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ゾンビ襲来 の商品レビュー

3.9

24件のお客様レビュー

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2013/01/21

ただただすごい本です。ゾンビ襲来を経済学と国際関係論で考察した内容。米国人と英国人のゾンビ感染者に対する取扱いの違いや「走るゾンビ」と「走らないゾンビ」のゾンビ拡散の因果的な影響の下りなんて唸らされました。ゾンビのゲーム理論による考察もゾンビに限らず社会的な非公共財の出現に対する...

ただただすごい本です。ゾンビ襲来を経済学と国際関係論で考察した内容。米国人と英国人のゾンビ感染者に対する取扱いの違いや「走るゾンビ」と「走らないゾンビ」のゾンビ拡散の因果的な影響の下りなんて唸らされました。ゾンビのゲーム理論による考察もゾンビに限らず社会的な非公共財の出現に対する考察に応用できそうですし、かなり本格的な中身。長くなりましたが、この本を肴に誰かと語らいたくなるくらいの内容。最近のゾンビ映画、なかでもゾンビランド、ショーンオブザデッド、28週後そしてロメロの一連の作品を観ている方ならチョーオススメです!

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2012/12/24

国際関係論の学者は損部が世界に対して与える結果ほどに、その原因について関心を持っていない。社会科学的な言い方をするなら、ゾンビは独立変数。 アナーキーな世界で流通する唯一の重要な通貨はパワーである。 あらゆる国家は自らの資源と能力にしか頼ることができないので、リアリストは国際機関...

国際関係論の学者は損部が世界に対して与える結果ほどに、その原因について関心を持っていない。社会科学的な言い方をするなら、ゾンビは独立変数。 アナーキーな世界で流通する唯一の重要な通貨はパワーである。 あらゆる国家は自らの資源と能力にしか頼ることができないので、リアリストは国際機関が国際政治を規制する能力に対して懐疑的である。

Posted byブクログ

2012/11/23

まさに怪作。 「ゾンビ・アウトブレイクが実際に発生したらどうなるか?」 このロマン溢れる問いかけに対し、リアリズム、リベラリズムなど、国際政治学の方面から理論的検討をくわえた一作です。著者は本職の研究者であり、記述の正確性と議論の充実度は折り紙つき。 ゾンビを題材にしたケース...

まさに怪作。 「ゾンビ・アウトブレイクが実際に発生したらどうなるか?」 このロマン溢れる問いかけに対し、リアリズム、リベラリズムなど、国際政治学の方面から理論的検討をくわえた一作です。著者は本職の研究者であり、記述の正確性と議論の充実度は折り紙つき。 ゾンビを題材にしたケーススタディの趣があり、国際政治理論を学ぶのに有益なのは間違いありません。間違いないのですが、注目すべきはやはりゾンビへの愛情の炸裂ぶりです。 ブードゥー教の古典的ゾンビ、ロメロ・ゾンビ、World War Zにおけるゾンビと、著者の筆は古今東西のゾンビに及んでいます。Zombie Research Societyの諮問委員をつとめているというだけあり、とにかくゾンビが好きだというのが随所から伝わってきます。これだけでもゾンビ好きの方は必読かと。 国際政治理論とゾンビ。まったく無関係としか思えない二点を繋げ大真面目に論じた点がたまりません。これはお薦め。解説「ゾンビ研究事始」も必読です。 なお、本書についてはExciteニュースにおける書評がとても良いものとなっています。ご一読を。 http://www.excite.co.jp/News/reviewbook/20121119/E1353253095995.html 

Posted byブクログ

2012/11/22

ゾンビが襲来したら国家(ないし国際社会)はいかに対応するかという問いについて、国際政治の理論によって解答を導いている本。ゾンビを国際社会や国家にとっての脅威と考えればいいだろう。この問いについてリアリズム、リベラリズム、コンストラクティビズムといった主要な国際政治理論のみならず、...

ゾンビが襲来したら国家(ないし国際社会)はいかに対応するかという問いについて、国際政治の理論によって解答を導いている本。ゾンビを国際社会や国家にとっての脅威と考えればいいだろう。この問いについてリアリズム、リベラリズム、コンストラクティビズムといった主要な国際政治理論のみならず、官僚政治や国内アクター、さらに個人に関する理論によっても解答が示されている。しかもかなり幅広い理論をカバーしている。 本書の優れたところは後半部のゾンビ研究事始にある対談形式で示されている国際政治理論の解説である。本編を一読しただけだとなかなか難しいが、この解説では国際政治の理論についての解説が簡潔に述べられており、これを読むと本編の理解がさらに進むだろう。 社会科学を学ぶ大学生のみならず、国際政治に興味がある人に勧めたい本である。

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