「黄金のバンタム」を破った男 の商品レビュー
私が生れる前の、日本中がボクシングに熱狂していた時代のヒーローであるファイティング原田を中心に、当時のボクシング界と社会の一面を描いたノンフィクション。不屈の精神、という今では誰も使わなくなった言葉がそのまま当てはまる、努力の塊のような主人公がライト級・バンタム級の二階級制覇をす...
私が生れる前の、日本中がボクシングに熱狂していた時代のヒーローであるファイティング原田を中心に、当時のボクシング界と社会の一面を描いたノンフィクション。不屈の精神、という今では誰も使わなくなった言葉がそのまま当てはまる、努力の塊のような主人公がライト級・バンタム級の二階級制覇をするまでの道のりは素晴らしく、かつ苦しい。こういうことは今の我々が失ってしまった大切なことなのかもしれない。
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原田の偉大さ、努力は裏切らない過酷な練習、海外の評価等再認識した。 現在の日本人はボクサーは海外においても通用するチャンピオンも出てきているなか過小に評価している点は気になった。
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日本初の世界王者となった白井に始まり、三羽烏と言われた原田、海老原、青木の波瀾万丈を濃密に綴っている。 偉人の人生を散歩した気分になれるのがルポの良いところだと思う。
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百田尚樹氏と言えば、私の中では有名で映画化された「永遠のゼロ」や、「海賊と呼ばれた男」そして図書館で読んで面白かった「モンスター」があり、数か月前に購入しておいて時間がなくて積読状態になっていたのがこの本です。 今年はGW最後の日から米国出張があり、移動時間が長いので、この本の...
百田尚樹氏と言えば、私の中では有名で映画化された「永遠のゼロ」や、「海賊と呼ばれた男」そして図書館で読んで面白かった「モンスター」があり、数か月前に購入しておいて時間がなくて積読状態になっていたのがこの本です。 今年はGW最後の日から米国出張があり、移動時間が長いので、この本の存在を思い出しスーツケースに入れていました。帰国時にスーツケースの中にあったこの本を見つけ読み始めましたが、今での本とは別の面白さを感じました。 最後に書かれていた増田氏の解説を読んでわかりました。百田氏のこの本にかける熱い思いが伝わってくるのです、その理由は彼自身が以前ボクシングをやっていて、その魅力をよく理解していたからでした。 今では合計70人もいるボクシングの世界チャンピオン、この本が書かれた当時、つまり主人公の「ファイティング原田」が現役だったころは、各階級に一人ずつ、合計8人しかいないとても貴重なものだったことも分かりました。 この本の主人公は確かに「原田」ですが、彼の素晴らしさを伝えるために多くのボクサーが登場します。実力がありながら、当時の運によってチャンピオンになれなかった人達、人生には「運を呼び寄せる力」も必要なのだなと思いました。勿論、運を掴むためには、日頃のたゆまない努力が必要であることは、この本で書かれていたメッセージだと思いました。いい本に出会って本当に良かったです。 以下は気になったポイントです。 ・昭和34年(1959)の少し前から、中学卒業者は「金の卵」と言われた、日本はようやく敗戦の痛手から立ち直り、東京は様々な産業が復活するエネルギーに満ちていた(p44)人口増加も急激で、記録を見ると昭和30年から35年の間に東京には150万人以上のひとが流入している(p45) ・ボクシングのストレートとは腕をまっすぐに伸ばして打つパンチで、フックは腕を鉤型に曲げて横に振って打つパンチである、肩と腰の回転が大きい分、フックの方がパンチの威力は強いが、ストレートの方が射程距離が長い(p47) ・「好き」とは練習を厭わないということ、練習そのものが好きだから、肉体的には苦しくても苦痛ではない(p58) ・昭和30年代半ば、日本タイトルのチャンピオンファイトマネーは10万円、東洋タイトルは50万円以上、昭和36年の大卒初任給は15700円(平成24年は20.5万円)(p91) ・ギリシアでは名誉の競技であったボクシングは、ローマ時代になるとスポーツではなくなり、残酷な格闘ショートなった、ローマ市民は奴隷の拳闘士が互いに殺し合う酸鼻な見せ物を喜んで観戦した、西ローマ帝国の滅亡と同時にぼくシンングはスポーツとしてもショーとしても姿を消した(p141) ・1867年にロンドンのアマチュア競技クラブが、新しい12のルールを作った、1ラウンド3分、ラウンド毎に1分の休憩、ダウンしてカウントまでに立てたいと負け、といった今日のフールに非常に近いものができた、最も大きなルール変更は「グローブの着用」であった、この誕生こそが「近代ボクシング」の幕開けとされている(p144) ・ボクシングの世界は50年以上、基本的に8つの階級で行われてきた、フライ・バンタム・フェザー・ライト・ウェルター・ミドル・ライトヘビー・ヘビー級である、現在では、フライ級の下に、ミニマム級・ライトフライ級・スーパーフライ(バンダム、フェザー、ライト、ウェルター、ミドル)クルーザー級の17階級がある。ライトヘビー級は、76.2-79.4kg、スーパーミドル級は、72.6-76,2kgである(p154) ・現在に至るまでも、フライ級とバンタム級の2階級を制覇したボクサーはファイティング原田のみ、どうやらフライ級とバンタム級には大きな壁がある(p216) 2016年5月21日読破 2024年9月9日作成
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永遠の0の作者と同、とはつゆしらず読む。ファイティング原田氏の軌跡を、戦後ボクシング史と絡めて綴る。過度に熱い?ところもあるが、著者は元ボクシング部とのことで、納得。今のチャンプ乱立に物申したくてたまらんという感じがまず伝わる(これは同感)。無論原田氏の記述がメインであり、緻密...
永遠の0の作者と同、とはつゆしらず読む。ファイティング原田氏の軌跡を、戦後ボクシング史と絡めて綴る。過度に熱い?ところもあるが、著者は元ボクシング部とのことで、納得。今のチャンプ乱立に物申したくてたまらんという感じがまず伝わる(これは同感)。無論原田氏の記述がメインであり、緻密に取材されたことが良く把握できる。当時のボクシング事情や状況を本書で良く知ることができたのも嬉しい。
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百田さんの「ボックス!」でボクシングの世界を垣間見た私。 ボクシングはスポーツだ!と改めて実感した。 この本はノンフィクションで、日本のボクシング界を詳しく知ることができる。 思い起こせば、子どもの頃、TVでは頻繁にボクシングが放送されていた。 人気ボクサーも多数いた。 しかし...
百田さんの「ボックス!」でボクシングの世界を垣間見た私。 ボクシングはスポーツだ!と改めて実感した。 この本はノンフィクションで、日本のボクシング界を詳しく知ることができる。 思い起こせば、子どもの頃、TVでは頻繁にボクシングが放送されていた。 人気ボクサーも多数いた。 しかし、そんな日本のボクシング界の道のりは険しかったとは… 「ファイティング原田」の名前は聞いたことがあるけれど、その試合を見たことはない。 でも、この本を読むと、ファイティング原田が人間的にも魅力あふれるボクサーだったことが良くわかる。 ちょっとボクシングを観戦してみたくなった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
初めてのボクシング作品。解説にもあったが、ボクシング作品というより、日本の生活、昭和史をおも深く表している作品である。ボクシングの熱さと昭和の熱気を感じた作品。なかなかですね、百田さん。
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内容は主にファイティング原田の一代記。 厳密にはその前の白井義男から。 「昔の方が団体も階級が少なく、今よりステータスがあった」の連呼は鼻に付くけど、全体的には読みやすくて面白かった。 印象に残ったのは主要人物以外では矢尾板、パスカル・ペレス、バーニー・ロス、西城あたり。
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「黄金のバンタム」エデル・ジョフレを破って、当時のバンタム級チャンピオンになったファイティング原田のノンフィクション。 一つ一つのマッチやそれに関わる人々について詳しく調べられて、本当に人に歴史ありって思わされる。 先に『ボックス!』を読んでいたので、もしかしたらこのボクサーがモ...
「黄金のバンタム」エデル・ジョフレを破って、当時のバンタム級チャンピオンになったファイティング原田のノンフィクション。 一つ一つのマッチやそれに関わる人々について詳しく調べられて、本当に人に歴史ありって思わされる。 先に『ボックス!』を読んでいたので、もしかしたらこのボクサーがモデルになったのかなぁと思われる実際のボクサー達も紹介されていた。 淡々と、歴史的事実を並べていくような感じで、小説のようにドラマティックにしているわけでもないのに、読んでて泣けました。
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・あらすじ 昔のボクサーは凄い。もう一度言う。昔のボクサーは凄い!! ・かんそう あーくどい。くどい。くどい。でもボクシング史を学べるのはgood。
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