ぬけまいる の商品レビュー
「痛快」って言葉がお似合い。 良くも悪くも時代小説って感じが薄い印象で、文章のテンポの良さもあいまって、時代ものが苦手な自分でも快適に読めました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
東海道中膝栗毛へのオマージュだろう、’’痛快’’の一言に尽きる。 女性作家であって、男性作家では描ききれない3人の主人公のキャラ違いの描き方が非常に上手い。旅中のエピソードもワンパターンではない分、それぞれの女性ならではの存在感を醸し出しており、キャラの魅力をふんだんに引き出している。 そして、江戸終期の時代物のはずなのに、知識を要せずさくさく読めて、直木賞とったのも納得の筆力。ごろさんのまさかの正体もちょっと遊んでて面白い。 個人的にはおしゃま講との絡みがいちばん爽快だったけど、人情物もしっかり入れていた。この作家アタリだわ。
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とっても面白かった。 朝井さんの本は、雲上雲下のときにも思いましたが、設定は現代ではなくても、登場人物の考え方が現代的。今回も時代物とは思えない女性の旅は、とても痛快でした。 個人的にはお志花ちゃんのラストに吹き出してしまいました。
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朝井まかてさん。 チャキチャキの江戸っ娘3人(うち2人はすでに嫁いでいるので娘と呼んでいいのかは疑問ですが)が、何もかもを打っ棄って伊勢神宮へお参りへ出かけた。 抜け参りとはそもそも、年端のいかない丁稚奉公たちが、店主などの許しも得ないままに飛び出しちゃうことを言うそうだ。 長柄...
朝井まかてさん。 チャキチャキの江戸っ娘3人(うち2人はすでに嫁いでいるので娘と呼んでいいのかは疑問ですが)が、何もかもを打っ棄って伊勢神宮へお参りへ出かけた。 抜け参りとはそもそも、年端のいかない丁稚奉公たちが、店主などの許しも得ないままに飛び出しちゃうことを言うそうだ。 長柄杓を持ってさえいれば、それを見た沿道の人たちが一宿一飯を提供してくれる。そうすることで沿道の人たちもお伊勢さんのご利益を得られるといわれているからだ。 しかし、思いついて飛び出した、お以乃・お志花・お蝶。馬喰町のいなせな猪鹿蝶の3人娘は、そんな長柄杓に頼ったりはしない。 それぞれの才覚を生かし、生き生きと旅を続ける様は爽快です。この辺りはさすが朝井まかてさんだなぁ、と思わせます。 この旅で、それぞれの来し方行く末をしっかり見つめなおしたようです。 物語はここでお仕舞い、けれどこの先も人生は続いていくんだな、その人生はきっと少しだけ明るくなりそうだという淡い期待を抱かせる結末でした。
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女3人集まったら本当楽しいのは今も昔も変わらない。 伊勢神宮に行く道中いろんな経験をして神様にお会いしたらちゃんと見えてくるものがあるって思うとお詣りって意味があることですね。
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伊勢参りの道中の、3人それぞれの胸のうちが 変化していくのが面白い。 それぞれが、思い悩みを前向きに考え、吹っ切れていく 潔さがあり、読後感は爽やか。 宿場の面白さもあり、江戸時代の暮らしもわかり、 話は優しく、人情もあり良かった。
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痛快娯楽時代小説。深く考えずとも楽しめる。でも女性としての悩みは共感でき、女性の生き方としては己を振り返って色々考えることもできる。ドラマ化しても面白いかも。 主人公の女性達の勢いに元気をもらえるお話だった。
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うちら陽気なかしまし娘〜♫ 花のお江戸は馬喰町の泣く子も黙る猪鹿蝶。 今はあんまり使わないんだろうが「おきゃん」と言う表現がぴったりの三人娘…但し大年増の…が家庭も仕事もほっ放り出してお伊勢さんへと抜け詣る膝栗毛の膝も笑い出す痛快ドタバタロードストーリー。 先に読んだ「恋歌」の...
うちら陽気なかしまし娘〜♫ 花のお江戸は馬喰町の泣く子も黙る猪鹿蝶。 今はあんまり使わないんだろうが「おきゃん」と言う表現がぴったりの三人娘…但し大年増の…が家庭も仕事もほっ放り出してお伊勢さんへと抜け詣る膝栗毛の膝も笑い出す痛快ドタバタロードストーリー。 先に読んだ「恋歌」の凛とした佇まいは何処へやら?喧嘩あり博打ありの豪放磊落さは朝井さんの新たな魅力を見せ付けられたようで面白くて一気読み。 ただそうであってもこの人の描く女性は妙に生々しくまるで女子会に紛れ込んでしまったような照れ臭さがあったな、実際…そう悪い気もしないではないのだが(苦笑)
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江戸のかしまし娘・猪鹿蝶が伊勢を目指して東海道を旅する珍道中。 それぞれ、明るく自分の道を生きているようで、それぞれいろいろ抱えていて、過去の栄光を懐かしみつつも、今の幸せを再確認する、といった感じですかね。 ずいぶんと読むのに時間がかかってしまったので、散漫とした印象になってし...
江戸のかしまし娘・猪鹿蝶が伊勢を目指して東海道を旅する珍道中。 それぞれ、明るく自分の道を生きているようで、それぞれいろいろ抱えていて、過去の栄光を懐かしみつつも、今の幸せを再確認する、といった感じですかね。 ずいぶんと読むのに時間がかかってしまったので、散漫とした印象になってしまいました。
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直木賞の「 恋歌」を読んだ後でもっと軽い感じの本もたくさん出されてるのを知り、面白そうと思った本書をとりあえず読んでみました。 柄杓片手に沿道の喜捨を頼みに着の身着のままお伊勢さんを目指す「 抜け参り」。 江戸時代にそんな風習があったのかと面白かった。この本の主人公達は途中で商売...
直木賞の「 恋歌」を読んだ後でもっと軽い感じの本もたくさん出されてるのを知り、面白そうと思った本書をとりあえず読んでみました。 柄杓片手に沿道の喜捨を頼みに着の身着のままお伊勢さんを目指す「 抜け参り」。 江戸時代にそんな風習があったのかと面白かった。この本の主人公達は途中で商売をしてかなりのお金を稼いで行くから、喜捨ばかりでは全然なかったけど、3人の幼馴染みそれぞれが事情を抱えてケンカしながらも楽しそうに一路伊勢へ。 恋バナもあり、発想もいいけど、もうちょっとテンポがほしいところ。 大したページ数じゃないけど、結構読むのに時間がかかってしまった。 江戸に戻ってからの3人の話も気になるところだけど、続編は無いのかな?
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