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空と風と星と詩 の商品レビュー

4.2

15件のお客様レビュー

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2024/08/28

 演劇の会場で購入。劇中ではとても美しい詩だと感動したのですが、訳者が違うからか、それほど心に刺さりませんでした。でもきっと本当に優しい純粋な人だったのでしょうね。  戦争の一番の恐ろしさはこうした純粋な若者を簡単に踏みにじってしまうということだと思います。理性を奪われることの...

 演劇の会場で購入。劇中ではとても美しい詩だと感動したのですが、訳者が違うからか、それほど心に刺さりませんでした。でもきっと本当に優しい純粋な人だったのでしょうね。  戦争の一番の恐ろしさはこうした純粋な若者を簡単に踏みにじってしまうということだと思います。理性を奪われることの怖さを伝えていかなくてはなりませんね。

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2023/09/21

ハングルへの旅 新装版 (朝日文庫)/茨木のり子を読み、尹東柱の詩に興味を持ち、さらには映画でカンハヌルが演じていると知り、手に取りました。 なんというか、強くあれ(ここでいう強さはマチズム的な)と強く望まれそうであることが当然の世の中で、弱いまま素朴な自分を貫くことの強さを感...

ハングルへの旅 新装版 (朝日文庫)/茨木のり子を読み、尹東柱の詩に興味を持ち、さらには映画でカンハヌルが演じていると知り、手に取りました。 なんというか、強くあれ(ここでいう強さはマチズム的な)と強く望まれそうであることが当然の世の中で、弱いまま素朴な自分を貫くことの強さを感じる。そうやってしか振舞えない部分も自身の意思でそうしている部分もどちらもあると思うけど、弱さ(無力な自分を見せること)を通して感じる強靭さみたいなものを感じてしまう。 あと、日本で拘束中に亡くなったこともあり、何も知らないと抗日運動に励んだようなイメージがあるが、実際には、ハングル(確かに当時は使用禁止だった訳だけど)で日常にそりそう詩を書いていただけである。そして、その素朴さ、自分の無力さを貫く姿勢はその時代においては、朝鮮においても是とされるものではなく、きっと生きながらえても、厳しい道が待っていただろうという解説を読んで、単純なものではないと思った。と同時に、単純に時の時勢、権力になびかないなんらかの強さを持った人を、権力は恐れるのかもしれない。反抗的だからとかではなく、そのコントロール下に置ききれないつかめなさを無意識のうちに恐れるのかもしれないな、なんて考えも浮かんだ。

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2022/11/17

尹東柱 (ユンドンジュ) 「 空と風と星と詩 」 金時鐘 (キムシジョン) 訳 時系列に読むと 心情変化を感じる抒情詩〜家族や友人の死を乗り越え、自分が生きる意味を 問いながら 詩を作っている感じ。「序詞」が著者の行き着いた結論。 抒情の前提となる歴史背景や著者(家族)の事を...

尹東柱 (ユンドンジュ) 「 空と風と星と詩 」 金時鐘 (キムシジョン) 訳 時系列に読むと 心情変化を感じる抒情詩〜家族や友人の死を乗り越え、自分が生きる意味を 問いながら 詩を作っている感じ。「序詞」が著者の行き着いた結論。 抒情の前提となる歴史背景や著者(家族)の事を もう少し知っ方が いいかも。 1941 「序詞」 死ぬ日まで天を仰ぎ/一点の恥じ入ることもないことを 葉あいにおきる風にすら/私は思いわずらった 星を歌う心で/すべて絶え入るものをいとおしまねば/そして与えられた道を/歩いて行かねば 今夜も星が 風がかすれて泣いている 1936 「このような日」矛盾が理解できないことへの憂い 「陽溜り」薄い平和への不安 1937 「寒時計」縛りつけられた時計=自分 「にわか雨」ノアの時の空(洪水)を飲み干す自分 「遺言」声のない口のうごめき、眼ににじんでいる悲しみ 1938 「異蹟(聖霊により病気をなおす奇蹟)」私はすべての雑念を〜流してしまう 「弟の印象画」かなしい繪 「自画像」その男が憎くなり〜その男がいとおしくなる 1940 「ねぎらい」苦労を重ね、時を失い、病を得た男への慰労 1941 「肝」鷲は肝を食べて太り、ぼくは痩せねばならない→鷲の意味は 自分の攻撃的な心? 「星をかぞえる夜」私の星にも春が来る 「道」私が生きているのは 失くしたものを探すため 「また別の故郷」また別の美しい故郷=死 「眼を閉じてゆく」つま先に石があたったら、つぶっていた眼をカッとあけなさい 「風が吹いて」風が吹いているのに、私の苦しみには理由がない 「恐ろしい時間」私はまだ息がここに残っています〜私を呼ばないで下さい 1942 「懺悔録」ぼくの懺悔〜何の喜びを希って生きてきたのか 「たやすく書かれた詩」人生が生きがたいもの〜詩がたやすく書けるのは 恥ずかしい 「流れる街」憐れな多くの人々を載せて 霧の中に沈む街 「白い影」心の奥底で悩んできた多くの私からの

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2022/05/25

尹東柱(ユン・ドンジュ)は、大日本帝国占領時代の朝鮮出身の詩人である。現在の韓国、延世大学を卒業した後、1942年に日本に留学、立教大学・同志社大学で学んだ。1944年2月に治安維持法で起訴され、3月に有罪となり、福岡刑務所に収監された。その後、1945年2月、終戦の6ヶ月前に、...

尹東柱(ユン・ドンジュ)は、大日本帝国占領時代の朝鮮出身の詩人である。現在の韓国、延世大学を卒業した後、1942年に日本に留学、立教大学・同志社大学で学んだ。1944年2月に治安維持法で起訴され、3月に有罪となり、福岡刑務所に収監された。その後、1945年2月、終戦の6ヶ月前に、原因不明の獄死を遂げた。27歳の若さであった。 延世大学を卒業し、日本に留学に来る前に、彼は「空と風と星と詩」と名付けた詩集を自分で発行しようとしたが、かなわず、3冊だけを自筆で作り上げた。戦後、その中の詩が新聞で紹介され反響を呼ぶ。その後、彼の詩は中学校・高校の教科書に取り上げられるなど、尹東柱は死後、とても有名な詩人となった。 日本で勉強しようと、終戦間際のあの時代に留学してきた将来のある若者を、訳の分からない理由で、結局は死に至らしめてしまう(要するに殺してしまう)、当時の日本という国のどうしようもなさと、本人・親御さん・知人の無念さを思うと、何とも言えない気持ちになる。 尹東柱について調べる必要があり、岩波文庫を手にとってみたが、とても厳粛、かつ、やり切れない気持ちになった。

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2021/07/14

イ・ジョンミョン「星をかすめる風」を読んだのがきっかけで購入。 日本人による訳で「母さん」としていたところを「オンマ」とそのままの発音で書いてある。そうだよなあ、と思った。 そういう翻訳の部分も含めてじっくり繰り返し読んでいきたい。

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2021/03/20

“思い返せば 幼い日の友ら ひとり、ふたり、みな失くしてしまい 私はなにを望んで 私はただ、ひとり澱のように沈んでいるのだろうか?” (p.43『たやすく書かれた詩』) “新しい日を求めていた私は 眠りから醒めて見回すと その時はもう明日ではなく 今日であった。” (p.8...

“思い返せば 幼い日の友ら ひとり、ふたり、みな失くしてしまい 私はなにを望んで 私はただ、ひとり澱のように沈んでいるのだろうか?” (p.43『たやすく書かれた詩』) “新しい日を求めていた私は 眠りから醒めて見回すと その時はもう明日ではなく 今日であった。” (p.89『明日はない―幼な心の問い』)

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2020/12/16

月が蒼い夜のような、深くしんと澄み渡った詩集に感じる。本当のところは、もっと深く学ばなければ読み解けないだろう。いつかまた読み返したい。

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2019/10/13

尹東柱(윤동주)は、太平洋戦争中に日本の立教大学に留学し、その後京都の同志社大学に転学し、そこで朝鮮独立運動に関わると疑われ治安維持法違反の容疑で逮捕され、福岡刑務所にて収監されている間にわずか27歳で獄死した。その残された詩は、学校での朝鮮語教育も制限された時代に、全編朝鮮語で...

尹東柱(윤동주)は、太平洋戦争中に日本の立教大学に留学し、その後京都の同志社大学に転学し、そこで朝鮮独立運動に関わると疑われ治安維持法違反の容疑で逮捕され、福岡刑務所にて収監されている間にわずか27歳で獄死した。その残された詩は、学校での朝鮮語教育も制限された時代に、全編朝鮮語で書かれていた。有名な「序詩」、 死ぬ日まで天を仰ぎ 一転の恥じ入ることもないことを 葉あいにおきる風にさえ 私は思い煩った。 星を歌う心で すべての絶え入るものをいとおしまねば そして私に与えられた道を 歩いていかねば。 今夜も星が 風にかすれて泣いている。 その他、特に、「星をかぞえる夜」、「たやすく書かれた詩」などが心に残る。

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2019/05/01

空と風と星、あるいは夜と暗がりを謳う、尹東柱のしずかな孤独。『空と…』本編の詩もよいが、末尾に載せられた「隕石の落ちたところ」もよい。詩人自らが、自らの創作の源となる心境を、これもまた詩のことばで解説しているようだ。

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2019/01/27

読み終わったがよくわからない。 よくわからないが伝わってくることは多い。 満州での生活、人々の様子、キリストの教えを背景にした描写。 訳者のあとがきによって、知識のなさはかなり補足されるがまだまだ足りない。 末永く読んでいきたい作品。

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