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経済学に何ができるか の商品レビュー

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38件のお客様レビュー

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2013/01/29

経済学の役割について個々のトピックをあげて、経済学の歴史的アプローチの背景を解説している。概論的なトピックではあるが、著者のこれまでの著作と同じく、深い理解のもと経済史的な観点からよくまとまっており、経済学の復習には良いと考える。 トピック:税と国債(国家のファイナンス)、中央銀...

経済学の役割について個々のトピックをあげて、経済学の歴史的アプローチの背景を解説している。概論的なトピックではあるが、著者のこれまでの著作と同じく、深い理解のもと経済史的な観点からよくまとまっており、経済学の復習には良いと考える。 トピック:税と国債(国家のファイナンス)、中央銀行の役割、インフレ、不確実性、貧困、所得格差、知識、分配と交換、中間組織、幸福。

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2013/01/13
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※このレビューにはネタバレを含みます

現在経済学が解決しなければいくつかの課題と経済学の対処方法等を述べていく。 経済学が想定する仮定の限界を示してくれる。

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2013/01/04

経済の入門書ではないが、入門書を読んだ次くらいに読むとちょうど良い気がする本。 様々な社会問題について、経済学的な視点でそれらを考えるとどうなるかについて簡潔に解説してくれる。 机上の空論を展開するのに終始せず、一つ一つの問題と正面から現実的に、倫理的に向き合っている本書のテーマ...

経済の入門書ではないが、入門書を読んだ次くらいに読むとちょうど良い気がする本。 様々な社会問題について、経済学的な視点でそれらを考えるとどうなるかについて簡潔に解説してくれる。 机上の空論を展開するのに終始せず、一つ一つの問題と正面から現実的に、倫理的に向き合っている本書のテーマはまさに「経済学に何ができるか」「何ができないか」についてであり、この本にはこの題名こそがふさわしいと思った。

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2012/12/17

経済学というより、かなり倫理的な本です。経済社会的な諸問題に対して、経済学だけでは解決しえない限界を明らかにしながらも、なおかつ経済学のもつ本質的な役割を示そうとする試みだと思います。この本を読んで、中庸ってものの重要性と困難さをしみじみ感じました。それと経済学って倫理学の子なん...

経済学というより、かなり倫理的な本です。経済社会的な諸問題に対して、経済学だけでは解決しえない限界を明らかにしながらも、なおかつ経済学のもつ本質的な役割を示そうとする試みだと思います。この本を読んで、中庸ってものの重要性と困難さをしみじみ感じました。それと経済学って倫理学の子なんだなあって改めて思いました。 歯切れの悪さこそが素晴らしい良書です。お奨めの本です。

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2012/12/10

理論と現実の間をさまよう経済学。 そんな経済学の不完全性を受け入れ、その狭間を地道に埋めようとしてきた経済学者の格闘の書。 経済学が何を考えてきたのか。 経済学がどのようなものなのか。 完全な社会科学などないし、目指すべきでもない。 自分自身がその間を行ったり来たりして自分の頭で...

理論と現実の間をさまよう経済学。 そんな経済学の不完全性を受け入れ、その狭間を地道に埋めようとしてきた経済学者の格闘の書。 経済学が何を考えてきたのか。 経済学がどのようなものなのか。 完全な社会科学などないし、目指すべきでもない。 自分自身がその間を行ったり来たりして自分の頭で考えることでしか前に進むことができない。 そう感じさせる内容でした。 新書とは思えない。

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2012/11/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

経済学に関する書物というよりは、経済哲学と政治哲学と貫く社会科学全般に関する考究といった感じです。なので、今でいうとマイケルサンデルの著書に親しみがある方は読みやすいかもしれません。内容的には流行りの新自由主義は採らず、かといって大きな政府を求めるものではないと言ったところ。つまり、「真理は中庸にあり」と言ったスタンス。

Posted byブクログ

2012/11/23

筆者なりの概念の整理により、経済学にまつわる現代的な問題が紹介されている。 全くこの分野に知識がなくとも読めなくはないが、前提知識がないとツライ。じっくり腰を据えて読むべき本である。そう言った意味で高度な新書であると言えるだろう。

Posted byブクログ

2012/11/15

連載のまとめ直しという事もあって、話題は多岐にわたり、ひととおりの感想は持てないが、2つの矛盾する価値を求めてしまう人間の二重性を軸に、はっとさせられる含蓄とアフォリズムにあふれている。 「経済学者はダメだ」とか、「ケインズは古い」、「GDPよりも幸福度を」などと切り捨てるのでは...

連載のまとめ直しという事もあって、話題は多岐にわたり、ひととおりの感想は持てないが、2つの矛盾する価値を求めてしまう人間の二重性を軸に、はっとさせられる含蓄とアフォリズムにあふれている。 「経済学者はダメだ」とか、「ケインズは古い」、「GDPよりも幸福度を」などと切り捨てるのではなく、もう一度古典派の巨人たちの考察に耳を傾けると、彼らがいかに人間を見つめていたかという事がわかってくる。特に、フランク・ナイトはかなり重要な位置をしめているのにも関わらず、彼の著作物が現在の日本で殆ど入手できない(図書館でも置いてあるところは一部)というのがとても残念だ。 現在の一般均衡理論や金融理論、メカニズムデザイン論などは、曖昧になるところは極力切り捨てて、最低限分かるところに集中している感じがするが、その分産業競争論や、個人の行動論(これは行動経済学として再びブームにはなったが)が、抜け落ちがちになっている感じがする。 経済は極めて人間的な現象であり、「人間とは◯◯である」と一言で表現できないのと同様、一つの視点で全体を捉えられると思ったら大きな錯覚だろう。「より本質的」ということはあり得ても、究極の本質は存在せず、常に揺れ動いている。我々は常に「健全な懐疑主義」に立たなければならない。 「野心と虚栄心に突き動かされる「弱い人」が他人から賞賛されたい、他人から注目されたい、と考えてきたからこそ、そのエネルギーによって経済社会は多くの冨を創造することができた」 「愚かさは、憲法の「威厳を持った部分」への尊敬の念を生み出すだけでなく、移り気や激情から社会を守る常識的な力になると彼(ウォルター・バジョット)は考えていた」 「金融政策が常に成長に対して強い威力を発揮すると信じ込んでいる人は、成長政策が行き詰まると、王子を叱れない教師が「王子の学友」を身代わりにムチ打つように、中央銀行の不作為を責めるのである」(p.40) 「かつてハイエクは、「貨幣」を名詞として用いることは難しいが、「貨幣的」という形容詞に関する理解は意外共通するものがあると述べた」(p.59) 「金融政策がマイルド・インフレーションによって生み出した経済活動を維持するためには、インフレ率を加速しなければならない」(p.63) 「不確実だからこそ、人々は行動できる。だが豊かな知識と情報は、逆に人々の行動を抑制する働きを持つ。情報の「高度化」は、不確実な未来に向かって挑戦しようとする者の意欲を弱めたのかもしれない。」(p.116)

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