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物語 哲学の歴史 の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2024/01/27

哲学史や哲学概論の本はこれまで何冊か読んできたが、これが最もわかりやすく、新書にしておくのはもったいないと思うほどである。 哲学史ではよく「元素(アルケー)」の説明から始まるが、これだけでは「だから何?それが何でプラトンとかの哲学につながったの?」という疑問で終わってしまう。実際...

哲学史や哲学概論の本はこれまで何冊か読んできたが、これが最もわかりやすく、新書にしておくのはもったいないと思うほどである。 哲学史ではよく「元素(アルケー)」の説明から始まるが、これだけでは「だから何?それが何でプラトンとかの哲学につながったの?」という疑問で終わってしまう。実際、元素自体に関する考察はギリシアのみならず中国でも生まれているし、「タレスは万物の元素を水とした」などという事実の列挙だけではギリシアで哲学が発展した理由にはならない。 この本はその疑問に答え(本書p.36参照)、哲学全体の流れを一つの物語として淀みなく、かつ初学者にとってはかなり網羅的に記述している。また、アリストテレス哲学の基礎である「質料」と「形相」の説明がどの本を読んでも理解できなかったのだが、この本はその説明も手厚く理解することができた。 哲学史を気軽に一望できる本としてぜひ一冊持っておきたい本である。 参考までに、僕はこれまで『はじめての哲学史』『図説・標準 哲学史』等を読んできた。本書が難解だと思われる場合にはこれら(特に前者)を読んでから本書に取り掛かると良い。

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2023/11/13

■細目次 https://gyazo.com/1819f1d46f03028d23d128bd6002a74c https://gyazo.com/29191ab34c3dd7800f52923f25a6b91e https://gyazo.com/c5f5f09049c7e10...

■細目次 https://gyazo.com/1819f1d46f03028d23d128bd6002a74c https://gyazo.com/29191ab34c3dd7800f52923f25a6b91e https://gyazo.com/c5f5f09049c7e100c3ba56b511b1d3a7

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2023/09/24

哲学とは歴史である。そのことがよくわかる本だった。本書は、哲学史を一つの物語として語った本だ。歴史といっても、実際にはさまざまな細部があり、すべてを詳細に記述することはできない。本書が考える哲学史の展開のストーリーは、「魂の哲学」から「意識の哲学」、「言語の哲学」を経て、「生命の...

哲学とは歴史である。そのことがよくわかる本だった。本書は、哲学史を一つの物語として語った本だ。歴史といっても、実際にはさまざまな細部があり、すべてを詳細に記述することはできない。本書が考える哲学史の展開のストーリーは、「魂の哲学」から「意識の哲学」、「言語の哲学」を経て、「生命の哲学」に向かっていく。 ある思想がどのように生まれ、どのように否定されるのか、ある人物はなぜこのような主張をしたのか、そして私たちは今なぜこのように考えているのか、などのことがわかるようになる。これまでの思想の全体像を理解したい人におすすめの本だ。

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2021/06/07

哲学を「存在とは何か?」「人間とは何か?」ということを切り口にギリシャから現代まで俯瞰した本。非常に狭い範囲に論点を絞っているのでそれぞれの哲学社の思想をすべて網羅しているわけではないが、「存在」「人間」というものをどのように考えるかという哲学の最大課題を見事に描き出している。プ...

哲学を「存在とは何か?」「人間とは何か?」ということを切り口にギリシャから現代まで俯瞰した本。非常に狭い範囲に論点を絞っているのでそれぞれの哲学社の思想をすべて網羅しているわけではないが、「存在」「人間」というものをどのように考えるかという哲学の最大課題を見事に描き出している。プラトンのイデア論、アリストテレスの目的論、デカルトによる理性の発見、イギリス経験論、大陸合理論、カントの観念論、ショーペンハウアーの生の哲学、ニーチェの力の哲学、プラグマティズム、ラッセルの言語哲学、実存主義と哲学の大筋を理解するにはうってつけ。一つ一つの哲学書を読むよりその思想を生み出す土台となったそれ以前の哲学との流れとして理解できるので、分かりやすい。哲学が科学技術の進歩に影響を受けて形を変えてきたということもよくわかる。とは言っても内容を咀嚼するのには相当の努力が必要で、面白さも相まり珍しく2度読みした。人間は特別な存在なのか、言語というものはなぜ存在するのか、言語は社会の進化を促すのに大変有益であると同時に言語があるために哲学のようなある意味考えなくても良いことを考える宿命を人間は持ってしまったのではないかとつくづく考えさせられた。

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2020/12/07

まさに「物語」のように哲学の歴史を有機的に紡いでくれます。全くの初心者にはお勧めできませんが、それなりに哲学の知識を入れた後ならば 断片的な知識を結びつけるのに役立つと思います。

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2018/05/28

題名をあえて「物語」としたところに「歴史物語論」に対する著者の意図を感じるが、それは捻くれた見方だろうか。 著者は人間の精神をテーマに哲学史を論じ、最終的には「生命の哲学」へと帰結している。これは科学哲学のみならず、生命倫理や医学分野等々、学際的に考えなければならない重要なテーマ...

題名をあえて「物語」としたところに「歴史物語論」に対する著者の意図を感じるが、それは捻くれた見方だろうか。 著者は人間の精神をテーマに哲学史を論じ、最終的には「生命の哲学」へと帰結している。これは科学哲学のみならず、生命倫理や医学分野等々、学際的に考えなければならない重要なテーマであると思うが、タコツボ化したアカデミズムにそれが可能か否かが課題だろう。

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2014/05/16

「心」の存在論について、ソクラテスやプラトンから現代までどのようなことが考えられてきたのかを、螺旋と円環を組み合わせたかのような流れとして記した本。何を言っているのか(説明不足で)分かりにくくなっているところもちらほらあるが、きれいにまとまっていて、誰と誰が、何と何が、どう関係す...

「心」の存在論について、ソクラテスやプラトンから現代までどのようなことが考えられてきたのかを、螺旋と円環を組み合わせたかのような流れとして記した本。何を言っているのか(説明不足で)分かりにくくなっているところもちらほらあるが、きれいにまとまっていて、誰と誰が、何と何が、どう関係するのかがわかりやすい。

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2013/10/19

何か自分に不調があった時、「それは精神的な問題ですね」とか、「体が疲れているんだろう」などと私たちは心と体を分けて考え、それに応じた対処を取ることができる。また、自分に心があることは認めても、部屋の中にある椅子や机、その辺に転がっている石などに、心があるなどとはまったく考えない。...

何か自分に不調があった時、「それは精神的な問題ですね」とか、「体が疲れているんだろう」などと私たちは心と体を分けて考え、それに応じた対処を取ることができる。また、自分に心があることは認めても、部屋の中にある椅子や机、その辺に転がっている石などに、心があるなどとはまったく考えない。心は動物に、しかも高等動物に、特有のものだと信じている。 しかし、それは当たり前のことだろうか。もし当たり前でないとしたら、なぜそう信じていられるのか。心とは、いったいどのように在るものなのか。 こうした問いのひとつの行き先がこの本にはある。これは、過去の哲学者たちが「心」をどのように捉えようとしてきたかの歴史=物語なのだ。 古代から現代へと至るその物語は四つの段階に分けられている。「魂の哲学」「意識の哲学」「言語の哲学」「生命の哲学」である。そしてこの物語の面白さは、これらが現代において、始発点へと回帰するという見方にある。 ――「魂から意識へ、意識から言語へ、そして生命へ―。これは簡単にいうと、一つのサイクルの物語である。哲学は魂という原理から出発して、意識や言語という近代科学と密接に結びついた考え方を経由して、生命というある意味では古代の魂にも似た原理へと戻ってきた。」(p.5) そして、この「心」への問いは、最終的には宇宙へと広がっていく。物理学を基本にして宇宙論が発展した今、私たちの心は宇宙に対してどう位置づけられるのか。それは、私たちの内面を問いながら、私たちを超え出るものを問うことになるだろう。 こうした無限の射程を含みながら、哲学における「心」の歴史=物語がこの本には明快に描き出されている。

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2013/07/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

伊藤邦武『物語 哲学の歴史 自分と世界を考えるために』中公新書、読了。「人間の誰もが世界と向き合い、自分の生を意味を顧みるときに、どうしても問わずにはいられない、もっとも根本的な問いを深く考え、その答えを模索しようとする知的努力」が哲学。哲学史を一つのストーリーとして描き出す 筆者は西洋哲学二千余年の歴史を、「魂の哲学」(古代・中世)、「意識の哲学」(近世・近代)、「言語の哲学」(20世紀)、「生命の哲学」(21世紀へ)と分類、そのパラダイムシフトを追跡する。魂から意識へ。意識から言語へ、そして生命へ。 西洋哲学の源流は魂への配慮に始まる。そしてどう認識し、言語化するのかという営みは、魂そのものとしての生命に注目せざるを得なくなる。自分とは何か?とは、世界と対話した上で自分に戻るからするから、哲学のストーリーとは再帰的といってよい。 本書は新書サイズで西洋哲学史の流れだけでなく、代表的な考え方を平明かつコンパクトにまとめようとする大胆な試みだが、筆者の意図はほぼ成功しているといえよう。「自分と世界を考えるために」(副題)一助となる一冊である。

Posted byブクログ

2013/07/01

哲学が時代ごとにどのように発展してしたのかが概観できる。これまで漠然と知っていた哲学的な知識を、全体の中に位置付けて理解できる。必読!

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