神の代理人 の商品レビュー
2021/6/25読了 15-6世紀の4人のローマ法王(最近は“教皇”の呼称に統一されたらしいが)のエピソード。アレッサンドロ6世(チェーザレ・ボルジアの父)は、最も腐敗したローマ法王とも言われるそうだが、塩野解釈では、イタリアの統一には政教分離が欠かせないことを理解していた、開...
2021/6/25読了 15-6世紀の4人のローマ法王(最近は“教皇”の呼称に統一されたらしいが)のエピソード。アレッサンドロ6世(チェーザレ・ボルジアの父)は、最も腐敗したローマ法王とも言われるそうだが、塩野解釈では、イタリアの統一には政教分離が欠かせないことを理解していた、開明的な法王だったということになりそうだ。
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教皇としての「使命を感じすぎ、思いつめてしまった」文化人・ピオ2世、「自分の思想を貫くために世界が滅亡するならば、そんな思想はさっさと引き下げる」と豪語するアレッサンドロ6世、威勢がよく口が悪く「決断力と勇気だけで出来ているような男」として描かれるジュリオ2世、「自己の優越性を確信していた、真に貴族的な精神の持主」と評されるレオーネ10世。15世紀半ばから16世紀はじめ頃まで、つまり「ローマ掠奪」によりローマが廃墟と化す直前までにその座に就いた、4人の教皇を描く連作集。 ローマ=カトリック教会の権威が薄れ続けてゆく時代を描いているから、どの作品も優雅さや勇ましさの影に諦念や虚無感がある。けれど、作品毎に書き方を変え、工夫を凝らしているから、陰鬱なシーンが続くものでも読む楽しさがあった。 特に『アレッサンドロ六世とサヴォナローラ』は、権威対権威、思想対思想のぶつかり合いとしても、貴族的なものと民衆的なもののせめぎ合う悲劇としても、読み応えがあった。
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価値観が全然現代とは違ってるので、よくキリスト教第一の世界に住んでるな。 人間の信じるという力に脱帽するし、多視点での物の見方が大事だと思う。 教育って大事だなぁ。と今更思わされる一冊出した。
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著者の書き方のおかげかもしれないが、アレッサンドロ六世などグレーなのが魅力的。ジュリオ二世とかサヴォナローラみたいな独善的なのは無理。
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☆☆☆2019年10月☆☆☆ ルネサンス期の法王の物語。 法王は、俗界にかかわりを持たない聖なる存在ではなく、欲望むき出しの人間らしい人間が多い。純粋に信仰心から行うことが、世の中を混乱させてしまう事もあり、なんか滅茶苦茶だ。そんな法王たちの物語。 「最後の十字軍」 ピオ...
☆☆☆2019年10月☆☆☆ ルネサンス期の法王の物語。 法王は、俗界にかかわりを持たない聖なる存在ではなく、欲望むき出しの人間らしい人間が多い。純粋に信仰心から行うことが、世の中を混乱させてしまう事もあり、なんか滅茶苦茶だ。そんな法王たちの物語。 「最後の十字軍」 ピオ二世 「アレッサンドロ六世とサヴォナローラ」 アレッサンドロ六世 「剣と十字架」 ジュリオ二世 「ローマ・十六世紀初頭」 レオーネ十世
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合う合わないがあるかな。前半はゆっくり、人物描写や心理変遷なども、細かな記述からその世界観を楽しんだが、だんだん、その構成と抑揚に読み疲れが出て、斜め読みすると、途端に読書の情熱が冷めてしまうような。説明書か教科書のような設定の羅列に置き去りにされてしまった。 再読しようか、でも...
合う合わないがあるかな。前半はゆっくり、人物描写や心理変遷なども、細かな記述からその世界観を楽しんだが、だんだん、その構成と抑揚に読み疲れが出て、斜め読みすると、途端に読書の情熱が冷めてしまうような。説明書か教科書のような設定の羅列に置き去りにされてしまった。 再読しようか、でも、そこまでのめり込めないので、うーむ、である。
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教会の権威復活のために十字軍結成に心血を注いだ知識人法王ピオ二世。 過激な改革を説き、民衆の熱狂的な支持を集めるサヴォナローラと対峙したアレッサンドロ六世。 教会領再復のため、自ら軍隊を組織し陣頭に立ったジュリオ二世。 芸術と豪奢を愛し、法王庁の資産を食いつぶしたメディチ家出身の...
教会の権威復活のために十字軍結成に心血を注いだ知識人法王ピオ二世。 過激な改革を説き、民衆の熱狂的な支持を集めるサヴォナローラと対峙したアレッサンドロ六世。 教会領再復のため、自ら軍隊を組織し陣頭に立ったジュリオ二世。 芸術と豪奢を愛し、法王庁の資産を食いつぶしたメディチ家出身のレオーネ十世…。権力の中枢を生きたローマ法王を描き出す
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教会の権威復活のために十字軍結成に心血を注いだ知識人法王ピオ二世。 過激な改革を説き、民衆の熱狂的な支持を集めるサヴォナローラと対峙したアレッサンドロ六世。 教会領再復のため、自ら軍隊を組織し陣頭に立ったジュリオ二世。 芸術と豪奢を愛し、法王庁の資産を食いつぶしたメディチ家出身の...
教会の権威復活のために十字軍結成に心血を注いだ知識人法王ピオ二世。 過激な改革を説き、民衆の熱狂的な支持を集めるサヴォナローラと対峙したアレッサンドロ六世。 教会領再復のため、自ら軍隊を組織し陣頭に立ったジュリオ二世。 芸術と豪奢を愛し、法王庁の資産を食いつぶしたメディチ家出身のレオーネ十世…。 権力の中枢を生きたローマ法王の実像を描き出す 個人的には、アレッサンドロ六世とレオーネ十世が面白かった。 神の代理人とはいえど、キレイゴトでは何も収まらない。 そのあたりの徹底した現実主義っぷりが際立ったお二方。 「ローマ法王」といえど一人の人間。 その人が生きた時代や国、各々の性格等によって教会の統率の仕方はまるで違う。 信仰とは何か。正義とは何か。
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最後の十字軍◆アレッサンドロ六世とサヴォナローラ◆剣と十字架◆ローマ・十六世紀初頭 著者:塩野七生(1937-、東京市滝野川区(北区))
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読んでる途中でまさに劇中の舞台となっていたフィレンツェの、修道士サヴォナローラの影響を受けたボッテイチェッリの作品(死せるキリストへの哀悼)を見る機会があったりして、なかなか刺激的に楽しめた。(このタイミングで読んだオレ(・∀・)bグッジョブ あと、ヴェネチアいいなあ
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