世界でいちばん長い写真 の商品レビュー
最初は「世界でいちばん長い写真」の意味がわからなくて「?」と思いながら読み始めました。 しばらく読んでいても、主人公の状態説明とか、周りの人間との絡みとか、そういうのが書かれていてちょっと間延びしそうなかんじでした。 しかし、雰囲気が変わったのは、主人公が「グレートマミヤ」と名...
最初は「世界でいちばん長い写真」の意味がわからなくて「?」と思いながら読み始めました。 しばらく読んでいても、主人公の状態説明とか、周りの人間との絡みとか、そういうのが書かれていてちょっと間延びしそうなかんじでした。 しかし、雰囲気が変わったのは、主人公が「グレートマミヤ」と名付けたカメラに出会ってから。 意図してそういう書き方にしていたのかな? 仲良しの幼馴染みが転校してしまってから、本人が思う以上に気力を無くしていた主人公に、エネルギーが入ってきます。 カメラの仕組みが良く分かって、題名の意味が理解出来た時、この物語の生徒達のように「わくわく」した気持ちになりました。 頭の中に、世界でいちばん長い写真の映像が、しっかりと浮かんできました。 読後感は、とても爽やかな気持ちになれる一冊でした。
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宏伸はいい友達がいてよかった。洋輔、三好奈々恵、安藤エリカ。そして、従姉のあっちゃん。自分から動き出すことができない宏伸をみんながそれぞれやり方で後押しする。宏伸は世界一長い写真実行委員会を通じて少しだけポジティブになっていく、誰かの笑顔のため。最後の最後にあっちゃんの言葉がうま...
宏伸はいい友達がいてよかった。洋輔、三好奈々恵、安藤エリカ。そして、従姉のあっちゃん。自分から動き出すことができない宏伸をみんながそれぞれやり方で後押しする。宏伸は世界一長い写真実行委員会を通じて少しだけポジティブになっていく、誰かの笑顔のため。最後の最後にあっちゃんの言葉がうまくまとめてくれている。いまはすっかり聴かなくなったけど時々、尾崎豊の「心をいつでも輝かせてなくちゃならないってことを」って歌詞はふとした時に浮かんでくる。たぶん自分がネガティブな時だ。年齢に関係なくそうあるべきだと思っている。オイラの好きな人たちは年齢に関係なくいつも明るくて元気だ。あっちゃんが言う「ほんとはみんな、何でもできるのに、やらないだけなんだよ。やろうとしてないだけなんだよ」って言葉のとおり。自分が行動することで誰かが笑顔になってくれたらいいな、って思う。ホント何でもいいんだよね。子どもが毎日遊ぶことに夢中でいるように、オイラも毎日やりたいことをたくさん持ち続けたい。朝が待ち遠しい日々は楽しいから。
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ちょっとヘタレな中学生が世界でいちばん長い写真を撮ることで成長していく物語。 ひょんなことからパノラマカメラを使うことができた主人公はその魅力に取り憑かれていく。そのカメラの作者との出会いが、ヘタレの主人公をカッコいい少年へと変えるきっかけとなる。 パノラマカメラを使って、皆が楽...
ちょっとヘタレな中学生が世界でいちばん長い写真を撮ることで成長していく物語。 ひょんなことからパノラマカメラを使うことができた主人公はその魅力に取り憑かれていく。そのカメラの作者との出会いが、ヘタレの主人公をカッコいい少年へと変えるきっかけとなる。 パノラマカメラを使って、皆が楽しみ、笑顔になるきっかけを作って全校生徒をまとめる役になることで、自信を持ち、絆を作り、周囲からも認められる存在になっていく。 破茶滅茶な従姉妹も要所要所で主人公の少年を助けてくれ、同級生で少年のことを鼓舞する少女、憧れのマドンナとの触れ合いなど青春の要素てんこ盛り。 サクッと読めて、面白かった。
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ジウや姫川シリーズから入ったから、真逆な作風に驚いた。 ゆったりした時間軸で、最後にタイトルの意味が繋がっていくのが素敵だった。
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ジウや姫川玲子シリーズを書いた作家と同じ人の作品とは思えないホンワカとした青春小説。武士道シリーズも同じ青春の純な思いや悩みをベースにしているが、こちらの方がそれらをもっと柔らかく包み込んで描いている感じ。
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中三の宏伸が、親友が転校して落ち込んだ毎日を送っている中で、特殊なカメラに出会う。特に盛り上がる場面があるわけではないけど、でも、よかった。あったいものが胸に残った。
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嫌なエグみなどなく、大きなトラブルもなく、 ともすれば退屈になりがちかなと思いきや 逆にそれがとても良かったです。 あっさりした文体なのに、 ひまわりのシーンにはゾクッとしました。 シンプルな文章、且つ、どうなるか展開が見えていたのに。 笑顔の写真もだけれど、 シーンを想像させ...
嫌なエグみなどなく、大きなトラブルもなく、 ともすれば退屈になりがちかなと思いきや 逆にそれがとても良かったです。 あっさりした文体なのに、 ひまわりのシーンにはゾクッとしました。 シンプルな文章、且つ、どうなるか展開が見えていたのに。 笑顔の写真もだけれど、 シーンを想像させる文章なのかもしれないと思いました。 とにかくあっちゃんが魅力的でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
長~い写真が撮れるというちょっと一風変わったカメラを手にした中学3年生が学校生活の思い出にと全校生徒を巻き込んで、素敵な思い出を残そうと挑む青春小説です。 最終的にはカメラの製作者と一緒に「世界一の長い写真」というギネス記録にも挑みます。 360度(つまり自分の周りを1周)撮影できるカメラが登場し、さらには製作者の松本さんはこのカメラをさらに改造して何十メートル・何百メートルの写真を撮影できるカメラまでを作ってしまいます。 ただ、そこでふと気づく。「そんなカメラを作ったものの、果たして何を撮ればいいのか?」と。 松本さんが初期に製作した「360度カメラ」で撮影を重ね、満足のいく1枚を撮ってしまった主人公も同じ悩みを抱えていました。 「このカメラで何を撮ればいいのか?」 その悩みから出てきたのが「世界一長い写真」と「集合写真」というキーワードでした(続きは本の中で) 本作の中で個人的に一番胸が熱かったのは、「世界一長い写真」を撮るための準備と撮影風景の描写です。 自分もカメラマンをしていますが、「写真を撮る」というのは写真という形を残すだけでなく、実際に撮影準備や撮影現場をお客様と一緒に楽しむ(思い出に残る撮影体験を提供する)ということでもあると思います。 写真を撮るということは撮った写真を楽しむということだけでなく、撮る瞬間や撮る前を誰かと共有し楽しむこと何だなと改めて思い出させてくれました。 ぜひ写真をやっている人、これから始めようと思う人、そして写真で悩んでいる人に読んでもらいたい1冊です。
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映像化特集で気になったので購入。 作者は「ストロベリーナイト」や「ジウ」などで知っていたので、こういう爽やかな青春ものを書いていたとは驚きでした。 譽田作品は、テレビドラマの方は多く見ているのですが、小説は初めてです。所々主人公の心の声が記載されていて、小説の世界に入りやすく、何...
映像化特集で気になったので購入。 作者は「ストロベリーナイト」や「ジウ」などで知っていたので、こういう爽やかな青春ものを書いていたとは驚きでした。 譽田作品は、テレビドラマの方は多く見ているのですが、小説は初めてです。所々主人公の心の声が記載されていて、小説の世界に入りやすく、何かに打ち込むって良いなと思わせてくれます。 ページ数は約400ページですが、大きな事件というものはなく、青春真っ盛りな感じで幸せな気分にさせてくれました。初めての譽田作品ですが、心理描写を中心としている書き方のような印象でしたので、登場人物が生き生きとしているなという印象でした。そのぶん、主人公の成長を垣間見たような感じでした。 譽田さんの新たな一面を見たみたいで、違う青春小説も見てみたいなと思わせてくれた作品でした。
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軽めの青春小説。悪くはないけど、もう少し盛った方が良いかな。世界でいちばん長い写真を見てみたいですね。
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