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ふがいない僕は空を見た の商品レビュー

3.8

642件のお客様レビュー

  1. 5つ

    141

  2. 4つ

    237

  3. 3つ

    162

  4. 2つ

    36

  5. 1つ

    11

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2024/03/04

性描写の多い作品だったが、若者の苦悩と大人の苦悩その2つの面が垣間見える良い小説であった。 きっと読む年代によって解釈や読後感が変わるのではないかと思う

Posted byブクログ

2024/02/25

窪さんの、こういう読後感とても好き。 4作目ということもあって信頼と実績で安心して読めました。 誰しもが持っている、どうしようもない弱さと歪みとをこんなにも誠実に描き出すのすごすぎる。 それを受け止めながらも、自分らしさをあきらめずに顔を上げるようなイメージで、ゆっくりジワジワ...

窪さんの、こういう読後感とても好き。 4作目ということもあって信頼と実績で安心して読めました。 誰しもが持っている、どうしようもない弱さと歪みとをこんなにも誠実に描き出すのすごすぎる。 それを受け止めながらも、自分らしさをあきらめずに顔を上げるようなイメージで、ゆっくりジワジワと心に温かいもの広がり、心からのエールを送りたくなる気持ちになる。 うまく言葉にできないけど、解説が素晴らしく言葉にしてくれていた・・・(大感謝) ここだけの話、結構生々しい性的な表現はあるんだけど、それがあるから読み進めやすい気がしました。笑 ページ数も少なめだし半日で読破。 最後のシーンでは卓巳と一緒に号泣!! 勧めにくいけど、大オススメ!読んで!

Posted byブクログ

2024/02/23

ふがいない。みんなふがいないんだな、と思った。厄介なものがあって当たり前だし、そこから逃げられるけど逃げられないっていうのも当たり前なんだな、と思った。 登場する人たちがみんな優しくて、そんなことまでしなくていいのにと思う場面が何度もあった。とんでもないものがある人はそれ以外をよ...

ふがいない。みんなふがいないんだな、と思った。厄介なものがあって当たり前だし、そこから逃げられるけど逃げられないっていうのも当たり前なんだな、と思った。 登場する人たちがみんな優しくて、そんなことまでしなくていいのにと思う場面が何度もあった。とんでもないものがある人はそれ以外をよくしていかないといけないのか。 いろんな人の深いところまで感情や思考を知ることができた。

Posted byブクログ

2024/02/16

様々な家庭環境における親と子供それぞれの葛藤を描いた作品。 本作は短編集。 各話の主人公はそれぞれ近しい間柄であり、1つの大きな出来事をそれぞれの主人公目線で描いているため、実質長編のように1つの繋がりがある物語となっている。 冒頭はかなり過激な性的描写からスタートする。 そ...

様々な家庭環境における親と子供それぞれの葛藤を描いた作品。 本作は短編集。 各話の主人公はそれぞれ近しい間柄であり、1つの大きな出来事をそれぞれの主人公目線で描いているため、実質長編のように1つの繋がりがある物語となっている。 冒頭はかなり過激な性的描写からスタートする。 その為「この内容最後まで読めるかな、、」という不安もよぎるが、そういった描写は一時。 あくまで各主人公の心の葛藤などがメインとなっている。 人妻と不倫をしている男子高校生。 本人の葛藤やそれをとりまく親、友人の葛藤などややダークな内容が多いため読む事が辛い部分もあるとは思うが、それぞれの心情を細かく描いている。

Posted byブクログ

2024/02/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『夜に星を放つ』を読んで、窪美澄さんの他の本も読みたいと思って手にとった一冊。 この本に出てくる登場人物はそれぞれが人生の分岐点にいるように思えます。 その中で人生をどう捉えるかとなった時に、1人の人物が『良いことも悪いことも長くは続かない』 『オセロの色が反転するように突然変わる』という言葉がありました。 これは本の中だけに限らず、自分が生きてる人生にも同じことが言えるなと感じました。 人生の見方が変わったなんて言い方は大袈裟ですが、少し人生を楽に生きるヒントに出会えた一冊でした。

Posted byブクログ

2024/01/31

色々な感情を知って、がむしゃらに生きていく高校生の男の子の話だけじゃない。 結婚しても、助産師で成功してるように見えても、色々な出来事が自分に起きて、自分のふがいなさを感じるのが人生なんだと思う。 向き合って生きていく人間らしさが溢れている作品だった◎

Posted byブクログ

2024/01/20

最初は不快さが先行してしまって、正直読み続けられるか不安だったけど、連作短編で主人公が変わっていくごとに見方が変わっていってあっという間に引き込まれた。 最後には風が吹き抜けていくようなすっきりとした読後感を得ることができた。 あんずさんのことを肯定はできないけれど、彼女が救われ...

最初は不快さが先行してしまって、正直読み続けられるか不安だったけど、連作短編で主人公が変わっていくごとに見方が変わっていってあっという間に引き込まれた。 最後には風が吹き抜けていくようなすっきりとした読後感を得ることができた。 あんずさんのことを肯定はできないけれど、彼女が救われる方法があるといいなと願わずにはいられなかった。

Posted byブクログ

2024/01/06

思ったより官能的な表現が多くややお腹いっぱいになりつつ、、 「性」と「生」のテーマそのもの。 人間ってそれを抜いてはやはり語れないのよな、と感じた。 性に向き合い、逃げ、乗り越え、受け入れ、というところを描ききり、その上で読者に判断を任されているような、計算された余白を感じた作...

思ったより官能的な表現が多くややお腹いっぱいになりつつ、、 「性」と「生」のテーマそのもの。 人間ってそれを抜いてはやはり語れないのよな、と感じた。 性に向き合い、逃げ、乗り越え、受け入れ、というところを描ききり、その上で読者に判断を任されているような、計算された余白を感じた作品。 映画もみたくなった。

Posted byブクログ

2023/12/23

窪美澄さんのデビュー作である本作。窪さん特有の後ろ暗い事情を抱えた人物を繊細かつリアルに描く作風が見られ、この作品が改めて窪さんの原点であると感じました。 本作は助産院の息子である主人公と、その友達や関係者、家族の物語。構成としては5編からなる連作短編集。主人公は高校生でありな...

窪美澄さんのデビュー作である本作。窪さん特有の後ろ暗い事情を抱えた人物を繊細かつリアルに描く作風が見られ、この作品が改めて窪さんの原点であると感じました。 本作は助産院の息子である主人公と、その友達や関係者、家族の物語。構成としては5編からなる連作短編集。主人公は高校生でありながらも、バイトと称して、人妻と不倫を行う。そんなある日、高校の同級生から告白され、改めてその関係性を省みるという流れ。 全編を通して、性的な描写やそれに関することが多いです。しかも、それが生々しくもあり、読む人によっては途中でギブアップしてしまうかもしれません。しかし、本作を通して、その生々しさこそがリアルであって、それを認めるってことも必要なのだなと思い知らされたような気がします。 みんな誰しも「やっかいなもの」や「後ろ暗いもの」を抱えているっていうことを強く意識させられる作品で、ドラマチックな救いや救済は描かれていないけれども、それらとの向き合い方を示してくれるようなそんな作品であるように感じました。

Posted byブクログ

2023/12/21

のっけから官能小説的な場面が多く辟易としてしまう部分が多分にあったが、ストーリー自体は面白く引き込まれていくという不思議な作品でした。構成としてはよく見かける登場人物それぞれの一人称的な視点からの物語りだったので、読み返すとまた面白いかもしれないと思いつつ前述の感想があるのですぐ...

のっけから官能小説的な場面が多く辟易としてしまう部分が多分にあったが、ストーリー自体は面白く引き込まれていくという不思議な作品でした。構成としてはよく見かける登場人物それぞれの一人称的な視点からの物語りだったので、読み返すとまた面白いかもしれないと思いつつ前述の感想があるのですぐには読み返さないと思います。 あとがきの部分でなるほどなーと思うところが多く、そこを意識しながらなら読み返しても面白いなーと思いました。

Posted byブクログ