなくてもとにかく自分でやってみたい、という人は受けつけないそういう思想につらぬかれているらしい。世界のコンピューターのOSが、Windowsになっていったときには、マイナリティのマックがいかにも帝国にいどむ辺境の小国のように思われていたけれど、しかしその本質はマックこそが一種北朝鮮のキムジョンイルのような独裁者気質をもっていたことが、ipodからiphoneへの流れですっかり明らかになった。そうしたiphoneに立ち向かったgoogleは素晴らしい、と手放しに褒めちゃいけないのかもしれないけれど、とりあえずiphoneを使うことは一生ないだろう。
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上下巻通して感じたフィーリングはロックだった。ロックスターのような人だった。その中でも、上巻はパンクやファンクといった肉体的な躍動感が強い音楽も含んだロックなエピソードが中心だったと思う。 性急でピッチ速度の速い攻撃的な時の過ごし方だった。 上下巻通じて読む上で、人の奥底にあ...
上下巻通して感じたフィーリングはロックだった。ロックスターのような人だった。その中でも、上巻はパンクやファンクといった肉体的な躍動感が強い音楽も含んだロックなエピソードが中心だったと思う。 性急でピッチ速度の速い攻撃的な時の過ごし方だった。 上下巻通じて読む上で、人の奥底にあるmagmaの源泉がいつから仕込まれいつ表出し始めるのか。を知る上でも素晴らしい読み応えがある。 まずは白からスタート。
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スティーヴ・ジョブズ氏自ら自伝の執筆をウォルター・アイザックソン氏に持ちかけていたのは意外だった。PRの天才ながらプライドの高い彼らしからぬ行為は死期の近さを感じてのことだったのか。 ジョブズ氏はアートとテクノロジーを融合し「アップルⅡ」や「iPod」、そして「iphone」と...
スティーヴ・ジョブズ氏自ら自伝の執筆をウォルター・アイザックソン氏に持ちかけていたのは意外だった。PRの天才ながらプライドの高い彼らしからぬ行為は死期の近さを感じてのことだったのか。 ジョブズ氏はアートとテクノロジーを融合し「アップルⅡ」や「iPod」、そして「iphone」と数多くのものを再発明した天才として名高い。また倒産の危機に瀕したアップル社を再び再生させ時価総額世界一の企業まで飛躍させた手腕も評価が高い。他方で人格破綻者として面も度々取り上げられ、上巻はその側面が特にピックアップされている。 仁義や愛情を一切廃しどれほど懇意にしようとも突如冷淡かつ残酷に接し、かと思えば一転して泣きながら哀願する姿は 偏屈極まりなく空恐ろしさを感じさせる。数あるエピソードの中でも特に印象的なのは「リサ」に纏わる話だ。クリスアンの妊娠に対し極めて冷淡に接していたジョブズが、新プロジェクトに「リサ」という名称を冠し、その「リサ」に対しても「マッキントッシュ」を以て抹殺しようと画策する。常人にはなかなか理解し難い行動だが、ジョブズの根底には「完璧じゃないものへの恐怖」があったように思う。幼少期の養子という経験が、完璧じゃなければ受け入れられない、完璧じゃなければ捨てられる、そうした感情を生み出し、完璧に対する異常なまでの執着と、完璧に至らぬものへの残酷な仕打ちをもたらしたのではないだろうか。 ジョブズの功績や礼賛よりもむしろ闇と挫折にスポットライトを当て、天才たる者の一個人を考えさせられる興味深い評伝である。
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