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経済学に何ができるか の商品レビュー

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37件のお客様レビュー

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2013/08/24

経済は物質的な面で人間生活の基盤をなしている。経済の冷徹な原理にさらされていない人間はいない。そのため、誰もが経済について経験と価値観に基づく「一家言」を持っている。 本書では、歴史的な流れの中で、経済制度や慣行を捉え直している。 経済学が力が発揮できるのは、その論理を用いて説得...

経済は物質的な面で人間生活の基盤をなしている。経済の冷徹な原理にさらされていない人間はいない。そのため、誰もが経済について経験と価値観に基づく「一家言」を持っている。 本書では、歴史的な流れの中で、経済制度や慣行を捉え直している。 経済学が力が発揮できるのは、その論理を用いて説得が可能な価値選択以前の段階までであり、それ以降は政治的な選択に任される。そこが理論と政策をわける境界線である。

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2013/07/27

過去の経済学者の理論の紹介だけでなく、最近の経済データや哲学的観点からの意見など、読み応え十分。これまで読んだ「経済学の新書」のイメージとは全然違う。良い。

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2013/07/19

学問の限界を探り、経済学と経済政策の違いを明らかにしながら、各々できることとできないことが冷静に議論されてる良書。

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2013/06/05

経済理論と経済政策を峻別し、理論を現実に単純に当てはめようとしないことが重要である。経済政策は経済問題だけでなく、多分に政治的な要素から決められるからだ。また、経済学は社会の経済問題に一刀両断に答えられるものではない。むしろ明快な主張には用心すべきであると解く。 経済理論はもち...

経済理論と経済政策を峻別し、理論を現実に単純に当てはめようとしないことが重要である。経済政策は経済問題だけでなく、多分に政治的な要素から決められるからだ。また、経済学は社会の経済問題に一刀両断に答えられるものではない。むしろ明快な主張には用心すべきであると解く。 経済理論はもちろん重要であるし、学ぶべき順序もある。また、経済学は万事を経済変数で説明する(経済還元主義に基づく)学問ではない。経済還元主義と経済学的なアプローチは全く異なるものだ。人間の持つ理性、情念、倫理観といったものに目を向けるとともに、自由市場は尊重しつつ、市場の有効性について批判的に再吟味することが重要である。 現代社会の最大の問題点は、価値の相克であり、倫理の問題である。そして、社会問題の解決には、価値観についての合意が重要となる。経済学は、価値選択以前の問題について、理論的に分析することはできるが、価値自体を決めることはできない。その意味では、経済学の視点だけでは強い主張は行えないし、また、そのような主張をしない品性が求められる。

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2013/05/23

さまざまな「価値」がぶつかり合う、現代の自由社会。その結果、様々の難題が私たちの前に立ちはだかっています。 人間にとって正義とは、幸福とは。 著者は、経済学の基本的な論理を解説しながら、問題の本質に迫る。 デモクラシーのもとにおける経済学の可能性と限界を問い直す試みがなされ...

さまざまな「価値」がぶつかり合う、現代の自由社会。その結果、様々の難題が私たちの前に立ちはだかっています。 人間にとって正義とは、幸福とは。 著者は、経済学の基本的な論理を解説しながら、問題の本質に迫る。 デモクラシーのもとにおける経済学の可能性と限界を問い直す試みがなされたものである。以下、内容。 序章 制度と政策をめぐる二つの視点 第Ⅰ部 自由と責任 第1章 税と国債 ― ギリシャ危機を通して見る 第2章 中央銀行の責任 ― なぜ「独立性」が重要なのか 第3章 インフレーションの不安 ― 貨幣は正確には操作できない 第Ⅱ部 平等と偶然 第4章 不確実性と投資 ― 「賭ける」ことの意味 第5章 貧困と失業の罠 ― その発見から現在まで 第6章 なぜ所得格差が問題なのか ― 人間の満足度の構造 第7章 知識は公共財か ― 学問の自由と知的独占 第8章 消費の外部性 ― 消費者の持つべき倫理を考える 第Ⅲ部 中庸と幸福 第9章 中間組織の役割 ― 個人でもなく国家でもなく 第10章 分配の正義と交換の正義 ― 体制をいかにデザインするか 第11章 経済学的厚生と幸福 ― GDPを補完するもの 終章 経済学に何ができるか *人の世をはかる尺度は百家争鳴ですが、自分が納得できる一つの思考パターン「型」を持っていれば、人間、この世を上手に生きれるのではと思います(笑)。 

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2013/05/06

経済思想の歴史的な変遷を追いつつ、「経済学に何ができるか」というテーマについて理論と現実の対比によって明快に論点を提示している。 かなり高尚な内容だが、非常に平易で読みやすい。おすすめ。

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2013/04/22

数年前に流行った政治哲学のように、問題に対して経済学なりの解答を出そうとしている本だと思う。もちろん理論と実践が異なることも指摘している。 内容は下記の通りだが、処方箋を出すと言うよりも考え方を紹介してる方が強く、簡単に説明することよりもその裏にある単純化の問題を指摘している。...

数年前に流行った政治哲学のように、問題に対して経済学なりの解答を出そうとしている本だと思う。もちろん理論と実践が異なることも指摘している。 内容は下記の通りだが、処方箋を出すと言うよりも考え方を紹介してる方が強く、簡単に説明することよりもその裏にある単純化の問題を指摘している。 第1部 自由と責任  ・税と国債  ・中央銀行の責任  ・インフレーションの不安 第2部 平等と偶然  ・不確実性と投資  ・貧困と失業の罠  ・なぜ所得格差が問題なのか  ・知識は公共財か  ・消費の外部性 第3部 中庸と幸福  ・中間組織の役割  ・分配の正義と交換の正義  ・経済的厚生と幸福    ・経済学に何ができるか

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2013/04/01

経済学を学び直すor経済学をこれから学ぶ人に最適な一冊。猪木氏すごい。 2013年を生きる私たちを取り巻く経済施策(アベノミクスやユーロ危機対応しかり)をはっきり意識させながら、その施策の妥当性は経済学の基礎的論拠としてはどこに求められるのか、歴史的実証と、アダムスミスを始めト...

経済学を学び直すor経済学をこれから学ぶ人に最適な一冊。猪木氏すごい。 2013年を生きる私たちを取り巻く経済施策(アベノミクスやユーロ危機対応しかり)をはっきり意識させながら、その施策の妥当性は経済学の基礎的論拠としてはどこに求められるのか、歴史的実証と、アダムスミスを始めトクヴィルや果てはアリストテレスの考察を引いて解説してくれる。 その網羅性に、感服。 個人的には貧困問題にもうちょっとページを割いて欲しかった。他、『不確実性と投資』『なぜ所得格差が問題か』『経済学的厚生と幸福』の章が面白かった。 新書だけど内容を理解するにはちゃんと追加の勉強が必要。

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2013/03/29

税と国債 徴税能力 中央銀行の責任 ハイエクの貨幣発行自由化論 インフレーションの不安 富の強制移転 自己実現的という罠 不確実性と投資 有限責任の不思議 貧困と失業の罠  なぜ所得格差が問題なのか 豊富な情報はやる気をそぐ 知識は公共財か  消費の外部性 倫理は習慣である 中間...

税と国債 徴税能力 中央銀行の責任 ハイエクの貨幣発行自由化論 インフレーションの不安 富の強制移転 自己実現的という罠 不確実性と投資 有限責任の不思議 貧困と失業の罠  なぜ所得格差が問題なのか 豊富な情報はやる気をそぐ 知識は公共財か  消費の外部性 倫理は習慣である 中間組織の役割 結社 分配の正義と交換の正義 経済的厚生と幸福 効用と福祉 経済学に何ができるか

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2013/03/25

新書としては、超第一級の名著。これだけ丁寧に経済学を解説し、なおかつ文章が練り込まれており、経済学の限界を素直に認めながら、その可能性を探っている。

Posted byブクログ