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世界でいちばん長い写真 の商品レビュー

3.7

111件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    45

  3. 3つ

    36

  4. 2つ

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2014/08/24

中学三年生、青春の入り口付近にいる一人のいわゆる草食系男子、宏伸君が主人公の青春小説です。 宏伸君はノロブーというあまりよろしくない渾名で呼ばれていることから分かるように、部活でもほぼ活動から遠ざかっていたり、つるんでいた目立つ友だちが転校してしまい、所属している写真部でも部長の...

中学三年生、青春の入り口付近にいる一人のいわゆる草食系男子、宏伸君が主人公の青春小説です。 宏伸君はノロブーというあまりよろしくない渾名で呼ばれていることから分かるように、部活でもほぼ活動から遠ざかっていたり、つるんでいた目立つ友だちが転校してしまい、所属している写真部でも部長の三好(女子)から、何かとハッパをかけられるような冴えない日々を送っていました。 しかし、祖父の家の作業場で正体不明の古いカメラを見つけたことから、彼の日常は変わっていきます。美人だけどヤンキー系の従姉のあっちゃんこと温子さんの応援もあり、そのカメラ=グレード・マミヤを駆使してひまわりの風景の360度パノラマ写真を撮ることに成功します。それを引き伸ばすと世界一長い写真が出来上がる仕組みになっていますが、そのギネス記録の保持者が、元々のグレード・マミヤを作った祖父の友だちだったというわけでした。 そして、その世界一長い写真を作る技術は、学年の卒業イベント制作に生かされることとなり、宏伸君はいつの間にか世界一長い写真、略してセカチョー実行委員会の委員長としていきいきと動いていくようになるのでした。 筋書きはよくある思春期の少年の成長物語ですが、ひまわりの風景パノラマ写真の場面は躍動的で、実際に見てみたいものだと思いました。

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2014/07/02

親友の洋輔の転校でなんとなくつまらない毎日を送っていた宏伸は、ある日何回転もして360度の長い写真のグレートマミヤカメラを手にし、卒業記念に世界一長い写真を撮ることに挑戦する。 どんな事で他人を喜ばせたいか、それが自分のやりたい事らしい。 こんな誉田哲也もあるんですね。

Posted byブクログ

2014/06/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

幼なじみの親友が転校していってしまい、宏伸(中3・通称ノロブー、写真部)の毎日は、なんとなくさえない。 写真部でも、女部長に毎月ノルマの作品をダメだしされるし、友達に心配されるも、自分でも何がモヤモヤしているかもわからない。 リサイクルショップをしている祖父の友人の古いマミヤ製のカメラと出会うまでは。イトコの美人で男勝りな温子の手助けもあって、そのカメラが一風かわったスリットカメラだと知る。 スリットカメラは、シャッターをすぐ切らずに、スリット(隙間)の部分から光りを入れて、フィルムをどんどん巻き取っていくカメラだ。フィルムを巻き取る分、長い写真が撮れる。360°のパノラマ写真やそれ以上の長い写真を撮ることが可能なのだ。 何より大きくてカッコイイこのカメラ、グレート・マミヤで360°の写真を撮ってみたい。 宏伸の心が 少しずつ変化してくる。 近所の写真館の人、写真部の部長、カメラの持ち主で、他にも自作パノラマカメラを持っている写真家、みんなをまきこんで・・・ やがてそのカメラは、中学校の卒業記念・大撮影会(しかも世界一長い写真ギネスに挑戦)をすることに。 思春期のモヤモヤかーらーのー爽快感! 中学生、読むべし!

Posted byブクログ

2014/06/02

【要約】 主人公は宏信、中学3年生、写真部。親友の洋輔が転校してしまい、味気ない毎日を過ごしていた。良い写真もとれず、写真部部長で気が強く、一時洋輔とつきあっていたらしい三好にどつかれる日々。そんなときに、自称リサイクルショップをやっている祖父の店で、店番をしている(させられてい...

【要約】 主人公は宏信、中学3年生、写真部。親友の洋輔が転校してしまい、味気ない毎日を過ごしていた。良い写真もとれず、写真部部長で気が強く、一時洋輔とつきあっていたらしい三好にどつかれる日々。そんなときに、自称リサイクルショップをやっている祖父の店で、店番をしている(させられている)ヤンキー崩れだがかなり美人でいかした従妹、温子とともに、普通のより大きく様々な部品が付いたカメラを見つけたことから、毎日が輝き始める。 このカメラは、台座の上で回転させることで360°のパノラマ写真が撮影可能であることがわかり、宏信はこのカメラに夢中になる。後に祖父の知人、松本さんが製作したオリジナルなカメラであることがわかり、またこのカメラ(4号機まであるのだが)を用いて360°を通り越して数回転して撮影した写真は、「世界一長い写真」としてギネス記録にもなっていた。 三好の提案で、学校で行われる卒業制作としてこのカメラを使って13回転させた「世界一長い写真」を撮影すること、松本さんのギネス記録更新を目指すこととになり、その責任者に宏信が押し付けられる。四苦八苦しながらもその案を提案、卒業制作として承認してもらい、祖父や温子、松本さんや現像を度々手伝ってくれた写真屋さんの助け、三好や周囲の友人たちの協力のもと、撮影を行った。各部ごとにわかれて、13回違ったポーズやパネルや絵などを掲げるという方法で撮影された写真は、大成功をおさめた。 【感想】 誉田さんの警察小説以外の小説を初めて読んだが、こんなに表情が異なる小説をさらっとかけることに驚いた。一方で誉田さんらしく、心理描写が丁寧で、弱気な宏信の気持ちが伝わってきた。 まず弱気な宏信が自分自身と重なった。また彼は、人気者の洋輔の転校により、落ち込んでいたが、カメラを見つけて徐々に元気になっていく姿、手探りながらも卒業制作を成功させるために走り回る姿は、”大きく成長した”というわけではなかったが、最後の1ページにも「僕にも何か、できるきがしてきたよ」という心理描写があるように、ほんの少しだが前を向く姿が素敵だった。それは決して大きなことではなくても、なにかをやり遂げた経験というものは人を大きくさせるし、それは別に℃でかい夢を達成したとかいうものでなくてもいいわけで、自分にも何かできるのではないかと前向きにさせてくれる1冊だった。

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2014/05/18

誉田氏の青春小説。少しグロテスクな警察ものも悪くないけど、武士道シリーズも含めてこっちの方が好きだな。 回転式カメラという変わった小道具を題材に、頼りない少年と個性的な女性陣という黄金の組み合わせが上手くハマっています。 下手に恋愛要素をからめることもなく、楽しそうな様子がイキイ...

誉田氏の青春小説。少しグロテスクな警察ものも悪くないけど、武士道シリーズも含めてこっちの方が好きだな。 回転式カメラという変わった小道具を題材に、頼りない少年と個性的な女性陣という黄金の組み合わせが上手くハマっています。 下手に恋愛要素をからめることもなく、楽しそうな様子がイキイキと伝わってくるところが気に入りました。

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2014/05/06

写真部の中学男子の成長を描いた作品。武士道シリーズほどの面白さはなくちょっとアッサリだけど…登場する3人の女子に違った魅力があり楽しめた。いろんなジャンルの世界を上手く描かれる作家さんだ。

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2014/04/02

誉田哲也の世界でいちばん長い写真を読みました。 主人公の宏伸は中3です。 仲の良かった洋輔が父親の仕事の関係で引っ越していったあと、元気をなくしてしまいましたが、本人はそれに気づいていません。 趣味の写真もあまり撮っていない宏伸を、幼なじみで写真部部長の女の子三好は心配していま...

誉田哲也の世界でいちばん長い写真を読みました。 主人公の宏伸は中3です。 仲の良かった洋輔が父親の仕事の関係で引っ越していったあと、元気をなくしてしまいましたが、本人はそれに気づいていません。 趣味の写真もあまり撮っていない宏伸を、幼なじみで写真部部長の女の子三好は心配しています。 そんな折り、おじいちゃんのところに置いてあった回転式のスリットカメラを見つけた宏伸は従姉妹のあっちゃんと一緒にパノラマ写真を撮ってみるのでした。 ひまわり畑で綺麗な写真を撮ることが出来た宏伸と、その写真を見せてもらった三好は、卒業記念に長いパノラマ写真を撮ることを提案するのでした。 何となく影の薄い宏伸と、不良がかった美人のあっちゃん、優等生で押しの強い三好、リサイクルショップをしている放浪癖のあるおじいちゃん、といった登場人物たちの心温まる青春物語でした。

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2014/03/30

武士道シックスティーンが好きだったので手に取りました。 同じく青春真っ盛りなお話。 でもキラキラしてるだけでなくて、リアルっぽく仕上げてある? 一人称にあまり馴染めなかったけれど。 諸々解決しないあたりが、あるある!と言う気分にさせられました。

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2014/02/28

自分がわからなくて、ぼんやりとした日常の中を、ただぼんやりと生きている中高生への、鮮烈なメッセージが聞こえてくる。 誉田さんの描く青春は、どこまでもすがすがしい。 自分が悩みが何であるかわからない、さらには自分に悩みがあることにすら気づいていない主人公。 けれど、その主人...

自分がわからなくて、ぼんやりとした日常の中を、ただぼんやりと生きている中高生への、鮮烈なメッセージが聞こえてくる。 誉田さんの描く青春は、どこまでもすがすがしい。 自分が悩みが何であるかわからない、さらには自分に悩みがあることにすら気づいていない主人公。 けれど、その主人公に多くの中高生が自己投影して共感できるはずだと思う。 おそれずに、やりたいことをのびのびとやってみて カラフルな世界に目を向けてみよう、 そんな子供たちへの激励の物語だと感じました。

Posted byブクログ

2014/02/11

目立たない性格の主人公が出会った不思議なカメラ。 世界一長い写真が撮れるカメラに魅了され、夢中になる日々。 冴えない主人公が少しずつ変わっていく青春小説。 誉田さんの青春小説は、どうもハマらない。 写真の素晴らしさや感動が伝わってくる…んだとは思いますが。 映像で見たいか...

目立たない性格の主人公が出会った不思議なカメラ。 世界一長い写真が撮れるカメラに魅了され、夢中になる日々。 冴えない主人公が少しずつ変わっていく青春小説。 誉田さんの青春小説は、どうもハマらない。 写真の素晴らしさや感動が伝わってくる…んだとは思いますが。 映像で見たいかなって思いました。

Posted byブクログ